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博物館経営論の意義と課題の現状(博物館経営論第1回)♯放送大学講義録

-----講義録始め------

 

さて、最後に、この博物館経営論という科目が学芸員にとってどのような意味を持つのか、平井先生のお考えをお聞かせください。

はい。端的に言えば、博物館の可能性を広げ、やりたいことを実現するための方法論を身につけられる科目だと思っています。社会経済環境の変化が非常に著しい今日において、博物館を取り巻く環境は、残念ながら決して良いものだとは言えません。この状況を打破するヒントを与えてくれるのが博物館経営論だと考えています。

「経営論」というと、難しいとか博物館に関係あるのかと思われがちですが、どうか自分には関係ないことだと思わずに、正面から向き合ってみてください。

ありがとうございます。平井先生、今日はどうもありがとうございました。

こちらこそ、どうもありがとうございました。

今日はこの科目の第1回ですので、最後に、この科目を進めていくにあたり、一言申し上げます。ここまで、我が国の博物館の経営や経営論の現状を見てきました。まず1つ目は、博物館の使命に直結する博物館の価値にはどのようなものがあるのか、2つ目は、その価値を社会で実現するために博物館経営論が必須の要素であるにもかかわらず、現在の博物館経営論には不十分な点があることがわかりました。しかし一方で、3つ目として、博物館の現場ではどのような経営上の課題を抱えていて、今後どのような取り組みでその課題解決が可能であるかについても見てきました。

これら3つすべてが、我が国の博物館経営論や博物館経営の現実であり、いわばこれが現在地であると言えるでしょう。この科目では、2回目以降、これら3つの場面や立場から博物館経営論と博物館経営について考えていきます。

そして、受講者の皆様には、ご自身のこれまでの博物館体験、そしてこれからの博物館体験を加えて、より充実した学びを進めていっていただければと思います。それでは、これで第1回を終了します。