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日本型近代家族(放送大学特別講義)

現在の家族についての規範は、冷静に把握しておいた方が良いかもしれない。家族法の解釈論に跳ね返る。

 

日本型近代家族。近代家族。日頃知っているような家族はここ100年200年前の近代に出来た家族。夫が稼ぎ手、妻が家事に責任を持つ。性別役割分業が成立。規範のセット。運命の人と出会って結婚し子供を育て、死ぬまで添い遂げる。ロマンティック・ラブ。子供は可愛らしくて無条件に愛して育てる母性の。貧しくても仲の良い我が家族が一番。近代以前は?家族は無かった。人々は結婚して子供を育て、仲良く家族が暮らしていた、というのは幻想。結婚をする人は少なかった。お坊さんなど。一生も長くなかった。家族だけで過ごすというよりも、色んな人と協力。農業や商業工業。単位だけで完結しているわけではなかった。村の人達などと一緒に。結婚するというのは村の大事な決まりだった。在る種の政治。好きなだけでは結婚出来なかった。家族を超える繋がり。家族というより共同体が重要視。生産の単位は共同体。子供を育てるのも皆で育てる。若者組や娘組といったグループ。家族という意識も今と異なる。では何故近代になると近代家族に?様々な国家の施策と結びつく。明治日本というのは新しいシステムを作る。名字を作る。家族を作ることに繋がる。戸籍や住民票。家族を単位に把握。世帯を単位に。納税や教育、兵役。この当時の家族は明治政府もよく分からない。試行錯誤を。妻と夫の性が一緒。韓国は別々の性のまま。1898年の明治民法の成立までは半々くらいだった。伝統にはあまり歴史がない。明治初期は奥さんが沢山いる人も居た。結婚したからといって役所に届けるとか離婚届を出すとかいうのも徹底されていなかった。国家が家族はこうだと国民に教え込まなければならなかった。国民になる過程と家族になる過程が一緒に。
近代家族の規範。在る種の決まり。現在は割と冷たい社会。一方で家に居ると安らぐという感情が沢山持っている。ロマンティック・ラブ。母性。家庭。ロマンティック・ラブ。一生に一度の恋に落ちる。生殖の為、子供を作るため。結婚で実現。愛のない結婚や愛のない性行為。婚外子。結婚しているのに子供を作らない。不自然に感じられる。母性。生まれながらに備わっているもの?それほど昔から在ったわけではない。革命以前のフランスでは生まれた子供の9割が母親以外に育てられていた。愛情に。家庭。狭いながらも楽しい我が家。日本の近代家族は変化。90年代に。ロマンティック・ラブが大きく変わった。セックスフレンド。親友でもある。愛がなくても性行為を持っても良い。責任持って結婚して頂戴。セックスしたから恋人だよね。愛と性と生殖と結婚が一致しないように。セフレ。略称が定着。現実にある一つの証拠。結婚する時に子供が出来るというのが大きな理由に。75年に最初の子供が10ヶ月に、ハネムーンベイビー。85年になると6ヶ月に山が。できちゃった結婚。05年にはできちゃった結婚が突出。安室奈美恵。全体でも婚前交渉が多数派に。婚約時に、子供は出来ていない、という報告。妊娠をキッカケとして?生殖と結婚は直に結びついている。アメリカではシングルマザーの比率に。日本における婚外子出生率。90年から増加。05年には2%を超えるように。愛が無くなったから、などで離婚はあまりしない。家庭を壊さないなら浮気は甲斐性。恋愛などの規範は崩れているが、家庭という枠組は強固に残っている。子供を持たない夫婦も5%を超えている。結婚と生殖の結びつけが緩んできている。90年代の性革命。未婚化の進行。子供だけ欲しい女性も増えてきている。ロマンティック・ラブ規範も無くなっていく。共稼ぎ家庭の増加。家庭における暴力。母親も暴力の担い手に。母性のレジャー化。子育ては楽しいという考えが消費社会の中で広まる。子供が産めない女性は苦しい。子育てのレジャー化。望ましい性別として女の子を求める比率が高まっている。