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医療事故と事故防止の考え方(看護管理と医療安全第12回)

医療事故は何時でも起こりうるという認識を持つこと。

 

飯島佐知子。医療事故と事故防止の考え方。医療事故の定義と分類。医療事故の現状。医療事故の原因の5種類。5種類に応じた対策。
医療事故の定義と分類。平成16年の医療法の改正。医療従事者の医療によるもの。起因すると疑われる。似た言葉に医療過誤。患者に障害があること。医療行為に過失。障害と過失に因果関係。過失には、してはならないことをした、するべきことをしなかった。過失や故意による患者に障害を。行為者は法的責任を。ニアミス。事故にならなかった事例。事故になりそうでヒヤリ・ハットと。インシデント。現在は患者に障害が発生したかしなかったかを問わない。本来のあるべき姿から外れる。医療従事者や医療施設の訪問者も含む。90年代に先進国で社会的注目を集める事件が。それをきっかけに多数の国が実態の調査や報告の仕組み、予防の対策を。アメリカでは94年にボストンの医療問題専門のジャーナリストが乳がんの化学療法で死亡。アメリカ医学院が調査を行い人はだれでも間違えるという報告書を。アメリカでは年間4万人から9万人の死者と推定。交通事故者より多い。医療の提供システムの失敗。防止委員会などが設置。イギリスでは97年に小児病院事件。12年間に不適切な心臓手術で30人の子どもが死亡。担当した医師は死亡率が多いのに手術を続けた。医師だけではなく病院管理者の責任も。外科医に手術の死亡率の報告を求める。日本で99年1月。横浜市立大学付属病院の患者取り違え事件。取り違えて手術を。手術後に気づく。原因は2人の患者を1人の看護婦が申し送った。患者の確認方法が曖昧。患者とカルテが別々に送られた。麻酔医など複数の医療従事者が確認を怠った。行政処分を受け刑事責任を問われる。血液凝固阻止剤と皮膚の消毒薬を取り違えて注射。6月には立川市で。12月には広島市の病院で。医療事故の新聞報道は増加。関心が高まる。厚生労働省は99年に患者誤認事故防止の院内管理体制の確立についての委員会を。01年には安全な医療を提供するための10の要点。02年。総合対策の発表。医療機関などの責務を明確に。01年よりヒヤリ・ハット事例の収集事業を。04年より日本医療機能評価機構による収集。医療事故収集事情。報告義務のある病院。国立大学病院など276病院が義務。参加を希望した病院も多い。15年11月現在で1031病院が参加。全国の病院数の12%。医療事故報告の対象となる事例。誤った医療。患者が死亡するなど、明らかなミスなど。誤った医療や管理を行ったことが明らかでない事例や事故の予防や再発に役立つ事例など。医療事故の報告件数。15年には1年間で3654件。死亡事例は9%。事故の概要。看護師の関わりが多い療養上の世話が3分の1。転倒が多い。治療措置によるものは30%。医師看護師歯科医師など。当事者の部署配属年数は1年未満が多い。発生要因は観察を怠った、判断を誤ったなど。ニアミスの発生件数。ヒヤリ・ハット事例収集事業の報告。27年では1187病院。報告対象事例。誤った医療行為が事前に発見。実施したが結果として患者に影響はなかった。実施されその結果軽微な医療を要した事例。職員が集めることで予防に役立てる。発生場面は薬剤関連が最も多い。医療機能評価機構。全国の病院数の12%のみ。患者や遺族からの依頼は受け付けていなかった。15年の医療法の改正。再発防止のために医療事故調査制度が。発生した医療機関において院内調査を行い収集分析する。病院診療所などの管理者は医療従事者が提供した医療によるとみられる場合に報告が義務付けられる。医療事故等に関する相談。医療事故の再発防止の啓発。医療機関の管理者や遺族などの依頼も。16年10月1日から始まり、17年間の1年間で死亡事故は約380件。訴訟事件。医事関係訴訟事件。04年には1110件だったが減少。増減を繰り返し15年には新規が800件以上。
医療事故はなぜ起きるか。原因。医療従事者の直接的な事故や隠れた結果により発生。原因分類。5つに。患者の病態や症状と薬剤の関連を理解していないなどの知識不足。技術の未熟さ。規則違反。医療施設に。ヒューマンエラー。意図せず逸脱した人間行動。うっかり間違い、うっかり忘れ、思い込み。うっかり間違いは無意識の内に何気なく出来ていることを失敗。スリップ。注射針を捨てようとして自分に。うっかり忘れ。記憶の間違い。患者に家族に質問され投薬を忘れる。不適切な目標を選び行動。同じ名字で別の患者に薬を。本人が発見するのが難しい。医療機器や医療材料の欠陥。似たボトルの薬剤など。システムの欠陥。事故を起こしやすい作業環境。情報伝達の方法の誤りなど。看護業務には夜勤勤務などで同時並行。時間的圧力などでエラーを起こしやすい。チームで仕事をするので情報伝達の誤りが。看護師は問題を解決し事故の原因に対応を。規則の遵守やコミュニケーション、安全体制の構築など。
医療事故の5つの原因に対応した防止対策。知識不足や技術の未熟さには習得が必要。卒後2年目以内には習得していないので事件になりかけたことが多い。医療機器操作などで新卒看護師が。100項目。新卒看護師は自分に不足しているスキルを確認し各職場で主体的に習得を。チェックリストを教育に利用。連携してシステムの構築を。規則違反。規則の遵守が必要。看護手順を始め数々。職場で規則が守られるためには納得でき合理的で明示されている、定期的に知らせているなど。現場でルールを使う人の意見が反映されない、まとまりがないなど。確認事項の省略など。防ぐにはわかりやすい手順を掲示するなど。互いに確認し合うなどの環境を。ヒューマンエラーをへらす。12の手順。止める。同じ効用の薬剤を減らす。作業を失くす。出来ないようにする。

 

看護管理と医療安全 (放送大学教材)

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