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感染症とリスクコミュニケーション(リスクコミュニケーションの現在第12回)

公民権を背景にしていることを考えないといけないと感じる。

 

堀口逸子。感染症とリスクコミュニケーション。感染症と予防方法。事例から感染症のリスクコミュニケーションを。
リスクコミュニケーションの言葉や用語の問題。日頃のウイルスに感染した、という意味は?感染症のリスクコミュニケーションでは、ウイルスという言葉は人に感染する病原体の意味。より親しんでいる事柄を思い浮かべる?。リスクコミュニケーションではお互い何についてコミュニケーションをしているかを確認しながら。同じ意味かどうか。用語についての例。伝染病という言葉は?伝染病という言葉は?日本では1897年に伝染病予防法が制定。約100年が経過し、98年に新たな法律が。感染症の予防などの名称。感染症法。言葉は名前のように省略して用いられることも。言葉や用語は一般的に使われているか、専門家の間の専門用語なのかに注意を。家族や友人としてより、専門家同士で話をするのが多ければ、その人自身が専門用語として認識できていないことも。専門用語であるにも関わらず一般用語と錯覚を起こす。日常的に使われている用語でも、一般的に使われているか、情報提供の際には気をつける。専門外の人にcheckを。学校は児童生徒教員が、教室という閉鎖的空間に一定の時間、集団生活を行う。人から人に伝染する感染症の流行のリスクが高い環境。流行して多くが欠席して一定数以上になると、学級閉鎖や学校閉鎖に。症状がなくても学校に行けなくなる。どのような感染症に対してどのような感染拡大の予防策を取るか?学校保健安全法。以前の学校保健法では学校伝染病と使われていた。伝染病と感染症。意味に違いがある?伝染病。人から人へと感染して集団的に流行する疾患の総称。感染症。感染しない疾患も含まれる。伝染病より広い意味で。動物から人へと感染する疾患も含む。狂犬病。犬やコウモリから感染。感染した人から人へは感染しない。伝染病と感染症は全く同じではない。違いは一般に理解されている?伝染病という言葉は最近はあまり用いられない。ズーノーシスも含まれる。ズーノーシスも専門用語。人獣共通感染症。動物由来感染症。人と人の共通感染症。省庁により異なる用語を。統一されていないと分かりづらく混乱をきたす。3つの動詞で表現出来るが、どの動詞を用いて情報提供する?整理されていないと、受け取る側は同じ意味なのか違う意味なのか混乱を。リスクコミュニケーションにおいては十分配慮して統一した用語を用いなければならない。
感染症。発症する原因の病原体には、人類が発見するに至っていないものも。今後新たな感染症が。エボラ出血熱のように日本国内で発生していない感染症も。病原体が解明されて無く治療薬が未だにないものも。全てにワクチンが在るわけでもない。国内で発生していないものについては、どこかしら対岸の火事、あまり関係ないものとして日常的に殆ど意識しない。14年に東京の代々木公園でのデング熱。国内では70年ぶりの患者。喉元過ぎれば熱さを忘れる。感染源である蚊は撲滅されず存在している。リスクが低減されたわけではない。デング熱の研究者や公衆衛生の専門家でなければ、日常生活でリスクを考えることは殆ど無い。我々はどのようなものに対して恐ろしい、怖いと思うか。心理学において研究が。11項目について怖いと。感染症を例にして。エボラ出血熱。よく知らない新規なもの。取り返しのつかない被害。死亡に至ることも有り有効な治療法や治療薬は未だに無い。恐ろしく怖いと。デング熱。14年の流行の前はよく知らないもの。非自発的に晒されることに近い。感染症の疾患は多く、流行しなければなかなか考えることはないが、情報提供をしないわけにはいかない。日常においてどの感染症に関する情報を提供しなければならないかは難しい。平成20年の研究。専門家を異なる3つのグループを対象。1つ目は患者を見る臨床の医師。2つ目は保健所などの保健担当をする医師や獣医師。3つ目はクリニックの獣医師。調査結果。感染症の専門家と言っても、その背景や職務内容で注目する疾患は異なる。獣医師はズーノーシスに。医師はマラリアなど。日常的に流行していないものを。海外渡航の症例を診ているから。リスクコミュニケーションの参画してもらう専門家を選定の際には感染症の何の専門家が必要なのかを考える必要。調査が実施された時期と放送されている時期は、流行したり危惧されたりしている疾患は異なる。リスクコミュニケーションの対象の感染症は時とともに変わる。最新の情報を入手してリスクの程度を予測しながら情報発信をする必要がある。
新型インフルエンザを例に。インフルエンザウイルスという病原体により発症。色々なタイプ、型がある。新しいタイプ型のウイルスが発生すると、人は免疫もないしワクチンもないので、世界中に流行、パンデミックになる。09年にメキシコから発生して世界に流行したインフルエンザ。日本においては新型インフルエンザと呼ばれた。大流行の原因。新しいインフルエンザウイルス、H1N1。型はHNの後に数字を。インフルエンザの世界的大流行は09年以前もあった。1918年から翌年にかけてのスペイン風邪。68年から翌年にかけての香港風邪。これまでは新しいタイプ型のインフルエンザについて「風邪」という表現を使っていた。しかし悪寒を伴う、全身倦怠感などの症状、風邪とも異なる症状。高齢者が亡くなることも少なくない。リスクの程度が異なる。風邪とインフルエンザの違いを正確に理解して誤認されないように。スペインインフルエンザ、香港インフルエンザと。国内での新型インフルエンザ。新しいインフルエンザが。しかし用語に問題がないわけではない。新種のインフルエンザがどのようなものでも新型インフルエンザと表現することに。タイプや型により重篤度が異なるが、違いが分からず同じと捉えてしまう。厚生労働省のホームページにも注意書きが。09年のインフルエンザに関する情報と記載。引き続き。掲載されている情報も以前のものと注意書き。新型インフルエンザという言葉は何時に新しいのかがわからない。どのように表現する?新型インフルエンザという表現を使っていない国が殆ど。タイプ型そのものを示す。インフルエンザH1N1などと。専門用語をそのまま簡略化して使っている。タイプをつけたからといって、正確に伝わるとは限らない。型が違うということは分かるが、専門家で無い限り新しいかどうかが分からない。重篤度について誤認をする。数字はRankを表すのではなく番号。順位付けがされていると認識しがち。リスクの程度や重篤度で誤認を。丁寧に繰り返し説明が必要。
09年5月に発表された総理大臣からのメッセージ。内閣広報室が政策。Internetでも。麻生太郎。新型インフルエンザ。予防が大切。手洗いやうがい。咳エチケットを守る。海外から帰国後に不安があれば病院に行く前に保健所に相談を。適切なアドバイスが。油断は出来ない。専門家によれば感染しても早めに治療を受ければ恐れるものではない。タミフルなども効果が。3800万人分の備蓄も。水際対策など感染拡大の防止や治療体制の形成に。常日頃からの予防を。情報に十分注意して冷静な対応を。以上。使われていた用語の意味が分かったか知っていたか思い出したか。発熱相談センター。保健所、などの用語。当時に新しく作られた用語。治療薬や殆ど関わることのない行政機関も。予防方法として手洗いうがいは出てきたがマスクは無かった。咳エチケットの中に含まれているから?咳エチケットという言葉には4つのメッセージが。残りの3つのメッセージが分かるか?マスクをするなどは従来の予防方法。その他の感染症にも有効。感染症の種類別に数多く対策があるものではない。科学の発展により新しい予防や治療法などを求めているが、メッセージを聴きながらガッカリした人も。重要なメッセージだが当たり前のことを当たり前に。伝わりづらい。冷静な対応を、という言葉で終わる。画面には長い時間移されていた。冷静な対応とは何かが分かったか?誤認のないメッセージを作るのは簡単ではない。H1N1の国内での感染者は海外から帰国した高校生。必要以上に恐怖を喚起するので注意が必要。特定されて家族も含め避けられる。人権侵害とのバランスが必要。個人が特定されないよう充分に注意を。集団感染は都道府県などからメディアを通じて流される。社会の全ての人が対応することが必要。リスク情報やリスクメッセージはリスクの管理について。リスクコミュニケーションの戦略。ツール媒体。紙媒体やホームページ。後援会やシンポジウムなども。ここ数年はSNSが発達し使用者も増加。それぞれの媒体を理解し使用者を考慮して情報提供を。リスクコミュニケーションのプロセス。情報提供を中心に用語やツールを。リスクコミュニケーションは情報提供だけではない。ステークホルダーの間で情報を共有し共同して行動を起こすプロセス。福一の事故で、リスクコミュニケーションは不安を払拭できるとされるが、それが目的ではない。情報の共有や共に考える場。専門家やサイエンスコミュニケーターから情報提供が。何を求めているかが分かる。感染症の流行が見られない時に社会現象を想像するのは難しい。事前に相互理解をしなければ対応が困難に。クロスロードゲーム。シミュレーションで相互理解を図る。幾つかの例題が。電線の整備がままならず停電箇所が。新型インフルエンザで休む人が多くて。不眠不休か通常のシフトか。どちらを選ぶにしても葛藤が。実際にとある県の対策会議で利用。医師会や担当職員。周りの人の決断が意外。ためになる、情報共有が難しいなどの感想が。どのような準備をしなければならないかのきっかけを。
性感染症のリスクコミュニケーションの困難さ。個人の性行動に影響。他者と共に考えることが必要。セックスやコンドームはイメージから忌避されることが。コミュニケーションを図ることそのものが難しい。
最後にメッセージを。なにのリスクの性質やリスク管理について扱うか戦略を立てて情報共有をして信頼関係を築きながら。エンゲージメントの活動とも。日本語では3つの単語で。対話、ともに考える共考、協力して働く協働。リスクコミュニケーションは説得ではない。国民が決定に関わる公民権や民主主義の思想が背景にあることを。

 

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  • 作者: 
  • 出版社/メーカー: ライフサイエンスセンター
  • 発売日: 2001/09/01
  • メディア: 大型本