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心理臨床実践における倫理(心理臨床における法と倫理第12回)

心理臨床に限らずコミュニケーション一般の問題として、倫理的ジレンマをどのように解消させるのかは重大な問題だと思う。

 

心理臨床実践の倫理。対人援助サービス。学問的根拠。当てはめでは解決できない。倫理は具体的な行動指針の源泉に。人との間の関係。倫理観。社会的な行動規範。必ずしも国家の存在を前提としない。法と倫理が対立することも。職業倫理。専門職倫理。プロフェッショナルな関係。クライエントとの関係。信頼の要求と裏切らないという責任。一方が大きな力を持つ。親のように保護、パターナリズム。医の倫理。人生に絶大な影響力を。力を悪用すれば不当な利益を得ることも可能に。信頼を裏切らず力を濫用しない。社会的信頼を高める。臨床心理士については?臨床、心理学の中でも医療の近接領域に。相当程度、医の倫理と重なる。知識や技術がもたらす力は小さいが。悪用する力は小さい?嘘。心理、心は目で見えない。神秘的な力と重なる。投影された神秘的な力、クライエントによっては大きな力に。投影化された力を真の力と錯覚することも。自分の力の効力と限界を認識する。心理臨床家は何をするのか?どのような教育訓練を?周辺の職業とどのような関係を?領域横断的。
守秘に関する倫理。職務上知った秘密を他言しない。刑法134条。公的職業職務につく人にも。専門的職業人に課す理由は?固い信用。信頼に基づいて他人に打ち明けるということ。秘密を他言しないのは契約条件の前提。社会的な共有。利用の促進を。刑事訴訟法160条161条、不利益があっても国民の利益を。心理学的援助を行うための知識。非常に幅広く多岐にわたる。力動的な。話題を限定しない。日々の生活など個人のプライバシーに。他の専門職種と比較にならない。
心理臨床実践。守秘義務。倫理綱領で条文化。15年の公認心理師法。1条。46条、親告罪として罰則。例外なく第三者に漏らさないで職務は可能か?一般的には、自傷他害などの緊急事態、虐待が疑われる場合、専門家同士の場合。法律に定めが、など。裁判での証言が求められる場合など。自傷他害の問題。自殺の意志を示した、互いの意志を示した場合。臨床家の通告義務がアメリカでは強調される。自殺についても。日本でも共有されている。児童虐待に関する通告。社会問題化。児童の人権保護の徹底を。元々児童福祉法にも書かれていたが。00年の法律。福祉事務所などに通告を。刑事訴訟法と民事訴訟法。クライアントが刑事告訴された場合がある。証人尋問。メンタルヘルスが焦点となる場合が。カウンセリング。民事上の契約。債務不履行責任と不法行為責任。クライアントは原告の立場に。尋問の場面で情報開示を迫られる。無制限に秘密を漏らしても良いとは考えられないが。諸要因を勘案する必要がある。扱い方をクライエントに周知しておく必要がある。インフォームドコンセントと関連する。
守秘義務の扱いについて日々の。専門家同士の情報交換。組織内での問題。カウンセリングの内容の報告義務がある。関係者と協議する必要もある。学校臨床では集団守秘という考えが。スクールに限られない。個々の職場で具体的に決めておく必要がある。守秘を限定的であっても確立すること。明文化され共有されるべき。スーパービジョンなど。教育や指導。心理臨床業務に。カンファランス。重要な教育機能を。知識や技能の向上は職務倫理。
心理臨床実践での多重関係。専門家としての役割と他の役割を意識的にとること。恋愛や友人といった私的な関係。専門家としての役割を上手く果たせなくなる。カウンセラーと教諭の関係。影響も逆方向が。公的な役割の場合は、葛藤が生じる。例外的ではなくむしろ一般的。カウンセラーが講義を担当する。個別相談と研修。多様な役割を担うことが必ずしも悪影響を及ぼすとも言えない。組織内の相談業務の管理の在り方と関連する。人事配置。影響を最小限にして、役割を規定しインフォームドコンセントを。組織全体を見渡した議論が必要。心理臨床の倫理は組織の課題。多重関係が倫理問題も。クライエントがカウンセラーに依存する状況で、搾取的。多額の贈与や融資を受けるといったことも。カウンセラーが自らの立場を濫用する。特に性的な関係。刑事上の問題も否定できない。搾取性が曖昧になる場合もあるが。性的関係はクライエントの欲求が絡む場合もあるから。性的接触が患者に及ぼす影響。良い影響が3倍以上と言う研究も在る。反倫理性の問題。患者との性的接触。搾取が無かったのを証明。しかし婚姻する場合は制限出来るのか?パターナリズムの観点から否定する考え方が。臨床場面においては知識などで不平等な関係。合意に基づく関係が形成されると見るのは困難。親子関係とパラレル。インフォームドコンセントがあっても、性的関係を肯定は出来ない。自ら望んで利益供与をする場合も禁止をするのは、パターナリズムによる。
インフォームドコンセント。情報を与えられた上での同意。極めて重要な概念。治療者と患者が対話して、治療関係を構築し、意思決定を行うことによって患者が行為する。投薬など様々な治療を。理解した上で同意などの意思決定を。特に治験などでは。背景には、ナチスドイツの人体実験への反省。アメリカでの権利擁護運動。患者や被験者の自己決定権を擁護。契約内容について説明し同意。見直しは何時でも受け付ける、など。心理臨床実践が定着すれば、ますます問われることになる。インフォームドコンセントにも幾つかの落とし穴がある。形式主義。争いを未然に防ぐ為に厳重に手続をするのは、自己決定権を本当に保障できるのか?どれだけの時間をかければ心理臨床実践について理解出来るのか?当のカウンセラーは?パターナリズムとの関係。迷惑をかけなければ何をしても良い?患者自身が自律的に判断することは簡単に可能?自己決定原理を貫くだけでは対応出来ないことは多い。倫理的課題の多くは価値観の間に生じるもの、実存的な課題。

 

心理臨床における法と倫理 (放送大学大学院教材)

心理臨床における法と倫理 (放送大学大学院教材)