-----講義録始め------
このCCRCは日本でも進みつつあります。こちらの石川県金沢市にあるシェア金沢の特徴は、まず多世代共生です。高齢者だけでなく、学生や体の不自由な子供の児童入所施設が共存しています。そして、高齢者は店舗の販売の担い手を務めています。
また、学生は格安の家賃で住む代わりに、ボランティア活動を行うことが条件です。こうした多世代共生型のCCRCがシェア金沢の特徴です。
今後、CCRCは日本でどのように発展するでしょうか。高齢者には健康寿命を伸ばしたいというニーズがあり、継続的なケアやお金、心の充足を求める声があります。元気なうちに集って暮らすCCRCは、高齢者の新しい暮らし方、ライフスタイルとして注目されています。
では、今後日本でCCRCが普及するためには何が必要でしょうか。まず、こうした新しい住まい方、ライフスタイルをきちんと伝えることです。それは、高齢者に活力と安心の暮らしをストーリーとして理解してもらうことです。次に、地域連携です。施設単体だけでなく、周辺の学校、文化施設、医療機関との地域包括ケアの連携が重要です。
最後に、制度設計です。高齢者の住み替えを促進するために、中古住宅の買い取り制度や不動産に関わる減税、社会活動ポイントなどのアイデアを組み合わせることです。例えば、高齢者が地域で50時間ボランティアをする、または50時間大学で学ぶことで、その時間が将来の介護時間に転換できる、または地域で使えるクーポンとして5万円分を提供するなどの制度が考えられます。これによって日本でもCCRCが普及するのではないでしょうか。
日本では、地方創生や多世代共生としてCCRCが広がっています。高齢者が安心して住み続けられることは大切ですが、さらに各地域がそれぞれの魅力を高め、多世代が共生し相互に学び合える暮らし方につながることが期待されます。