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美と芸術について(美学・芸術学研究第1回)

俗に言う現代芸術の存在価値について合点した。まあ自分にとって苦手なのは変わらないだろうけれど。

 

哲学的基盤や歴史的背景。補足的な重要事項の説明。
「美」「芸術」の言葉。言葉は大切なこと。言葉自体を考えるのは重要。些末なことを様々に述べるというimageは間違い。ハイデガー。哲学はドイツ語とギリシア語の言葉の成り立ちから哲学を展開する。哲学の王道。言葉に拘るのは些末なことではない。言葉について語る「美」という言葉。漢字文化圏においての成り立ち。上に羊、下に大きい。そんなところから。羊が大きくて美味しい。美味しいが第一義。芸術文化社会。料理美学。漢字文化圏での正統な学問。美味いが誰にとって美味いのか。普通の人間というより神にとって。神への捧げ物である羊が美味しい。厳粛な宗教的な意味が。ラテン語圏。プルケル。ラテン語の語源。始まりにおいて美しいとともに強力な。捧げ物に欠損がないという意味。神への神聖な。力という意味も込められている。美は宗教的な意味が。ギリシア語。カロス。本当に様々な意味を持つ。基本的には美しい意。美は神秘的な高度な領域。美と善は一体のもの。ギリシア語では言葉そのものも。美イコール善。「芸術」という言葉。「芸」の字。旧字体で考える。「藝」。ほぼ学問を意味する。「術」は小道、その中に学問の意味が。「芸術」。西洋の近代語のアートの翻訳語。西洋近代語の翻訳語として出発。ラテン語のアル。ギリシア語のテクネー。近代語のアール。芸術の意味の他に学問という意味も。テクネーには広い意味の学問という意味もある。「芸術」も学問。一体的である。アリストテレス。「史学」。学問を広く指す。音楽や絵画や詩は古くから存在していたが、一括する芸術は近代で始まったと教科書では書かれているが、間違い。アリストテレスの「史学」第一部は残っている。今日の意味の一括した芸術概念を表している。
美学という学問。「美学」という言葉。ドイツ語の翻訳語として現れたのではない。フランス人のベロンが出版した書籍の翻訳として中江兆民が。美学が定まった。美学とはどういうものか?西洋近代語での美学。ラテン語から。古代ローマにあった言葉ではない。18世紀のドイツで作られた言葉。そもそも美学という学問が18世紀ドイツで作られたのは間違い。美についての様々な学問はプラトンから。美学の対象は芸術に限られない。自然美をも対象とする。人物や数学も対象。広大無辺。
美と芸術の様々な在り方。普通の意味で美しいと思えないものが多い。汚らしいものが美術館に存在。何故あんなものが芸術なのか。現在芸術としては名高いが。普通の意味での美とは言えないものが。抵抗感の無い美が存在している芸術も多いけれど。例えばモナ・リザ。神秘的な美。普通の意味での美でもある。深いけれどまっとうな意味の。普通の意味においての美の中にも素晴らしいものがある。良し悪しを言うならば、素晴らしいものも大したものでないものもある。現在芸術として。美と芸術はイコールではないと疑問を現代人は持つ。Leonardo da Vinciの昔においても芸術は美を表現しようとしたものではなかった。真理を表現しようとした。他の時代にあっても芸術家たちは真理を表現しようとした。芸術は真理を目指すもの。真理を本質を描こうとした。自然から生まれたものなので自然の学であると。自然の本質、自然の真理。本源を表現。絵画芸術は自然の学。美を目指そうとしたのではない。結果として美ではあるが。芸術と学問は同じ。同じ世界の本質に迫ろうとする。物的な間接的な材料を用いて。物質を用いて世界の本質に迫る。言葉の論理によって真実に迫るのが学問。世界の本質は芸術も学問も目指すもの。言葉そのものにおいても然り。芸術と学問は一体。現実世界の芸術作品の在り方においても。18世紀までの古典芸術においては誰しも認める。19世紀になって、芸術は自己表現を目指すとした。近代史観主義。一部の人々は。実際の芸術家はそうではなかった。ワーグナー。自己表現では全く無かった。ゲルマン的な世界の本質を。森の世界の重厚な世界を。リングの世界。北方世界の本質。人間の生き様の本質に迫る。芸術は世界の本質を目指す。18世紀までは誰しもそう考えていた。
圧縮された空き缶の芸術。何処がいいのか?キレイでもなく心地よくもなく汚れたもの、良い感情を与えない。アルものが美しいかどうかは、快の感情を持つものか?現代芸術によっては違う美学による。現代社会が実に多くの廃棄物を大量に産み出す社会であることを考えさせる。それが現代社会の本質であると、再発見させる。現代社会の残念な側面。汚らしいパッケージ。古典的な意味においても芸術作品。世界の本質を表現しているから。本質の再発見という機能をその作品は果たす。汚らしいポスターが所構わず乱雑に貼られる。スターリン時代の非常に抑圧された息苦しい社会で生きている。それを表立って表現するわけにはいかないが、むしろ汚いものを。かつてのあのスターリン時代のソビエト連邦の解放への人生のイチコマ。自由を希求する経験。抑圧された社会から出たいという記憶の積み重なり。世界の本質を理解する。ドイツの国会議事堂が持つ第三ドイツ帝国、冷戦のせめぎあい、鉄条網とベルリンの壁がある。そんなベルリンの対立の歴史。それを布で覆う。現代史の凄まじさを表現する。ドイツ現代史を再発見させ感じ取ってもらう。それに成功している。人工的な畜産業を表現。
およそ芸術の根本的レベルに置いては、古典芸術も現代芸術も同じ。芸術は学問であり、世界の本質を表現する。言葉そのものを考察するのとパラレル。言葉は如何に重要か。切り離されない。

 

美学・芸術学研究 (放送大学大学院教材)

美学・芸術学研究 (放送大学大学院教材)