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国際社会における法の支配(法学入門第12回)

国際法についてはいわゆる国際法の概説書に留まらない勉強が必要。そもそも原理自体が様々なのは国内法と大きく異なるのだから。

 

柳原正治。国際社会における法の支配。国内社会において最も基本的な原理の法の支配の定義は多様。国際社会での法の支配の内容は国内社会と同じではない。
時代により地域により様々な法が。東洋と西洋。様々な思想。法の基本原則。日本国内で生活する人は条約や慣習国際法によっても規律されている。
法の支配。英語のルールオブロー。仏語や独語に対応する単語はない。14年5月にシンガポールの会議で安倍晋三総理が演説。02年からシャングリラホテル。シャングリアダイアローグとも言われる。アジアの安全保障についての討論を。法の支配を全てのものに。特に海における法の支配が強調。国家は首長を為す時は法を基に。力や威圧を用いない。平和的収拾を。法の支配の定義は多様。
法の支配の定義は多様。原理が歴史的にどのように成立したか。イギリスで発達。16世紀から17世紀に。19世紀のダイシーが理論化。法の支配の内容。国王や政府が恣意的権限を持つのを認めない。通常の裁判所の法に。成文憲法ではなく判例により人権が確立。13世紀の言葉。王は神と法のもとにある。人の支配や王の支配を否定し、国家権力を法で制限。ダイシーがまとめ上げる。英米法の中核をなす原理に。これ以上の具体的中身は専門家でも一致はない。自然法的。実定法に対して、自然ないし本性を基礎にした。どの社会にも妥当。法とは何かが問題。実定法か自然法か両方?中世から近世にかけて、自然法と捉える考え方が。現在でおいては実質的内容と言っても、自然法と考えるのは疑問。基本的には実定法。法の原理は英米法の中核をなすが、アメリカ合衆国がそのまま引き継いだかは疑問。アメリカ合衆国連邦憲法。違憲立法審査権が。法律は無効であるという権限が。立憲主義。憲法による政治。法の支配と密接に。国家の政治的環境により様々。分離独立させる三権分立主義や基本的人権の尊重を。それ以外は難しい。英米法の根幹として発達。大陸においては法治国家や法治主義が。法の支配と同一。法治主義。19世紀のドイツ。絶対主義国家とは異なる。法律による行政の原理。法により権力は制約されるが、具体的作用は異なる。中身そのものは全く問われない。法の支配との違い。議会が制定した法であれば法治主義に合致。第二次世界大戦後は批判が。内容が憲法と合致するかが問題。連邦憲法裁判所が審査。司法権として違憲であると。実質的法治主義。近代法の基本原理。近代日本はどのように受け入れたか。西洋法の継受。フランス法やイギリス法が。しかし新民法はドイツ民法を。明治憲法の元では法治国家の訳が。形式的意味での。法律にさえ従えば良い。法律による行政の原理が大正時代に。第二次世界大戦の後の日本国憲法では?条文はない。31条の法定の手続きの保障など。法治主義の根本的なところは否定。昭和30年台には実質的法治主義に。佐藤幸治の法の支配の著書を。法の支配は歴史的に変遷を。法治国家概念との相違も様々な考えが。
国際社会も法の支配は重要な原理。安倍総理のスピーチ。国際社会を念頭に。海における法の支配の3原則。それほど昔からではない。合意は拘束するという原則は国際社会でも重要。国家同士が合意した内容は守らなければならないことは基本的なもの。世界人権宣言。法の支配により人権の保護を。ここ20年くらいに。05年9月の世界サミット。成果文書が採択。人権と法の支配という分野。国内国際双方の。国家観紛争をさばく国際司法裁判所が重要。12年に法の支配に関する下位レベル会合が。法の支配が根本的に重要。国際司法裁判所や国際海洋法裁判所などが法の支配を推進することが強調。国際平和が法の支配により実現する。日本の外務省のホームページ。国際社会における法の支配の実現のために4点を。国際法の法典化など。あるべき国際法の形成を促進し誠実に遵守。平和的に解決を。国際裁判所の判決などの遵守を。国際司法裁判所のみならず、国際裁判所の活動が飛躍的に活発に。既存国際法の挑戦が多くなっている。正面から否定する。ウクライナ危機。中国の東シナ海への南下。国際社会が平等な国家の構成で。法の支配の原理。国内社会の場合は個人の権利自由を守るために。国際社会では国際法そのものが法規範として妥当していることに。国際法を法とすることができない?力や事実から法が?力による支配が?国際法が国内法と同じ意味で法規範と言えるか?19世紀後半のドイツの学者が議論。ヘーゲルの法の哲学。国際法は対外的国家法。個別国家を越える権力の強制はない。オースティンの主張。法とみなす事ができるとする主張は様々。個々の国家自身の。イェリネック。トリーペルの二元論。強制手段は自助で有り得る。妥当性と実効性を区別。合意は拘束するという原理。問自体が正面から取り上げられることは多くない。国際法と国内法と同じか、という疑問が有用でない。国際法は国内法と異なる特徴を持つのは当然。国内法とは異なる法規範。特徴を明らかにするのが生産的。同じと考える必然性はまったくない。根本的問題は残るが。歴史的にみれば様々な態様の法が。国際法を法としても問題はない。
国家間の法とみなすことが出来るか?グローバル化が進む。平等な主権国家の集合体として国際社会は減衰。国際組織や個人などの非国家主体の役割が飛躍的に増大。戦争や武力紛争の在り方も新しい戦争という概念が。911テロ。ブッシュ大統領は新しい戦争と。私人の暴力行使が戦争と。テロの脅威。イスラム国。国家の資格要件を満たしていない?サイバー戦争。サイバーテロ。不正な形で情報収集。プログラムなどの破壊。個人でも国家でも。非国家主体の存在を全面に押し出した国際法の形成を。従来の国際社会は変化の必要が。世界市民社会を構想すべき。コスモポリタン法が。99年にハーバーマスは明瞭に述べている。世界市民社会におけるコスモポリタン法を。国際機構の機能強化。国家間の利害調整だけでなく、共通利益の実現を。近代国際法の根本的変化を。同一的国際社会が多文化世界へ変化。自決の権利。発展の権利などの諸原則が主張されている。強行法規の概念を。個々の諸原則が主張。西洋の主張を近代国際法に乗せていた?日本の福沢諭吉。陸羯南。地域法を守る理由があるか?平等に適用する意図はなかった?高橋作永。現代国際法はどのような特徴を?主権平等原則は?根源的難問。法の理想に合致した法とは?疑いから決定的に解放されるには?豊かな構想力が。国際法の特色や形成適用解釈の原理の理解が必要。国際社会における法、国際法は地域や時代により異なる。絶対的なものではなく変遷するもの。

 

法学入門 (放送大学教材)

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  • 作者:柳原 正治
  • 出版社/メーカー: 放送大学教育振興会
  • 発売日: 2018/03/01
  • メディア: 単行本