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国際紛争の解決(国際法第13回)

戦争が違法な手段とされるのは理解できるが、依然としてきな臭いのは変わらないなあとも感じる。

 

柳原正治。国際紛争の解決。法的規律は大きく変化。現状と課題。国際裁判。川島武宜「日本人の法意識」。ジョンヘイリー。戦間期では裁判嫌いが定説。国際裁判で紛争を処理しない?裁判嫌いを治そうとすることは試みられてきた。国際裁判の消極的な立場は大きく変化。竹島問題。捕鯨事件などの当事国に。解決方式としての国際裁判を嫌っていたのは制度そのものへの忌避?アジア諸国は戦間期の日本に通する。欠陥のある制度?積極的態度に変化した理由は?今日における国際紛争の解決について。解決方式の歴史的変遷など4つの。
紛争解決方式の歴史的変遷。19世紀において国家間の戦争の規律。国家間の紛争解決の最後のものに?97年の論文を。18世紀後半を考察。正戦論が理論的に崩される移行過程を。3人の論者の戦争論を。伝統的正戦論では、権利の追求の手段と。戦争の勝敗は不確か。つまり正戦を行う側に神が加担することはありえない。19世紀にかけて正戦論が崩される。紛争処理の観点から戦争を捉える。国際法上の権利の自力救済を広く認める。国内社会と決定的に違う。自力救済は特定の状況を除き違法。国際社会では武力不行使原則が確立されている。平和的に解決する義務が確立している。最終的な解決手段は裁判?言い切ることは出来ない。現在までに国際司法裁判所のみならずいくつもの裁判所が。どの国際裁判所も一般的強制管轄権を持たない。履行の手段も充分ではない。国際紛争で留意すべきなのは、紛争の存在そのものに一致がないことも。竹島と尖閣諸島。解決手段としての戦争が禁止されている。交渉、審査、仲介、仲裁、国際裁判など。いずれの手段を選択するかは関係国に。当事国は何処かの時点で特定の手段を取ることに合意を。国際海洋法裁判所などといった国際裁判による解決。国際海洋法条約。自由に選択できる。常設の国際海洋法裁判所と国際司法裁判所のどちらを?12年3月にはバングラデシュの事案が。国際法の断片化。
裁判によらない紛争の解決手段。非裁判的手続。交渉など。従来は法律的紛争と非法律的紛争を。しかし分離の基準に一般化が出来ていない。基本は外交交渉。民事事件では話し合いが一般的。当事者間の交渉は力関係を如実に反映。裁判が機能しない国際社会では一層あてはまる。終局的には交渉に成るのは国際社会の現状。交渉命令判決も69年の北海大陸棚事件。公平な結果になるよう誠実な交渉を。71年に条約締結。審査。1899年のハーグ平和会議で。紛争の事実関係を明らかにして解決を容易に。周旋と仲裁。第三者が介入して紛争解決を図る。調停。調停委員会が解明した上で解決案を提示。紛争当事国は受け入れなくても国際法違反にならない。
裁判的手続。仲裁裁判と司法裁判、司法的解決。合せて国際裁判と呼ぶことも。介入する第三者、裁判所の提示する判決が当事者に法的拘束力を持つ。裁判所が常置されているかどうか。21年。常設の裁判機関と仲裁裁判は異なる。仲裁裁判が。ジェイ条約。1872年のアラバマ号事件の成功で広まる。1870年代前半にロシアの皇帝を仲裁人にしたのはなぜか?ロシアの関心を得るには、すこぶる名誉であると。政略上ロシアに頼んだ。副島の発言は本当かは検証を要する。常設仲裁裁判所の設置。常設という名前は名簿の常設にあるに過ぎない。実際の裁判官を選任。21年までかなり活用。日本では敗訴したので国際裁判への不信感が。消極的態度へ。外国人居留地。租税などの免除は土地に限ると。家屋についても免除されると判示。西洋人が多数の法廷で不利な判決を。しかし必ずしも日本が勝つ事案だったかどうかは精査が必要。国連海洋法条約に基づき仲裁裁判が。00年の南まぐろ事件。裁判基準は仲裁契約で規定。通常は国際法による。司法裁判。21年に常設国際司法裁判所が。40年までに29件の事件を。織田萬などの3名。31年に満州事変が。国際司法裁判所で裁くべきと。日本政府は裁判による解決に否定的。現存する国際司法裁判所。それ以外にも国際海洋法裁判所や国際刑事裁判所などが。地域的裁判所として欧州司法裁判所など。国内社会と異なり審級制はない。どちらに訴えを提起しても良い。裁判所が競合し解釈について相異なる判断があっても。国際法の断片化の問題が。規範としての国際法の一体性が損なわれる危険性が。
国際法の全ての分野を処理する国際司法裁判所。国連の主要な司法機関。最近は活発な活動を。裁判官の構成と強制管轄権。大国からの裁判官を?他の国家は応じなければならない?根源的な問。構成。国連総会と安保理の15人の裁判官。慣行で5カ国の裁判官が含まれ、地理的な割当も決まっている。紛争当事国出身の裁判官は審議に入らない。特認裁判官。裁判の公正さからすると疑わしいと批判も。紛争当事国の主張を理解する人が居る安心感など。多くの国が活用。選定した当事者国に不利な判決をすることは殆どない。裁判所に強制管轄権を。他の国家の同意がなくても。アメリカは議会の反対のために当事者国にはなれなかった。案も採択されなかった。選択条項受託宣言。法律的紛争で強制管轄権を持つ宣言を。相互性を基本にしている。約3分の1しか宣言していない。アジアでは日本を含め6カ国。受託宣言。アジア諸国は国際裁判に積極的にはない?受託宣言には留保がつけられることが多い。受託宣言以外には紛争発生後に合意して付託する場合。事前の行為なしに付託して相手が認める場合。裁判条約や裁判条項で一方的に付託できる場合。いずれかに基づいて裁判が提起されると審査を行う本案手続。書類審査と口頭手続。最終的申し立てをして評議が行われ判決が。付随手続。仮保全措置。紛争当事者国に権利の保全を指示。司法裁判所の場合には管轄権が争われる事が多い。01年のラグラン事件で法的拘束力を肯定。管轄権についての抗弁。請求の受理可能性抗弁。先決的抗弁。抗弁が認められると裁判は終了。第三国の訴訟参加。当該事件の裁判に影響を受ける国家が参加。権利方式。裁判所の判決は特定の事件についてのみ。先例としての意味を持たない。通常は先例を尊重している。履行確保措置の。安保理が勧告したり。ニカラグア事件。アメリカが拒否権を行使。履行確保は不充分な制度に。少数の例外がある以外は履行されている。国際司法裁判所は以上のような国家裁判に加えて、勧告的意見を出すことが。重みがあるので比較的尊重されている。96年の核兵器の事案が有名。
国際機関が関わる。ILOなどが最初。事務総長などが大きな役割を。安保理が主要な責任を。安保理は危うくする恐れがあるかを認定。その場合は付託を含め方法を勧告するなどを。勧告の採択についても拒否権を持つ。
小田滋。解説書の1つ。27年間国際司法裁判所の判事を勤める。

 

国際法〔改訂版〕 (放送大学教材)

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