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子育ての孤立化が問題視され、コミュニティ支援が重要。アタッチメント理論と社会的ネットワークを通じて生涯発達を支える視点を強調します。(発達心理学特論第6回)♯放送大学講義録

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子育ての孤立化が問題視されています。子育てが「子供の育て」ではなく、「孤立の子育て」とも言われています。子育てを孤立化させずに、人の生涯にわたるより適応的な発達を支えるためには、いくつかの課題があります。

例えば、子育て中の親子をサポートする環境を作ることです。コミュニティ内で遊びのグループを作るなどの仕組みが必要です。この写真は、ドイツの親子サークルが香港で開催したイベントの様子を示したものです。親子が集まり、赤ちゃんのマッサージなどをしながら、互いの子育ての悩みを話し合います。そこにはアドバイザーが同席し、必要に応じてアドバイスもしています。

開放的なコミュニティであれば、子育て中の家族に声をかけ、「困っていることはないか」と尋ねることができます。しかし、オートロックのマンションでは、子供の泣き声が聞こえてきても声をかけること自体が困難です。物理的なバリアだけでなく、隣人が誰かわからない状況では、助けを求めること自体が難しくなっています。さまざまな形でヘルプの信号を発している親や子供に気づき、その声を聞く力を一人ひとりが持つことが今日の課題だと思います。

本日は人間関係の生涯発達をテーマに、特にアタッチメント理論について詳しく触れました。親子関係を中心としたアタッチメントの考え方だけでなく、より広い社会的ネットワークの中で人の発達を捉えることが、これからますます重要になると思います。今日の話がそうした視点への理解を深めることにつながると良いと思います。