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当事者参加型リサーチ(ヘルスリサーチの方法論第13回)

研究の客体として当事者を捉えがちだけど、上下関係があるような研究方法は廃れるべきではないかと思う。

 

井上洋士。当事者参加型リサーチ。実践的話を。調査研究を研究者と当事者が協働で。当事者参加型リサーチとは?調査の客体でしか無かった当事者が、調査の主体としても参加する。計画立案から成果の還元に至るまで。リサーチクエスチョン。研究プロセスの共有によって認識理解が深まる。当事者のエンパワーメント。研究の質が高くなり。研究者もエンパワーメントされる。研究の為の研究に陥ることを防ぐ。
何故に推奨されるに至った?研究と実践との距離感の問題。何に由来しているのか。社会の実践と切り離される探究心。組み込まれることがあまりなく距離が縮まらない。実践者側からは利益が無いというリスク。モデル図。大きな距離感。アジアやアフリカ、南アメリカなどの発展途上国内の格差。保険医療の専門職は特権階級に。先進国との繋がりが強い。脆弱性を持つ人間と関わりを持たず、専門職と当事者の間に大きなギャップを。膨大な資金を出しながら効果が無い。その反省から対象となる人にとり何が問題となるかを捉える。どんなサービスを提供するべきかなど、クライアント中心の。力の不均衡。南の系譜。当事者研究。日常生活にあたり何らかの苦労がある当事者自身が研究する。課題を抽出し探索する。当事者自らが主体性を取り戻す。
研究者にとっての当事者参加型リサーチのプロセス。研究を遂行するという面では他の研究と同じだが。ポイントがある。メリットを意識する。レビュー論文が有り7つの面が。文化的にも論理的にも。調査参加者を募集していく力が高まる。ネットワークの活用。専門家の能力を高めステークホルダーの能力も高まる。緊張感。生産的なコンフリクトがあるが将来に繋がる。対立的な場面は出てくるが。目標を見据えて乗り越えていく。アウトプットなどを向上させる。資金を得ている機関を超えて。資金は期間を限定された形でつく。しかし期間を超えても貼っていさせる動きが。予想もしなかった新しい試み。次への検討と新たな動き。メリットの意識を。
研究組織をまとめて研究計画を検討し確定させる。研究者を集める。Projectに参加する当事者を募集する。自分自身の状況以外にも他の人の。インフォーマントやキーパーソンを探す。当事者と研究者の研究組織を構築。研究計画を練る。ヒヤリングやパイロット的調査を。研究資金の問題。外部資金を申請する場合には申請書のタイミングが限られる。資金調達を考える必要あり。研究の実践。当事者が関わるからこそ、答えやすい質問紙や手の届かない層へのアクセスが。当事者と常に連携を。
研究結果の報告と実践的還元。分かりやすく報告できるようにまとめる。当事者支援などのキーパーソンにエビデンスに基づく提言を。学術的還元の面。いわゆる学術論文や学術集会への発表。当事者の参加も可能になる。
今後の研究のあり方の提言。一度実施すれば終わりではない。対象を広げたり変えたりするなど。必要とあれば新たなProjectを。研究テーマを明確化するところから。
当事者側から見た当事者参加のプロセス。
当事者参加型リサーチをするか検討するには?パイロット的に当事者から意見を聞くなど。実態についての認識が修正される。そうした当事者を巡る実態や課題に目が向けられなかったかを気づく。課題が本当に時間をかけた研究を通じて解決すべきものか?科学的ななものにすることでのメリット。政策への提言も。既に調査研究が相当実施されていてエビデンスが浸透している場合も。解決期限が切迫している場合はどうか?むしろロビー活動など政治的な活動をした方が良いかも。実践を変えていく。時間とコストを要して変えるべきか?当事者がエンパワーメントを望んでいるかの確認を。社会的に抑圧されて力を失っている場合が多い。積極的な主体となり一体となって変革をする意思が求められる。充分に話し合える研究組織を。ズレが生じることは極自然。ズレの原因を認識することで意義ある方向に。できるだけ組織づくりを。当事者と言っても参加するレベルは様々。研究者と比べると声を出しづらい当事者の参加を。研究者についても様々なレベルがあり役割が。多様な研究者当事者をまとめる、運営力だけでなく戦略の青写真を充分持ちうるか。描くには先行Projectを参考にするのが手っ取り早い。実践的側面。
大島岳。18年現在。一橋大学大学院。HIV。96年に多剤併用療法が。05年で寿命が同じに。性感染者のライフには焦点が合わされてこなかった。ライフストーリー。どういった場合に有効?地域社会や地域福祉。自己決定モデル。障害者を対象に。当事者により同じ質問があり迷惑。意思決定が面倒。当事者からかけ離れた研究者だと研究者に沿った現実が抽出される。エンパワーメントに繋がる。協働。当事者の実感。当事者と研究者の間のコンフリクト。研究者の話が難しいが話が進む。専門用語の意味が分からなかったり、意見を短い時間で整理できなかったり。意味を確認するなどの改善。会議は次々と課題が。研究者の中にはお客様的姿勢を。関わり方に幅が。議論に関われない人も。ヒヤリングとは異なる。研究の企画から還元まで。専門知識やスキルが無いと難しいなと当事者が感じることが。専門知。当事者の場合は持っていない。当事者は自身の経験など実践的な知を。素人の専門家。家族や友人や同じ病の人と情報交換を。素人間の紹介システム。実践知。異なる専門性。なので重要。当事者の側はどういう姿勢を持ち実践をするか。遠慮する必要はなく積極的な質問や意見を。当事者は自分自身の専門家。経験に大きな価値が。本音こそが重要。得体の知れない人と感じることが往々にしてある。丁寧に説明し立場を理解してもらうことが。専門用語についても丁寧に説明を。発現のルールなどの整備を。話したことで不利益がないように。研究者の前に人間である。医療者と患者のコミュニケーションでの視点と共通する?良かったのは同じ当事者でも多様なことが分かる。震災の経験者。防災による質問を。薬を多めに用意する。抱える悩みが他の当事者の話から紡ぎ出される。共通して取り組まなければならない問題として。他の人との繋がり。調査実践は思い込みを壊してくれる。得たデータや結果を分析する力も。フィールドワーク。鳥の目や虫の目。どのような影響を及ぼし貢献するものかを。失敗やその修正はつきもの。実践的な経験を含めて。

 

ヘルスリサーチの方法論―研究実践のための基本ガイド (放送大学大学院教材)

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