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実践を通して研究する -アクションリサーチとプログラム評価-(心理学研究法第9回)

2つともイメージが掴みづらかったような気がする。

 

渡辺直登。実践を通して。アクション・リサーチとプログラム評価。基礎領域と応用領域。科学者としての目を持つことは重要。その一方で実践家としての関与も。当事者意識を持って関与することが重要。現場に赴き現場を支え問題解決を。科学者と実践家の2つを両立。科学者実践家モデル。理想像。科学と実践を統合。アクション・リサーチとプログラム評価。
アクション・リサーチ。活動。研究。研究者と実務家が協力して差し迫った重要な問題を解決。新たな知見や知識を。40年代にクルトレビン。優れた理論ほど実用的なものはない。統合の意味が。当初はアメリカやヨーロッパを覆っていた人種的マイノリティの差別などを解決。学校企業地域など様々な社会環境の問題を。学校病院行政組織などの組織開発や組織コンサルテーションの主要技法として。極めて実践的な。高邁な理想よりも即刻の問題解決を。しかし対処療法的なものではなく、心理的枠組みの中で共同作業をする。成果として問題解決や社会科学的知識の進展を。アクションリサーチャー。プロジェクトコーディネーター。研究と問題解決の2つの課題を組み合わせる。プロジェクトを恙無く行うこと。バランスが問題解決に偏ると解決から得られる科学的知見や考察が希薄で一般理論が生まれづらい。たまたま上手くいっただけ。研究に偏ると人々の問題を解決するのが疎かになる。実行は思ったとおりには行かない。アクションリサーチャーは様々な知識技法networkで管理。人々だけを見ているわけではない。人々に混乱を招いている環境も。大きく分けて個人レベル集団レベル組織レベル社会システムレベル。グローバル企業の日本人の海外適応を考える。個人レベル。選抜にどのような方法を。従業員の心理的サポート。集団レベル。現地の外国人staffと良好な関係を築くためには。組織レベル。家族同伴制度。里帰り機会の提供をどうするか。社会システムレベル。国家間の望ましい取り決めをどうするか。
アクション・リサーチを実際に行うための方法。円環型、らせん形に。通常まず最初に問題の発見と診断。それを定義。フェーズ。表面だけを見るのではなく深層を見つける。介入計画の立案。解決のために何をするか。1つではなく複数の介入案の長所短所を比較して。介入の実行。具体的アクションを選択し実行する。最適な時期と最適な規模を選択。介入が効果的であったかの評価。プロジェクトを立案する段階で物差しがあるのが望ましい。評価の結果を精査。科学の成果として受けれられる不変的な知見を。実証データに基づき理論的に考察。失敗に終わった場合も考察。一連のフェーズで報告書にまとめ記録として残す。一周回った最後のフェーズでは科学的知見を次なる問題の解決と診断に役立てる。一巡するたびにクライエントシステムの既定構造が望ましい方向に改変されるのが理想。研究の流れは一般的には直線で表される。問題意識。先行研究。目的同定。考察ないし討論。それで終わり。アクション・リサーチではどの位置からでも可能。理想的な形は3つのフェーズ。問題の発見と診断。介入計画の立案と実行。それらを繰り返す。機会資源倫理的な制約でその通りにはいかないことも。一部分に焦点を。診断的アクション・リサーチ。参加的介入的アクション・リサーチ。実証的アクション・リサーチ。問題の解決と診断に焦点。組織や機関のトップから外部のエージェントに。組織の問題の本質について診断してほしいと依頼が。観察法などを駆使。参加的介入的。計画の立案と実行に焦点を。組織問題解決のための介入。組織そのものを変革するなど。教育、訓練、組織啓蒙活動、組織開発。実証的。介入の効果に焦点を。大学の研究室やシンクタンクが介入の評価のプログラムを。準実践計画法など。データを分析してフィードバック。実践と研究との統合。アクション・リサーチには広い視野と深い学識。多様な方法論を。
プログラム評価。特定の社会的教育的目標を達成するために作られたもの。具体的な例。教育の分野。イジメ防止プログラム。小中学校のイジメの問題は殆どの国で。プログラムが。高齢者介護プログラム。高齢化は急速。どのように支えるか。がん予防プログラム。2人に1人が癌に罹患。予防することと、かかったときのケアの充実が必要。メタボリックシンドローム予防プログラム。自殺防止プログラム。女性従業員支援プログラム。日々の生活では殆どの実践がプログラム化。目標が与えられ財政的裏付け、ステークホルダー。成果が出ることが期待。エビデンスが必要。プロジェクトや政策ポリシー。プロジェクトはプログラムより規模が小さく。ポリシーはプログラムよりも規模が大きい。
評価。価値を定める。evaluation。価値という意味が。評価と価値は切っても切れない。社会の中での様々なプログラムの価値を。何らかの判断意思決定に役立つものを呈示。プログラムを止めるか、予算をつけるか、内容を変えるか。心理学の研究では価値の基準ではなく現象が真実かどうかを。価値で中立であることが心理学研究では伝統的に主張されてきた。普遍的な真実を求める一般的心理学ではなく、意思決定に役立つように。プログラム評価で用いるデータ収集の方法が心理学で発達した。
2つに分類。プロセス評価。プログラムが機能しているかを査定。進行の途中で繰り返し。上手く実行されていないなら微調整したり計画を変更するか否かの判断を。アウトカム評価。結果を達成しているかどうかを査定。やさしい?実際はそれほど単純ではない。何を結果指標として用いるかの問題。短期的か長期的か。メンタリング期間が過ぎてメンターが去ったあとの結果はそれほど芳しくない。評価可能性アセスメント。資源が無駄にならないよう、そもそも評価が出来るのか、評価するメリットはコストを上回るのか。データの収集が容易など。可能性が高い。多くのプログラムは実務家が良かれと思って信念を持って。信念の根拠となるのがロジックモデル。基本形。これをしたらどうなる、という因果関係の流れを図に。投入資源を元にして活動を行えば結果が出て成果、社会全般に長期的効果を。メリット。4つ。評価対象のプログラムが可視化。評価可能性を探ることが出来る。情報の収集が明確に。
プログラム評価の手順。依頼者クライエントが専門家、評価のプロに依頼。4つのステップ。評価の限界。評価の準備。評価結果を報告書に。評価の限界を設定。何が出来て出来ないかを。サービスの限界を呈示。専門家の能力を過信しない。評価のための準備。目的とは不要な準備を行わないこと。簡潔で要を得た準備を。ステークホルダー、プログラムの利害関係者から情報を。計画を建てる。コストを算出する。クライエントと合意を。データの収集。自然観察、面接、ドキュメント収集など心理学の手法を。量的なものも質的なものも。なるべく多面的に収集。準実践計画法を。プリテストポストテストデザイン。データを分析。一次分析と二次分析。収集されたデータを個別に分析。純粋に各個別の。どのデータ間に関係があるか組み合わせて。大変な熟練と洞察が必要。結果の解釈を変えたりなどして説得的な結論を。報告書にまとめる。終始透明性を保って。報告書のパート。総括。評価目的正当性。プログラムの詳細。結論と提言など。総括をまず最初に。多くの人は報告書を無味乾燥なものに。大まかな内容が掴めるように。結論と提言の部分を書き上げる時はステークホルダーと充分な議論を。提言を行うときに役割が大きい。納得して実行できる提言に。客観性を重んじる自然科学とは異なり、意思決定に役立つ情報を。社会的インパクトもある。
2つの研究の留意点。現場を良く知らなければならない。頻繁にフィールドに出て現場に精通することを。クライエント。実務家や評価依頼者を尊重。最初に問題意識を。現場で実務を行っている。影から支援を。労力を厭わない。細々としたことが。大枠に関係なくても処理することで信頼関係が形成され研究がSmoothに。関係を長期的に維持し続ける。よりよい未来のために。プロジェクトが終わったら終りというには不充分。

 

心理学研究法 (放送大学教材)

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