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米国のリバースモーゲージ(HECM)は連邦政府保険で保証され、消費者保護を図ります。英国のエクイティリリースは、民間貸付機関がリスクを負担し、住宅価格の安定と消費者保護が特徴です。(暮らしに活かす不動産学第11回)#放送大学講義録

-----講義録始め-----

 

まず、米国のリバースモーゲージは、ホームエクイティコンバージョンモーゲージ、通称HECM(ヘコム)と呼ばれます。

HECMは、連邦政府が運営する保険を通じて、貸し手にとっての3大リスクをカバーし、商品の普及と消費者保護を図っています。つまり、金融機関が経営不振などにより融資を契約通り実行しなくなったり、破綻したとしても、融資契約は政府の保険によって保証され、契約通りの融資が実行されます。

次に、英国のリバースモーゲージはエクイティリリースと総称されています。米国のような政府の支援はありませんが、次のような特徴があるため、エクイティリリースが普及しています。第1の特徴は、民間の貸付機関がリスクを負担していることです。その背景として、英国はロンドンを中心に慢性的な住宅不足と価格の上昇傾向が続いているため、住宅価格下落リスクは低くなっています。また、金利は世界的に長期低金利時代が続いているので、金利変動リスクは低いと言えます。

第2の特徴は、貸付機関やブローカーには保険会社が多く、住宅に関する保険の販売を促進するために、エクイティリリースの販売にも力を入れていることです。第3の特徴は、金融オンブズマンと呼ばれる中立的な第三者機関が苦情処理や紛争処理を行い、消費者保護の仕組みが整っていることです。