F-nameのブログ

はてなダイアリーから移行し、更に独自ドメイン化しました。

土居健郎:『「甘え」の構造』/『続「甘え」の構造』(発達科学の先人たち第14回)

著作を読まなければと感じる。簡単に手に入るだろうか。

 

71年に「甘えの構造」。土居健郎。二宮知子。人物像。大変厳しい先生。土井ゼミ。参加者は院生だけでなく多くの方が参加。コメントは厳しいが的確。いつも意外性を。まずは自分に厳しさが向けられていた。臨床で厳しく考える。日本人論。今の若い人は実際に読んだことがある人は少ない?甘えを構造として捉える。第二次世界大戦後は黎明期に甘え理論を。臨床理論は甘え理論と。甘えの構造と、続甘えの構造。
第二次世界大戦後は黎明期に。精神分析はフロイトにより創始。フロイトの精神分析。深層心理の研究法でもある。社会文化などの広く理解を。精神分析研究会が日本にも。日本精神分析学会。55年に創設。アメリカからの文化学問の流入が盛んな時期。ドイツ精神医学に力動的な視点が。50年。国立精神・神経医療研究センターの元が。精神保健研究所。心理判定員などの専門職が携わるように。心理学ではロジャースのclient中心療法が。ユング派。分析心理学の普及。認知行動療法はさほどではなかった。82年に日本心理臨床学会が。土井先生の略歴。20年3月長男として東京に出生。プロテスタントの洗礼を。39年に東京帝京大学医学部に。カトリックに改宗。軍医として招集。米国陸軍の図書館に。聖路加国際病院から東大病院に。ガリオア資金を得てアメリカに留学。56年に聖路加国際病院精神科に復帰。71年東京大学の教授に。70年前後は大学紛争が。09年に逝去。戦後の大変な時期に日本とアメリカを行き来。
甘えの構造を中心に。一般書。幅広い事象を。73年には英訳されフランス語ドイツ語韓国語中国語にも。刊行30年を契機に続甘えの構造を。先に読んだほうが良い?より丁寧に書かれている。土居健郎全集。甘えを冠した、甘えと社会科学、表と裏などの著作が。甘えの構造は5章から。注釈や加筆が。甘えの着想。50年代のアメリカでのカルチャーショック。日本人の特色を抽出。甘え概念として。カルチャーショックがどのようなものであったか。多くの人が体験するが、なぜ甘えの問題に突き当たったか?精神分析を学んだことと関係。精神は言葉と関係が。日本語で心の状態を描かないのは問題。日本人たる所以を。日本語で理解しものを考えるように。特異的なものがあるとするなら、日本語の得意性と関連が。日本の臨床。甘えは日本語独特の語彙。恐怖症に悩む混血の患者。母親から生い立ちを。日本語が達者なイギリス人。基本的に英語だが、甘えに関することだけ日本語で。何故?これは英語では言えない。甘え概念を用いた一連の研究発表に。
甘えの世界、日本の世界が。甘えのイデオロギーなど。甘えの観点で解釈。甘えの心理を示すものとして、多数の言葉が甘えの真理を表現。拗ねる、僻む、捻くれる、恨む、甘えられない心理に関係。拗ねながら甘えている。ふてくされている、やけくそになる。僻む。不当な扱いを受けている、あてが外れたと。相手に含むところがあるから。甘えないように見えて心の中では甘え。恨む、相手に敵意を、密接に甘えの心理に。頼む、取り入る、拘るなどの言葉。ある種の対人関係を記述。甘えとの関連を。罪と恥などの根源的な心理にも。言語と心理の関係の考察。言語的起源。甘えの心理的原型。母子関係における乳児の心理。生まれたての心理。甘えているとは言わない。1歳半後くらいに初めて甘えと。乳児の精神がある程度発達して母が別の存在と自覚してから。甘えは人間の健康な精神生活に必要なもの。
甘えの病理。異常心理などの様々な心理現象を描く。対人恐怖、気が済まない、自分がない、など。精神病理を学ぶ人には興味深い。対人恐怖や自分がない。対人恐怖。森田により神経質と名付けられた疾病。対人関係の恐怖。およそ神経質と呼ばれている人は大抵対人関係の問題を。人見知りという言葉の用法。時には成人についても。乳児は母親と他の人の区別をする。人見知りがプラスの意味で、精神発達の指標。人見知りが強くて。マイナスの意味。対人恐怖症。病的な程度に発達。最初の人見知りは母親と他の人を区別。必要な人と自覚。乳児が母親に甘え始める。結局はオモテウラの関係。囚われの精神力学。共通因子として抽出。本質的問題は内心の甘えたい心が満足されないから。続甘えの構造。屈折した甘えの項など。甘えの種類。相手との相互信頼。一方的な関係で。しばしば自覚して悩む。2つの甘えの根は1つ。甘えられないからこそ屈折する。本当は素直な甘えを求めている。母子関係で相互信頼があれば甘えられるし、卒業して新たな関係が。みんな甘えたい。本当の甘えは本人が自覚しない。自覚すると素直に甘えられない。甘えという言葉が、甘えるな、と使われることも多い。negativeな色彩で表現される。土井先生は違う評価。甘えとは信頼関係。基本的な愛情と結びつく。最初の信頼というベース。甘えの概念は様々な使われ方を。甘えと発達。専門用語しての「甘え」。定義の曖昧さで批判が。日常用語は多義的。日本語臨床。甘え概念は連続したスペクトラム。対象関係論。自分の甘え。囚われとは違うが、自分の意識に主要な役割を。自分を意識し、これまでは自分がなかったと、治療の一転機。甘えたい心の解放。満足できないと悟った時に。発達的な視点。個人と集団との関係。個人が従属する場合。
甘えを根源から、細かく。70年代前後の学生運動。甘えの問題に関連。広い領域に渡って。社会を論じるのは手に負えない?臨床と面接で日本語を非常に大切に。日本語による精神分析、精神医学を。下手に専門用語を使うと意味を問われる。常に問われたのは、自分の言葉で事象を語ること。専門用語に逃げるのも甘え。自分の言葉で語る。事象をよく理解している。勉強したら専門用語を使いがちだが。甘えの構造は臨床実践から。人間関係を通して病理を解き明かし仮説の立証を。クライエントの理解を、方法としての面接。人間理解の方法を探求。甘えという日本的概念を西洋の概念と比較して普遍的な言葉を。クライエントの奥を。精神分析家として一貫した姿勢を。信仰と甘え。基本姿勢の一貫性。

 

発達科学の先人たち (放送大学教材)

発達科学の先人たち (放送大学教材)