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サービス付き高齢者向け住宅は、高齢者住まい法に基づき、バリアフリー設計と生活相談サービスを提供し、老人ホームと異なり賃貸契約で居住の安定を図ります。介護保険制度も利用可能で、契約内容の確認が重要です。(暮らしに活かす不動産学第11回)#放送大学講義録

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生活の支援や介護が必要となった場合、自宅で介護保険制度を利用してサービスを受ける方法もありますが、老人ホーム以外にも、高齢者住まい法、正式には「高齢者の居住の安定確保に関する法律」により設立されたサービス付き高齢者向け住宅もあります。では、どのような住まいなのでしょうか。

サービス付き高齢者向け住宅とは、各部屋が原則として25平米以上で、トイレや洗面設備があり、段差がないなどバリアフリー設計となっていること、安否確認や生活相談のサービスが提供されること、そして高齢者の居住の安定が図られた契約であることが特徴です。

では、サービス付き高齢者向け住宅と老人ホームを比較してみましょう。一般的に老人ホームと言われる施設は、入居一時金を支払って入居し、月々の利用料を支払って食事やその他のサービスを利用します。これに対して、サービス付き高齢者向け住宅の場合は、建物賃貸借契約に基づく賃貸契約となります。

サービス付き高齢者向け住宅では、緊急時対応や安否確認などの状況把握サービスと生活相談サービスが必須で提供されます。サービス提供に関しては、建物賃貸借契約とは別にサービス利用契約を締結します。


老人ホームで多い利用権とはどんな権利でしょうか。教えていただきましょう。

老人ホームの利用権とは何か、賃貸住宅の賃借権、すなわち借家権と比較して説明します。まず、両方とも建物を借りて住むことは共通していますが、借りる対象が異なります。すなわち、老人ホームは施設であるのに対して、賃貸住宅は住宅です。したがって、老人ホームには借地借家法は適用されませんが、賃貸住宅には適用されます。

このように法律上の権利として見ると、老人ホームの利用権と借家権は大いに異なります。老人ホームの利用権は、契約の条項に大きく依存するため、入居時に多額の一時金を支払ったのに、中途退去した場合に返還されないといったトラブルが以前はありました。そこで、関係法令が改正され、入居者保護の観点からルールが定められました。

さらに、高齢者の居住の安定確保に関する法律、いわゆる高齢者居住法に基づくサービス付き高齢者向け住宅の制度は、有料老人ホームと高齢者向け賃貸住宅の生活を併せ持ちます。入居者の権利に関する部分に着目すると、サービス付き高齢者向け住宅では、老人ホームの利用権と賃貸住宅の借家権との違いが実質的に調整されています。

やはり契約内容を確認することが重要です。