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市民と政治の間 -政党(ロシアの政治と外交第5回)

日本と比較すると興味深いかもしれない。ソ連共産党と90年代初めまでの自由民主党との比較など。

 

政党はひ弱な存在。国民の間の評判も芳しくない。市民と政治の間。政党はひ弱な存在。活動は限定。市民の間でも評判は芳しくない。
ソ連の時代にソ連共産党の存在。87年には党員と党員候補、1926万人。全人口の7%。30歳から60歳の男性では20%以上。巨大な政治組織。一番大きな統一ロシアは現在200万人あまりの党員。ソ連共産党はほとんどの期間で権力を独占。中国共産党と変わりはない。国政レベルの選挙でも対立候補は居なかった。政党imageは大きく異なる。公約を示して有権者の支持を集めるという活動は基本的なものだが、ソ連の場合には形骸化していたし別の政党も無かった。市民の意見や要望を政治の場に反映させるのも政党の機能の一つで、フィードバックもあったが、ソ連共産党はその必要が無かった。反対は許さなかった。ソ連では選挙で市民の支持を得られたのかの確認は無かった。市民の意見や要望は末端党員から把握しようとしたが、一般市民は政治に影響を与えられるとは考えていなかった。政治は天気と同じ、自分ではどうにもならない。政党の中心的メンバーで在るはずの政治家も一般と異なっていた。外国の代表と会談したりする政治家は居たが、支持基盤を広げようと思う人は居なかった。ソビエトの代議員の演説は大抵は政策の実施キャンペーンだった。topの極少数を除けば、政治家と呼ぶには適切ではなく、幹部党員と呼ぶしかない。何十年も続いた。89年にゴルバチョフの人民代議員大会の設置、競争選挙を。多くの「政治家」は当惑する。外部からは評価が厳しかったので、ソ連共産党の候補も多くが落選した。これまで傍観者として眺めていた市民は、初めて選挙を通じて政治家になる道が開かれる。競争選挙。ロシアやウクライナなど連邦共和国のレベルでも行われた。ロシアの大統領選挙も。独立国となったロシアでは州のレベルでも選挙が。媒体経由ではなく政治参加が。エリツィン大統領などが学者や経済実務家を登用する、という道も。選挙によって、有力者の抜擢によって、政治家が生み出される。選挙が定期的に繰り返されると、様々な政治家への道が。行政機関をバックにしたり、マスコミで有名だったり。最初に地位を獲得した方が有利。州など地方レベルで再選された割合。97年まで高かった。98年に経済難で下がったが、99年には再度上昇。地方行政府の首長で再選率が高いのは、行政的資源をバックにした場合、マスコミを利用したり。非合法のものもあったが。政府を批判する候補の演説会が、事前に知らされていなかった、行政的資源の活用。重大な意味を持つ。3ソ連時代には無かったので、政治家への道を確認する。政治家A。59年生まれ。ゴルバチョフの後に政治家に。人民代議員に当選。91年の大統領選挙でエリツィン大統領を支持。エリツィンの信頼を獲得。クーデタの阻止に成功。大統領全権。官選知事。93年の上院議員に。副首相に。政治家B。建築公団の副代表だった。91年10月に官選知事に。下院議員に。州の知事に。急速に政治的地位を高める。政治家C。91年6月に副市長に。92年から市長。ゴルバチョフ以降に。エリツィンの支持で台頭。
政党について。政党の卵。89年から政党らしきものが。組織性は弱かった。93年憲法の採択に本格的に。小選挙区と比例制。8つの選挙団体が議席を。政党の弱さ。99年でも。ロシア共産党。ソ連時代の組織を引き継ぐ。老齢の人の支持を得る。99年では議席を減らす。ロシアの政治が市場主義に。イデオロギーの側面が減っていった。長期的低落傾向。90年代のロシアでは政党の誕生が。多党制システムに移行。有権者が積極的に政党の役割を高めたいとは考えていなかった。政党は指導者に付属した状態。既成政党以上に新しい政党へ関心を。祖国全ロシア。統一。プリマコフという指導者。99年半ばではプリマコフを擁す祖国全ロシアが優勢。しかし敗北。政党は社会に根づいていなかった。統一と祖国全ロシアは合併に。統一ロシアという巨大政党になる。急速に国民に浸透。不安的な政治に嫌気があり安定志向に?政党法の影響も。半数以上に支部を。新政党が成立しづらく。資金分配も大政党に有利に。03年の段階で一党優位政党制に。以前のものが復活?
安定した支配体制を。07年と11年。選挙が不正?依然として国家会議を支配。批判する勢力が強くない。11年は後退したが。統一ロシアの特徴。ソ連共産党との相違。マルクス・レーニン主義の洗練されたイデオロギー。市場経済は望ましいが、ナショナリズムはあるが排除的ではない。全体的に保守的だが。折衷的な主張を。融通無碍に。一枚岩の結束力。統一ロシアはそれほどではない。勝ち馬に地方の政治家が乗る。多大な政治的資源が。中央のレベルでは強いが、地方が問題。地方の有力者を加えた方が簡単。急速な勢力の拡大に。圧倒的多数の地域において指導者に依拠している。地方においては行政的資源に依拠して成立している。当組織と指導者の関係。ソ連共産党は自立的だった。統一ロシアが政府を構成する訳ではない。指導者の意向で統一ロシアを動かしている。現指導者に批判するとどうなるか?指導者に依存。

 

ロシアの政治と外交 (放送大学教材)

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