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場超越芸術 -文学-(美学・芸術学研究第7回)

さすが近代を批判する青山師は、著作権まで全否定の主張をされる。ちなみに私のゼミの後輩は著作権法が専門。師を見習って著作権不要論でも叫ぼうか(笑)

 

音楽藝術と場。造り手と受け手を一同に。文学芸術。場超越芸術。作品世界。現実的に何処にでも設定できる。ダンテが14世紀に「神曲」の作詞を。根本的性格。ミーメーシスという根本原理。古代人の模倣。古代人が取り上げた作品の模倣。優れた作品をミーメーシスする。アリストテレスの詩学。イタリア人の詩学についての研究所に基づいて。15世紀の終わりから、中世時代の暗黒期から脱したイタリアの詩学のラテン語版が。様々に刊行。スカリジェルのアリストテレス研究。アリストテレスの詩学の研究。フランス古典主義美学。スカリジェル。何故模倣するのか、古代人の作品を模倣するのか。芸術は自然の模倣。あるモデルから特徴を。第2の自然たる。第1の自然が持っている不完全性や混乱を免れている。極めて実践的なアドバイス。素朴な論理。あくまでも根本は自然模倣理論。すでに古代の人々は既に作業をしてくれている。第2の自然たる芸術作品を模倣しさえすれば良い。美しい自然の模倣をしたのと同じ。結果の産物を。かなり学術性を持っている。画家は芸術作品を下敷きにするのは稀ではない。剽窃ではない。つまらないことをする人も居るが。もしも芸術家が優れているなら、優れた作品を下敷きにして素晴らしいものを作りうる。引用、現代的なトピックだが、ミーメーシス。現代だけではなく古くから。スカリジェル。自分の作品を。下敷きにする側が素晴らしければ問題はない。何も恥ずかしいことではない。過去の芸術作品をミーメーシスすることは後ろめたいことではない。ベルギネウス。優れた大芸術家。ダンテ。20世紀のクルティウスの研究。「神曲」のどの要素が。神曲全体が証している。ダンテという文学者が意図的に徹底的に引用しミーメーシスする。遺伝。ゾラ。人間を動植物と同じものとして、自然史博物を描く。第2定性の20年間。芸術家が正確にミーメーシスする。何をするにも遺伝が原因となる?自然科学的な原因を重視する?自然主義的文学。自由がなく暗さを帯びている?決定論的な話?ゾラの自然主義。古典ギリシア的な。機械論的決定主義ではない。自然への回帰。文学による自然主義。自然と人間への回帰。両者ともに厳密な分析を。人間を存在において知ること。芸術と学問は同じものを追及。存在の根源に近付こうとする。19世の中にあって世界の本質に迫ろうとした。ボヴァリー夫人。自然主義文学。小説家が英雄を殺すことになる?自然主義の小説家。自分が完全に消え入るように。芸術とは現実の再現、ミーメーシス。小説家が登場人物を、現に生きて悩んでいる実在の人物をミーメーシスする。ゾラ自身の自己表現では全く無い、自己を消し去ることこそが芸術作品の在り方。一個人の気まぐれでなく、物事の永遠の基盤から、自然を基礎として選ばなければならない。アリストテレスを名指しして従おうとする。自然主義は古典的美学の立場で。真実に立脚していなければならない。自己表現的なものでは全く無い。ロマン主義的なものではない。真実に立脚する。ゾラは従来、日本の文学に於いて自然主義は暗い決定論的なものと言われていた。遺伝を重視するから機械論?解釈の半分くらいは間違い。アリストテレスに立脚して古典主義的なミーメーシスを理解して自然主義理論を。正統的なまっとうなオードソックスなミメーシスの美学。20世紀や21世紀は?ミラン・クンデラ。激動時代に。「存在の耐えられない軽さ」。小説家。内的独白。形として自己表現だが、一行も書かない、徹底して反ロマン主義的、反自己告白的な。「運命論者ジャックとその詩人」。ディドロの文明論。近代は人間個人自我を万物の基礎とした。芸術作品は個人の独創的な表現となる。芸術作品が個人の単一性の発言であるなら。フランス革命に伴い文学的所有権を。クンデラが語る近代という思想。クンデラの思想。モラヴィアの民衆音楽。歌はどのように生まれたか。ムラの詩人や作曲家。一度世の中に放たれると、他の人が歌うと変化させてしまう。変化に対して自分のものを保護できる可能性はなかった。芸術的所有権のない楽園。著作権という近代の権利が駄目だ。近代は駄目だ。芸術的所有権がない一種の楽園。作者という近代のもの。数世紀の間に出現したものに過ぎず、権利は短い瞬間でしか無い。作者としてのクンデラ。近代の大人物はせいぜい数世紀の間でしかない。所有権も然り。近代についての鋭い考察。実作者の発言。かつてチェコを支配していた共産主義に盲従していた訳ではない。軍事介入で発禁処分にされてしまう。全部の作品が。体制側から見た個人主義により弾圧された人間が、芸術を抜本的に批判している。スターリン主義、抑圧の強い、収容所世界。ソビエト連邦による軍事介入。個人主義を拠り所にして抵抗したのでは無かった。個性、主観を持ち上げているのではなく全く逆。集団主義に強く抑圧されている人間が、近代主観主義に抗している。集団主義に抵抗するのに個人主義を大事にする、というふうに考える人は、考えが浅い。集団主義の抵抗に個人主義を持ってきてしまう。個人とか主観とか個性によらない立場で。近代の個人主義。著作権。印税収入で生きている作家であるにも拘わらず。近代的な権利であってそれがない時代でも偉大な文学作品はあった。著作権が無いと作家を保護できないのは近代人の浅はかな思い込む。著作権は近代の自己表現の立場に立つところのもの。19世紀以降。著作権の前段階と言うか萌芽は?18世紀までは無かった。19世紀になって著作権は法的になる。近代人の思い込み。著作権がない時代に、かくも素晴らしい芸術作品が出来て、誰も困らなかった。著作権がない時代の作品こそが素晴らしいもの。そもそも時間的に長い。ベルギネウス。ダンテ。ゾラ。クンデラ。文学においても世界の実相や本質を表現。個人の内面を表現するのではない。世界の本質を表現。実に多彩。様々な多様な本質を表現。自己表現では捉えることが出来ない、奥深い根源的なものを捉えるのが芸術作品。言葉を駆使して。文学者たちが目指すもの、成し遂げてきたもの。素晴らしい読み応えのあるもの、世界の本質を表現しているから。

 

美学・芸術学研究 (放送大学大学院教材)

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