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建築(美学・芸術学研究第9回)

梅田スカイビルや京都駅ビルには頻繁に行くので、建物の本質をじっくり味わってみたいと思う。

 

そもそも建築は芸術か?ヨーロッパでは自明。建築は他の芸術と異なる性格。物理的に人が生きていけない。あくまで精神生活において。雨露を凌ぐことが出来ないという意味で。物理的においての有用性。役に立つ。芸術性と有用性の問題。芸術は芸術そのものの為にある?芸術の為の芸術。近代主観主義の考え。単に200年の歴史しかない。長期に亘ってとは違う。有用性があるからそれは芸術でないということは全く無い。芸術が役に立つのは当たり前。当然に含まれている。古代ギリシア以来。物理的な有用性。しかし建築はそれだけではない。有用性を排除しない。ヨーロッパ世界においてウィトルーウィウスが最も著名。ローマ。美の原理は建物の概観が優雅であり。強さも必要。美についての。神殿の構成は。比例。部分と全体にシンメトリア。各部分が正確に割り当てられる。自然が人間の身体を。建築を人間の身体に関係づけている。比例の根本を人体の比例に求めた。ルネサンス時代にも強く支持。ミクロコスモスとしての人間。マクロコスモスと照合。建築が宇宙に照合している。比例という構造関係において、照合しあっている。人間の本質を、宇宙の本質をミーミーシスしている。古代世界最大の理論家。ルネサンス。アルベルティ。建物は自然を模倣すべし。身体の中での。自然をミーミーシスしなければならない。建築は内なる均整のミーミーシスである。強さと有用性と美をもたらす。
中世においては?20世紀を代表するパノフスキー。ゴシック建築とスコラ哲学は同じもの。元々はミシュレなども語っている。石と化したスコラ哲学。ベルリンのオペラハウス。ロマネスクとゴシックは?プラトンとアリストテレスの関係とパラレル。プラトン主義とアリストテレス主義。建築もその文脈で語られる。世界の本質に関わる。教会建築。哲学もゴシック建築も。
18世紀の建築。ドイツバイエルン州にある巡礼教会。喜びの教会。キリスト教世界にあっては最後の審判。愛の神がある。生きている現世に幸福を。現世主義。この場において現実化を。愛によって幸福を成就。愛による幸福。極一部の人間についてだったが。現世において幸福を追究する。当時の世界観、世界の本質をミーミーシスする。教会は誰でも入れる。お金の無い貧しい人も幸福感を味わうことが出来る。古典建築は各時代の本質を表現しミーミーシスしている。
現代における建築の原理は?モダニズムの建築。世界に広まる。原広司。均質空間論。20世紀後半になって高層建築の構造体は、立体格子。室内は様々な要素を人工的に調節。殆ど同質の環境。恒常的な気候。室内を区切ることで領域形成出来る。極めて合理的。均等性。場所性がない。自然の持つ性質を排除。外界から切断されている。場所性を消す。均質空間。近代社会の要請。デカルト哲学に相応しい。自然を物としてのみみる。近代の人間中心主義。近代主観主義的な。建築空間は近代モダニズム。強く対抗する原理が。ポストモダニズム。乗り越えるべきものを持つ。相手の本質を充分に理性的に捉えている。ポストモダンの本質は?均質空間の建築に対抗する。ポストモダン宣言。激しくモダニズムに対抗。ヴェンチューリ。建築は複合的に矛盾がある。矛盾をも受け入れる。活力を。余分で有り余った要素を好む。両義的な要素を。意味の豊かさの側に立つ。建築における複合性と矛盾。徹底的に近代主義を批判。ポストモダニズム建築。意味の豊かさを含む。曖昧で具体的なものを重視。人間的な。固有性を尊重。ポストモダン建築。具体的歴史的な人間性。均質空間の対極に。非均質空間、固有空間と名付ける。空間原理。固有空間原理に基づくポストモダン建築。日本においても。磯崎新。原広司。梅田スカイビルや京都駅ビル。日本におけるポストモダン建築で最も特徴的な。象設計集団の名護市庁舎。建築は76年に発足した建設委員会で企画が。全国公開で設計競技が308件。最終的に1位になったのが象設計集団。募集要項。沖縄の自然条件を考え、沖縄を表現しうる構想力。自らの文化を。地域が中央に対決。自立。地域に生きる市民。地域の人々は自らを主張する為の。沖縄の風土を。外に向かって表明しうるように。象設計集団。朝餉。極めて伝統的な地域文化。市庁舎に取り入れて地域の自立と自治を支える。固有空間を取り入れながら復古的にではなくて民主主義的に。天井部分や屋上。外から誰でも自由に入れる。名護市民のもの。基本的にのっぺりした壁ではない。コンクリートの塊ではない。エコロジー的建築。気候風土に対応。亜熱帯にある建築にも関わらず。風の道。巨大な通風孔。冷房を使用せずに暮らせる。朝餉テラス。固有文化を活かしながら現代的に。エコロジーを重視。ポストモダン建築。伝統や地域性や固有性を。市役所としての機能を。モダニズムの巨大な長方体のようなものではない。均一空間は温室になってしまうが、それを乗り越えることに成功している。モダニズム建築空間を乗り越える。エネルギー大量消費型を。単なる拒否ではなく。ポストモダンの思想。リージョナリズム建築。グローバリゼーションに対抗。地域のアイデンティティに目を向ける。世界中にたくさんあるが。ニューカレドニアにある文化センター。人々の建築様式を取り入れ、超現代的な。その後は名護市庁舎はエアコンを使うようになった。サミット。00年7月に名護市で。世界中から来てパソコンが増える。コンピュータ関係が増して使わざるを得なくなった。日本におけるエアコンの普及率。70年代は日本全体で40%に達していなかった。00年には一般家庭の85%を超える。市庁舎に行っても耐えられない。時代の要請、設計が間違っていた訳ではない。建築は世界の本質を表現する。ポストモダンも。各々の時代の固有性を。古典も現代も。時代の本質のミーミーシス。

 

美学・芸術学研究 (放送大学大学院教材)

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