社会心理学という学問領域においては、概説書を読むより各個の研究を読んだ方が面白く学べるかもしれない。
集団心理や集団行動を研究する、というのは勘違い。出来ない訳ではないが。集団心を仮定した研究も過去にはあった。もっと個人間のコミュニケーションに沿ったもの。オルポート。他者が実際に存在したりしていることで、個人がどのような影響を受けるか。味わい深い定義?3つのポイントが。社会を集団とは捉えていない。社会の代わりに他者の存在が入っている。たった一人だとしても、影響を与えるのなら。他者の存在という社会環境が重要でも、目の前に存在している必要はない。想像上だけでも励まされたり動揺したりすることはある。かなりの時間を他者のことや他者と自分との関係性を考慮することに費やしている。存在することが仄めかされたりしている場合も。個人の思考感情行動について。一人ひとりの持つ心の問題。心理学的社会心理学の特徴。他に社会学的社会心理学の系統もある。ここで扱うのは心理学的社会心理学。社会の中で生きる個人の心を扱う。私達の思考感情行動は社会的環境で影響を受けるだけでなく、どう受け取るかも問題。社会的認知。過去から現代までの研究者の2つの合意。個人の行動は社会的環境に影響を受ける。個人は社会的状況を能動的に解釈する。他者の意見に影響を受ける。同調。しかしどの人にも同調する訳ではない。同じ内容でも部下や同僚とでは、同調を必ずしもする訳ではない。社会から個人への矢印と、個人から社会への矢印。もしくは相互作用。社会心理学にとり重要。社会心理学の根幹にあるのは、人間は社会的動物であるということ。社会環境に能動的に関わる。他者との相互作用抜きには生きられない。相互作用は必要不可欠。「社会的動物」。ソーシャルアニマル。72年に初版が出る。何度も改定が行われている。社会心理学の特徴。毎回1冊ずつ書籍を紹介する。私達が日常生活で遭遇するような様々な出来事についての研究が。世間の耳目を集めた事象について研究されることも多い。現実に物事が起こったあと、後知恵バイアス。実証性を重視。確かな客観的証拠に基づいて。データを収集し分析する。検証するための実験をする。しかし簡単ではない。人間を対象とするので苦心しなければならない。複雑に入り組んでいる。研究者の手腕が問われる。社会心理学の実験は、問題となる現象を再現は出来ないし、その必要もない。根幹となる部分を抽出し、それ以外は排除する必要。研究の醍醐味。抽象的理論よりも多くを教えられる。実験の数々も紹介する。具体的方法や結果を知ることは重要。積み上げていくこと。あくまでも初学者向けなので、一般に書かれた書籍が対象。興味があれば書物を手に。目指すのは概要の全てを把握するのではなく、ガイドブックのような働きを目指す。まとまりの点で不十分でも、多様性が学問の魅力。生きる人の心。想像上の他者も含まれる。トピックは必然的に多様性に富む。統一性の欠如という深刻な問題もあるけれど。トピックを存分に味わうことが大事。
自己紹介。人間は嫌な存在?外の世界では色々と嫌な出来事が。しかし人間を理解しないと。対人関係や集団心理、人は色々なバイアスを持つ。その研究が社会心理学。社会的認知に興味を持つ。本人ですら気がついていない、理解していない側面を理解する。巧妙な手法をもって理解する。偏見の抑制。偏見を持つのはいけないこと?偏見なく行動しようとすればするほど、偏見に囚われてしまう。メカニズム。抑制によるリバウンド効果。他にも意外性がある研究は沢山ある。何故そうなのかという理論も。広告企画の仕事がしたいと思い、就職をした。努めていた出版社は予約読者のデータを持っていて、広告主に説明をしていた。くどくど説明するよりも、自分に似たライフスタイルだと理解してもらえる。自分に似た人。類似性効果。雑誌への評価も高まる。メカニズムが人に共通のものならば、理解したいと思った。同じCMを見る場合にも、前に流される番組の種類で効果は異なる。日常生活に役に立つ。発達臨床。身近な問題をどのように読み取るのか?高校生の時の倫理の授業。哲学科に入ったが、実験や調査を使うのに興味を持って転科した。社会心理学概論。学習性無力感。犬を用いた二段階の実験。電気ショックを自分の力で止めることが出来なくなると、別の学習課題でも最初から諦めてしまう。セリグマン。結果が変わらないのを学習してしまった。無力感の学習。発想が凄い。卒論で人間について研究する。実験でも調査でも社会的場面での人間の認知を捉えるのには苦労する。上手くするのに苦心するのが楽しい。社会心理学は身近な問題が多い。興味を持った時は取り上げられている書籍などを手に取ると良い。行動に移す人は少数派だが、大きな違いが生まれる。面白そうなものがある方向に歩く。嗅覚は間違っていない。自分の専門分野が一番おもしろいと思っているものだが、人間の心や行動についての研究は更に増えると思う。ミルグラムの服従の心理。最も有名で最も物議を醸した服従実験。紹介した本を読んだ人は少ないと思う。研究の面白さを。