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日本における心理臨床に関する資格の歴史と現状(心理臨床における法と倫理第14回)

法学部出身だが異様にややこしくなっているというのが感想。行政が絡むとどうしてもそうなってしまうのか。

 

津川律子。日本における心理臨床に関する資格の歴史と現状。臨床心理の資格。公認心理師法も。
心理臨床において資格が必要な理由。自分はどんな職業に?自分は何者?人間科学の根本的な問が。そもそも人類から精神的に苦悩する人間になったのは何時の日から?自分自身への問い。人間化について。心理臨床の起源に。人がなにかに悩み困る時に身近な人に相談。友達親友恋人家族など。身近な相手だけではなく専門家に。法律の専門家に相談するなど。来談者、クライエントの側に立てば、専門家に相談する時に信頼できる人をどう探すか。人により違いは大きい。相談した心理支援者が自分の悩みを解決できるか問題。専門知識を有する人間かどうかは公開された情報がなければ雲を掴むような。資格という問題が浮上。資格はある一定の専門知識を持ち一定の経験で一定の試験に合格した者に。資格は生活者のために考えられるもの。世界各国で地域に合わせた心理臨床の資格が。国家資格は日本国の法律に基づく国家試験に受かれば一定の行為が出来るとされるもの。
日本における心理臨床に関する資格の歴史。日本応用心理学会。46年の戦後復興第1回大会の時点で4つの部会が。臨床心理部会。かねて指導教諭の権議案を提出し採択されている。最初の公式活動。カウンセラーは指導教諭のように。当時既に心理職が存在していた。その後63年に準備協議会が3つの学会を始め17団体が参加し発足。66年に出された心理技術者資格認定機関の最終報告。臨床心理士とは児童福祉の領域などで学識などを持ちその資格を認められたものと。領域横断的な。心理技術者心理技術士などいろいろな候補が。幻に終わる。精神医学の診断行為などへの疑問が出て葬り去られる。日本心理学会は71年の大会で若手運営に。異を唱える会員が大量脱退。約10年間は冬の時代に。それを経て第1回の心理臨床家の集いが。82年に日本心理臨床学会が設立。第1回が九州大学で。発足当時から国家資格制度の実現は最重要テーマに。85年には特別委員会が。86年の第2回常任理事会で資格制度の確立に向けての作業は諸般の事情から難しいと確認され布石としての資格認定協会が承認される。88年に臨床心理士の第1号が。89年には職能団体が。臨床心理士を養成する大学が増え。2万人以上の有資格者が。日本を代表する資格だがあくまで民間資格。国家資格への課題。医療保健領域や教育領域、大学関係など幅広い。省庁だけでも法務省文部科学省などと関係。主務官庁が一つに収まらない。医療領域と教育領域に多い。厚生労働省と文部科学省の関与なしにできづらい。医療関連職種。保健師助産師看護師、診療補助職。医療類似行為を業とする資格。薬剤師。言語聴覚士など。医療関連職種。背景には医行為などの概念が影響。医療法制上の議論は平成に入ってから。01年の厚生科学研究事業に至るまで6つのプロジェクトが。心理技術者の国家資格は必要との結論を。05年7月に臨床心理士と医療心理士を。骨格となる法案が。2資格1法案が。共に同じ臨床心理士でありながら後者は医療領域に限定。この法案は関係団体の調整不足により失敗。福祉分野。社会福祉士と介護福祉士が誕生。精神保健福祉士が誕生。言語聴覚士も誕生。戦後長きに渡り医療チームの一員として働いてきた臨床心理士だけが国家資格にならず。99年に精神保健福祉士法の改正時に付帯決議。第145回国会。チーム医療の一層の推進を図るため人材の育成に。現在検討中の国家資格制度の創設について速やかに結論を。しかし国家資格化はせず。3つの団体が、3団体により09年から正式に会談が。1資格1法案に向けて。心理学ワールドと近隣分野の接近が。
心理職の国家資格と関係する医療上の概念。医療における重要概念。手術が医師のみであるのは自明になっている。48年に制定された医師法で、医業をなしてはならないと。しかし医療とはどの範囲?医師法第17条。医行為。一般に当該行為を行うに当たり知識や技術が無ければ危害を及ぼす恐れがある行為。逐条解説はきちんと引用されることは少ない。医業を医師に独占させ一般人の禁止を。人の疾患を診察治療予防。公衆特定多数人に反復継続して行為を行う。内容は医学の進歩で変化するので定義は困難。大まかな定義。医行為とは医師の医学的判断や技術をもってしなければ危害を及ぼす恐れがある。反復継続して行う。具体的な事例については一般的社会通念で。反復継続して医行為を。何らかの反対給付を受けるかどうかも関係がない。何かの代わりに給付。反復継続する意思があれば医業に該当する。医師の業務は独占業務。医師以外は医師という名称独占と業務独占の双方を意味。現実の医療は医師だけでは困難で看護師という中心職種が。看護師とは療養上の世話や診療の補助を業とする。療養上の世話は看護師の業務の根幹を成す。看護師の主体性のもとに。診療の補助は保健師助産師看護師准看護師は医師の指示がある場合のほか医薬品に指示をするなどはしてはならない。助産師の業務に当然に付随する行為はこの限りではない。医師の業務は独占業務。対応して医師歯科医師が行うのでなければ医行為をしてはならないが。指示があった場合は医行為を行うことが出来る。診療の補助業務に限られるが、看護師にも許容。医師の指示があれば行える。診療の補助とは元々看護師の独占業務。戦後は医療の進歩と拡大で身分が国により保障される。すべての補助職を医師の補助職として。理学療法士。作業療法士。診療の補助として理学療法や作業療法を行うことを業とする。理学療法士は診療の補助全般が出来るわけではなく理学療法の領域に限定される。多くの職種が国家資格化。言語聴覚士法は従来とは異なる。2条で。免許を受けて音声機能や言語機能の維持や向上を図るために訓練などを業とする。医師の指示が書かれていない。42条で保健師助産師看護師法に関わらず医師または歯科医師の指示で。業務の一部に関して。
公認心理師法。12年心理職の国家資格化を目指す議員連盟が。公認心理師法法案骨子について説明。衆議院解散で廃案に。3団体を中心に再提出の要望が。議員立法により成立する。数えて60年強を経て。公認心理師法の特色。領域横断的資格。2条。登録を受け名称を用いて医療や教育その他の分野で。医療領域だけであるということではなく領域を限定しないで。文部科学省と厚生労働省の共管。業務。心理状態を分析。心理に関する支援を要する者に助言指導その他の援助を。心理に関する者の関係者の相談などを。心の健康に関する知識の普及を図るための教育など。幅広い業務。大学院修士課程修了が資格に。日本における対人援助職に画期的。名称独占。名称の使用制限。公認心理師でないものは使用してはならない。補助3法を開くことなく。心理学的な専門知識や技術を。いわゆる医事法制上の資格ではない。医師の指示が入る。公認心理師は担当する者に対し密接な連携のもとで適切に提供されるよう関係者ととの連携を。公認心理師は業務を行うに際して種々の指示を受けなければならない。社会福祉士。保健医療サービスが適切に提供されるよう連携が必要。専門職が関係者等との連携をするのに異論はない。連携に加えて精神保健福祉士は精神障害者に種々の医師があるときは指導を。管理栄養士。種々の医師の指導を。公認心理師法では種々の医師があるときはその指示を。これ以外に診療補助職ではないのに見当たらない。法律上新しい概念。

 

 

 

 

 

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シナリオで学ぶ医療現場の臨床心理検査

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保健医療分野 (公認心理師分野別テキスト1)

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