判決などの判断を下す裁判官は、何処まで自身で判断をすれば良いのだろうか?争訟当事者だけではなく、他のステークホルダーの利益や裁判構造自体の限界も考慮しなければだけど。基本的には妥当な結論を導けば良いのだけれど、理論構成は相当大変。
現代社会の複雑な紛争を民事裁判訴訟でどう扱う?
裁判所の基本的な任務。一切の法律上の争訟。邪馬台国が何処にあったかは議論がある。九州か近畿か。権利義務や法律関係ではない。法律上の争訟とは言えない。当事者間の具体的なもので、法令の適用により解決出来るもの。宗教上のもの。住職という地位はともかく、専有の根拠や宗教法人の代表者の問題だと、前提問題として判断する。他にはセクハラの問題。教義に異を唱え罷免された場合は?裁判所が判断すると宗教の自由を犯しかねない。終局的に解決できるものでなければならない。宗教の教義の解釈は裁判所では解決出来ない。法令の適用について、法的三段論法、要件効果モデル。大前提の法規と小前提の事実、それで効果が生じる。AさんのBさんに対する損害賠償の問題。民法709条。これを大前提とする。小前提に事実。故意または過失。因果関係などの要件と、効果に別れる。事実関係が4要件に該当するかが問題。法的三段論法。要件効果モデル。目的論モデル。行政庁がある目的を達成するために手段を。幾つか在る具体的な施策を選んで実行する。健康の為にキャンペーンをするなど。目的や効果が違う。費用の問題などの諸問題が。法律効果があるわけではなく、要件もない。総合的に判断。具体的な事実に法規を適用。要件効果モデルに従う。法律により特に定められたものも。非訟と呼ぶ。
非訟事件にも様々。関係者の利益となる最善な。目的効果モデル。非訟事件訴訟法。家族の紛争。家事裁判訴訟。特別養子。民法817条の2から817条の11。養父母の親子関係だけを存続させる。父母による擁護が著しく困難など。利益、は裁判所の広範な裁量に。目的手段モデル。対立する構造ではなく、一方の申請によるもの。失踪宣告。民法30条。死亡したものとみなし相続が発生。申請人は利害関係者の誰か、相手方は居ない。後見や保佐。対立する構造ではない。後見開始の審判は本人や本人以外でも。本人の利益のために。二人の当事者が争うケースで。夫婦の婚姻費用分担の審判、など。争訟的非訟事件。相手方との紛争。訴訟で処理しても良いが、判断様式は広範な裁量に。事実の手続でなく柔軟。非訟事件の手続は非公開。書面主義。決定、抗告。裁判を受ける権利の侵害か?憲法32条。82条で公開性と対審制。国際人権規約にも。公正な公開審理を開くべき?最高裁は侵害ではないとする。実態的権利義務の存在を前提として、具体的なものは合目的的に裁量で。非訟手続が全く自由に決められるとするのはどうか?例えば婚姻負担。家事審判で決められれば強制執行も出来る。言い分を伝える権利は必要な筈。法的手続きとして正義に悖る。11年に非訟事件手続法が改定。家事事件にも当事者構造を導入。非訟事件は後見的立場から広範な裁量で。
選択的な科学が争訟に持ち込まれるものがある。現在では数多い。医療事故。医師のミスによる損害賠償。法律上の争訟そのもの。しかし医師のミスは、医学上の高度な専門知識に基づく。資料が提出されない、提出されても裁判官や弁護士が理解できない、専門家も理解できない。医療記録は殆ど医療機関にあるが、証明責任は患者側に。構造的証拠偏在。医療行為がミスかどうかの判断。具体的な症状を把握する必要がある。裁判官が専門知識を得ているのか。専門知見の調達方法。実体法的な問題も。過失があるときに限って損害賠償を認める?制度構築の問題にも。予防注射の副作用については補償制度が。立法的に解決。証拠偏在。証拠法の様々な規定で。証拠収集処分。検証物についても。証拠保全。裁判長の釈明権。嘱託。拡張解釈や積極的運用。第三者が持つ証拠を。訴訟外だが、弁護士会によるものも。しかし現在は不十分。拡張をはかる。一般義務化。当事者照会制度。完全陳述義務。訴訟前の当事者照会。手段の拡充。専門的知見の調達方法。鑑定と専門委員。調査嘱託など。鑑定には様々な問題点。鑑定意見をどのように提出するか、など。鑑定人の選任にも時間がかかる。鑑定費用が高くなる。訴訟費用の問題。現代型訴訟の特徴のもう一つ。政策形成訴訟。例えば公害について。経済的自由を尊重していたが、四大公害病の訴訟などの裁判。和解などによる積み重ね。公害対策の政策が形成されていった。裁判が提起されて救済事例が積み重ねられた。立法的に解決もなされる。譲渡担保の判例による法形成。政策形成のメカニズム。民主主義からの問題。基本的には判例法。しかし先例拘束主義はとっていないのが、事実上の法的価値が認められている。民事裁判の効力はその事件限り。既判力。被害を受けた消費者がたくさんいて、一人が勝利してもそれだけ。同内容の事件なのに違う判決なのは平等の観点から問題。最高裁が統一を図っている。上訴されれば判断の統一が図られる。しかしあくまで法律上の争訟の処理に限られる。あくまで個別的な事例において。判決理由やレイシオ・デシデンダイ。どの部分がそうなのかは後の裁判所が判断。最高裁の裁判理由に効果があるにしても、変更の可能性は認められている。大法廷による、と定められているだけ。下級審が裁判所とことなる結果を出すこともある。判断の不統一の問題。最終的には最高裁に移送。判例などが民主的統制のもとで問題ではないのか?存在する法を司るだけで、法律を作るのは問題では?違憲立法審査権はあるが。選挙による民主的コントロールを免れる。裁判による法形成が実質的にはなされている。利息制限法。任意に支払った利息は、元本に充当することを最高裁は認めた。更に払いすぎの部分は不当利得とした。法律の事実上の死文化。国会は充当されないとした、グレーゾーンが適法になった。しかし最高裁は任意返済とは認めないとした、過払い金の返還。法律の枠内で多重債務者の救済を。国会は法律変更をする。更に最高裁は救済を図る。立法権の侵害?あくまで要件効果モデルが前提のはずだが。裁判所の判断の正統性はその事例だけ。普遍的な法形成にはそぐわない。判例による法形成の限界。
要件効果モデルと法的三段論法。法律上の争訟概念。非訟事件の特徴。裁判所が直面する現代型訴訟。科学裁判。専門的知見の調達方法に問題。法政策形成過程の問題。民主的統制の問題と裁判自体からの問題。公開原則。国際人権規約にも。非公開にするものもある。民事訴訟、知財訴訟でも非公開に出来る場合もある。科学裁判。裁判官自身が研究者であるべきだ?