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労働災害、安全配慮義務の法理(雇用社会と法第11回)

労働者の私傷病の処理は難しい話。メンタルヘルス絡みだと更にややこしくなる。

 

仕事上のケガや病気。生活が困窮する。医療費や生活費確保のために労働災害補償制度を。労災補償。裁判例だが、使用者に安全配慮義務を。損害賠償を。労災補償システム。労災の事前回避。安全衛生体制。健康な働き方をするための。労働者のプライバシー保護。私傷病によっても苦しくなる。場合によっては解雇も。
労災補償制度。怪我と弁当は自分持ち?自己責任から出発。民法709条。使用者の故意過失で。しかし立証は困難。損害額の算定も容易ではない。裁判費用もかかり諦めることが多かった。労働基準法は基本的に会社の責任であるとした。仕事に由来する危険の具体化の際に。補償内容を定型化。労基法の75条。療養補償。76条。休業補償など。使用者の無過失責任。労災補償制度のスタート。使用者に資力が無いと補償が不可能。社会保険化。補償内容について生活保障化。年金制度を。通勤災害制度の導入。通勤途上における怪我など。多くは自動車事故。70年頃から民事裁判の増加。最高裁が八戸駐屯地事件。判例法理の。労災民訴事件。労災保険上の事案。双方の請求がされる。2つの制度がある。
労災保険上の業務上か業務外か。仕事に由来する疾病。職業病。業務との因果関係が明確でないケースも少なくない。別表で具体例を。最近、過労死などの判断が難しい事例が。関連通達が。厚労省の。就業上の災害によるもの。仕事と災害との関連が問題。作業用具。過失による負傷。被災労働者に過失や法令違反があっても。スピード違反など。作業中断中でもトイレなどは業務に付随するもの。準備のための活動、後片付けの事故も。就業時間外であっても、出張なども。通勤途上の負傷。通勤災害として特別の補償以外にも。事業場専用の乗り物。緊急的業務による早出。義務付けられた運動会など。飲酒による死亡事故。業務との関連性。部下や同僚、顧客からの暴行。顧客からの事案が増えている。
安全配慮義務。仕事上のケガなどにつき事業者に責任追及。一連の公害事件で民法の理論が変わり、過失の認定が変わった。当初は不法行為として安全配慮義務違反とする判例法理が。加害企業の責任を追究する遺族の気持が。労働契約法の成立。5条で労働契約に伴い生命身体の安全を確保して労働が出来るよう必要な配慮を。自衛隊八戸駐屯地事故。法律関係に基づいて付随的義務として相手方に。安全配慮義務の具体化。職場において物的環境を整備。防犯チェーン、宿直員の増加。怪我や疾病の予防。安全教育や健康管理。労安法。健康診断との関連。プライバシーを侵害しないか。電電公社帯広局事件。業務命令を違反とする戒告処分。健康管理規定上必要な指示を出しうる。安全配慮義務。過労死との関係。健康配慮義務違反として問題。怪我や病気の場合の緊急措置。労働者が倒れた場合は適切に救急車を呼ぶなど。体力等の義務をどうするか。あくまで契約上の義務。当該労使関係の問題。当該労働者の身体の弱いものに負担をかけるのは違反になりうる。損害額は事情を。素因減額が認められる。本人が健康管理上の過失がある場合。睡眠を取っていないなど。過失相殺が。本人が自分の傷病を申告しなかったので。東芝事件。メンタル関係の情報を使用者に通知しなかった。過失相殺の主張が会社から。最高裁の判断。申告しなかったメンタルヘルスに関する情報は、労働者にとって自己のプライバシーに。人事考課に影響する。労災保険においては個別の事情などはそれほど考慮されない。補償も定型化。安全配慮義務においては職場環境の整備も対象。セクハラ事案などにも拡張。
過労死、過労自殺。死ぬまで働くのは理解を超えるが。重いノルマがあるとあり得る。休みたいという自己主張が不可欠な時代に。過労死。労災基準。中枢神経循環器系疾患。脳卒中などの労災認定。昭和36年の基準。特別な過酷な業務、アクシデント。昭和60年代以降過労死事故が。発症1週間前から判断材料に。現在の基準。平成23年。疲労の蓄積を6ヶ月前から。ひと月前から100時間。2月前から80日間。勤務形態からも。働き方。労働時間。不規則な勤務。拘束時間の長い勤務。出張が多い勤務。交代勤務。温度や騒音、時差の有無。精神的緊張。作業環境も考慮。平成22年に。労基法施行規則の別表。脳出血やくも膜下出血、心筋梗塞、解離性大動脈瘤など。過労死基準。業務上の認定で使われる。安全配慮義務の関係でも。労働時間の算定をどうするか。裁判例については賃金請求権の有無があるが、それより緩和されている。ISO取得の為に自宅での作業は労働時間。業務上の加重性の判断で。通達。加重な業務、特に精神的身体的負荷があるか。当該労働者の同程度の年齢。柔軟な基準。労災保険との関係においてきめ細かい取扱が。
過労自殺。事件の急増。長時間労働により鬱を罹患し自殺する。安全配慮義務。電通事件。最高裁。労働者が疲労や心理的負荷が。制限を定め作業の内容を限定すること無く健康配慮義務がある。危険発生の防止が目的。心理的負荷が蓄積して心理的健康を損なうことのないように。過労自殺については職場のストレス。パワハラなど。そういう事案が増加。3つの要件を満たす対象疾病。職業病として扱う。対象疾病を発病。発病前6ヶ月に心理的負荷が。
通勤災害制度。労災補償保健法で独自の制度。ほぼ同様。通勤とは住居と就業場所の往復で合理的経路のこと。逸脱中断すると通勤とは言えない。いわゆる寄り道が日常品の購入などの日常生活の必要がある場合は、通常の経路に戻った場合それ以降は通勤とみなされる。通勤によるもの。交通事故。雪道の転倒。
私傷病を巡る問題。怪我や病気が仕事に関係ない場合。多くの法的問題。メンタル不調者の休職復職の問題。病気を理由とする雇用関係の解消の問題。軽いけがの場合や風邪の場合は解雇の問題は生じないが、長期の疾病の場合。業務上の疾病では解雇制限。しかし3年経過後に1200日の補償など。労基法19条の制限は課されない。私傷病の場合。職務上の能力を欠く場合は解雇に。正当な理由は必要。長期の就労不能なのか客観的な判断を。私傷病の場合でもいきなり解雇されることはなく、休職制度がある場合が多い。復職請求の当否。休職期間満了による雇用関係の終了の問題。色んな理由により就労が不可能になった場合。就労を免除する休職制度。賃金補償の有無など。病気休職や出向期間中の。労働組合の専従。外国へ留学する場合など。起訴された場合の起訴休職があることも。ここでは病気休職を。多くの就業規則に休職を認める例が。制度の目的は一定程度解雇を猶予する雇用保障。従業員に対し解雇猶予を。法的な問題。どのような場合に休職事由があるといえるか。復職のあり方の問題。どのような場合に休職期間満了による終了となるか。契約関係の終了は期間の満了として処理するか解雇するか。どのような場合に退職取扱が許されるか。完全に治っている場合は復職が認められる。全く就労が不可能な場合。復職が認められない。中間的なケース。一定の受け入れ準備があれば就労可能。より軽微な就労が出来るケース。裁判例は二分。以前に遂行した職務を遂行できなければ職種内容の業務を見つける義務は会社にはない。特別な取り扱いをする義務はない。多くの裁判例は。使用者に対し一定の受け入れ体制を取る義務が。退職は無効。直ちに100%でなくても2、3ヶ月様子を見れば良いケース。最近は一定の配慮を必要とする。軽微な仕事を。労務遂行が可能ならば退職処理は許されない。復職についてはメンタルヘルス絡みが増加している。判断が非常に難しい。一旦復職させたとしても同じ様な働き方をさせると悪化することも。軽微な仕事をさせると働く権利を奪いストレスに。復職のあり方が難しい。法的な処理だけでは解決が難しい。

 

雇用社会と法 (放送大学教材)

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