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武力紛争法(国際法第15回)

大学時代ではまだ戦時国際法という概念が用いられていた。戦争が止むことはないから恐らく法領域としては存在が続くだろう。

 

柳原正治。武力紛争法。武力紛争においてどのような武器などの法的規制が。
武力紛争法という。戦争の違法化が。中立という立場はあるのか。広い意味の戦争は古くから。戦争を開始するにあたり。今回は戦争中。キケロ。武器の中で法は沈黙する。戦争の状態の中で法は妥当しない?戦争は元々暴力的。勝利が目的でありどのようなことをしても良いのでは?中世から近世のヨーロッパでの宗教戦争はとりわけ悲惨なものだった。グロチウス。「戦争と平和の法」。30年戦争の真っ只中で執筆。初めの部分で執筆動機を。キリスト教世界の至るところで蛮族にも忌避されるような戦争の豊潤さを。公然と凶暴さが。神の法への尊敬の念がない。グロティウスは遂行中にも国家が守るべき共通法があることを論証しようとした。法は沈黙するわけではないと。近代国際法理論の形成で遵守させる手段を議論。戦時国際法。営為の成果はどのようなものであるのかを。戦争の違法化で戦時国際法の変化。
戦時国際法と武力紛争法。平時国際法。戦争関係が存在しない場合の。開始の局面も扱う。戦争の開始は国際法の規律対象では無いと考えたなら開始は規律されない。戦時国際法は開始されて戦争状態となった時点から国家間の関係を。交戦法規と中立法規に。2分論は29年に不戦条約が発効されてからも維持される。国際連合憲章で全ての戦争が違法化。自衛戦争の言い方があるが、自衛権に因る武力行使であるというべき。武力行使が一般に禁止された状態では戦時国際法の適用の可能性は全くなくなった?しかし武力行使原則が確立されたからといって武力行使が無くなるわけではない。違法な武力行使をする国家があるのは現実。それに対して他の国家や国際連合などが武力を行使。軍事的措置としての武力行使。均衡の取れた対抗措置。違法な武力行使に対して合法な武力行使が行われている状態で国際法の規律はない?49年のジュネーブ4条約。戦争その他の武力行使に対して適用されると。現在では武力行使原則の確立により2分法は崩壊。人道的要素を重視して新しい武力紛争法が存在スルとするのが一般的。70年代以降は国際人道法の概念も。武力紛争はあらゆる紛争に適用。内戦のような非国家間の武力紛争にも適用される。77年のジュネーブ追加議定書で、民族解放戦争も国際武力紛争とみなされる。平等適用。武力不行使原則に反する違法な国家にも平等に適用されるか。直ちにその国家が違反する行為を取ったとはみなされない。違法な武器の使用のような行為とは違う問題。こうした状況で国際法に違反して武力紛争を起こした国に対して国際法を守らなければいけないのか?人道的立場から違法な形であれ武力紛争法が適用されると。最初に違法な形で武力を行使したのが消えてなくなるわけではなく国家責任が問われる。国際刑事裁判所で個人が処罰されることも。
戦闘の手段と方法の規制。交戦法規。現在でも引き継がれている。被害者の保護。ハーグ法とジュネーブ法。軍事的要請と人道的要請。人道の観点から不必要な殺傷などは避けるべき。バランスの上に。軍事目標主義。軍事目標のみを攻撃の対象に。不必要な武器の使用を禁止する。軍備管理との関係。軍縮。国際連合などで行われ、米ソ間の条約で。大量破壊兵器や通常兵器につき多国間条約が。ハーグ平和会議での一連の条約。陸戦法規。大量破壊兵器の規制が大きな問題。細菌兵器や化学兵器。93年の化学兵器禁止条約。核兵器。核実験保有などの区別を。63年の部分的核実験禁止条約。地下を除く場所でも禁止。包括的核実験禁止条約。しかし未発効のまま。核兵器不拡散条約。不平等な条約だという批判が。安保理常任国に加えインド・パキスタン。核兵器の使用そのものを明示的に禁じる条約。17年に核兵器禁止条約。日本などは参加していない。禁止されている?ハーグ陸戦規則に反するなど。核兵器保有国は明確な見解をとっていないなどの根拠。96年の勧告的意見。国際人道法に一般的に違反すると。同時に国家の存亡そのものの自衛の極限的状態に付き最終的な結論を出すことは出来ないと。この部分は意見の一致が難しかった。核兵器の使用を明示的に禁止する一般条約はないが、人道的原則がある。ハーグ陸戦規則23条。国際司法裁判所は各国からの陳述書の提出を求めた。日本も提出しようとしたが世論の反発で人道主義に合致しないと。広島市長や長崎市長は違法性を強く主張。裁判所としてはギリギリの意見だったかも。相当の時間が経過しているが条約は存在しない。軍事目標主義。砲撃については国家実効の積み重ねにより明確にされる。無防備都市。第一次世界大戦以降の空襲の問題。22年に空戦規則。人道的に重きが置かれ発効せず。昭和38年の判決で原発投下は違法とされた。
武力紛争犠牲者の保護。敵対行為に直接参加しない文民。1864年のジュネーブ条約。49年のジュネーブ4条約。195カ国が締約国。追加議定書も。戦闘員と非戦闘員の区別。交戦資格の問題。正規軍の構成員。義勇兵にも交戦資格を。民族解放闘争から条件を見直すべきと。77年の第2議定書。武力紛争中に捕虜をどのように扱うか。とりわけ捕虜を奴隷化するのが許されるか。人道的介入を。ハーグ陸戦規則。現在では49年のジュネーブ捕虜条約などで規律。戦闘員のみが捕虜の対象に。第二次世界大戦中の日本軍の捕虜虐殺。BC級戦犯として裁かれる。日露戦争のときは対照的。ロシア軍の捕虜が日本に送られ松山では親切な扱いを。全くトラブルが無かったわけではないが道後温泉にも入浴。ロシア軍捕虜の墓は今でもある。文民の範囲も変化している。ジュネーブ文民保護条約。被保護者の保護。人道的待遇。虐待の禁止。強制労働の禁止など。女子は特別に保護。難民も保護の対象に。
武力紛争法の履行確保。如何に国家に履行させるのかは条約の問題。人権条約と同様の問題が。武器の中で法は沈黙する?戦争の状態ではそもそも法は妥当しないとの考え。戦時国際法の適用が主張されその手段も議論。違法な武力を行っている国に履行させるのかは重要な問題。戦時復仇。中立国の介在、損害賠償など。違反行為に均衡する違反をする戦時復仇は大幅に制限されている。戦争犯罪の処罰。履行確保に有効。国内裁判所と国際的な裁判所で。中立国の介在。ジュネーブ4条約。利益報告。監視を。極稀にしか活用されなかった。国際赤十字社が代理を。調査を行い尊重する態度を回復させる斡旋を。戦争犯罪の処罰。ニュルンベルク国際裁判所など。ニュルンベルク諸原則。48年のジェノサイド条約の国際刑事裁判所。冷戦が終わり地域紛争が起こり違反行為が。対処のために安保理の決議で臨時の裁判所が。常設の裁判所として国際刑事裁判所が。人道に対する罪など。
中立概念。伝統的な戦時国際法。中立の自由。戦争に参加しない地位を自由に決定できる。中立国と交戦国の関係は平和関係。その一方で黙認義務などが課される。戦争の違法化で中立概念が成り立たない?自衛権の行使としてなど違法ではない武力行使。そう考えれば中立はありえない?中立がありうるかは現在に至るまで必ずしも明確ではない。
武力紛争において法的規制、武力紛争法という法的規制が。戦争の違法化が図られ武力違法化原則が。
国際法は難しい?国際法の基本となる部分を説明。各分野における基礎的な概念について理解を。現行の制度が存続できないならどのように変えればよいかの構想力を。自らの頭で考える力を。

 

国際法〔改訂版〕 (放送大学教材)

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