F-nameのブログ

はてなダイアリーから移行し、更に独自ドメイン化しました。

社会によりもたらされる健康と病気(健康と社会第3回)

自分の持病を自分で熟知しておくことが必要なのかもしれない。薬の服用はブラックボックスになりがちだけど。

 

健康や病気は社会構造によりもたらされる側面もある。
社会構造によりもたらされる健康と病気。健康を維持する為には個人の努力が極めて重要。疾病自己責任論。今日でも充分に通用する。しかし社会的環境の在り方で変わってくるという考え方もある。社会的環境も。どんなに個人で頑張ったとしても、行政などの社会的要因も健康や病気を規定する。医学は生存期間を長くすること、予後を改善することには役立つが。80年代までには社会構造の影響のモデルが。社会的決定要因をより広く。健康の社会的決定要因。政策的な提言。個々人の健康への努力は重要だが、それが果たせるような環境を整えるのも重要。方向性を示唆するのがヘルス・プロモーションという考え方。WHOが86年のオタワの会議。オタワ憲章。ヘルス・プロモーションについて。人々が自らの健康をコントロールする。身体的精神的社会的な良い状態に到達する為には向上心が必要。環境を変えることも。健康は1つの資源。社会的個人的な資源。健康的なライフスタイルからよりよい状態へ。健康への力を付与する。健康への支援。支援的環境づくりや政策的アプローチを。個人が健康に直接コントロール出来る部分は小さいのが前提。ライフスタイルプログラムは誤った考えを植え付ける。個々の努力をしやすくするような支援的環境を。健康への力。能力。様々な行動を必要に応じて賢く選択できる。本人の内発性が重要視。健康への力能力。それを発揮できるような社会に働きかける必要も。市民が当事者として。支援的な社会を。ヘルシーシティ運動。都市が多様なリソースの活用が出来る場所として。1000を超える都市が参加している。
健康維持が出来なかった人に対しては?責めることは少なくないが。社会構造の影響を受けて出来ない状態にあった人が、周囲から責められる。有益性が低い。警戒すべき。健康に影響する要因。個人とその周辺環境。個人差に加えて生活環境も。それに加え社会階層の影響も大きい。国とその周辺環境の問題。国の政策制度で大きな可能性が。
社会によりもたらされる健康と病気。国としての政策。薬害HIV問題を例に。国や行政や制度が絡み合う。HIVはヒト免疫不全ウイルス。日本では20世紀後半に数多くの薬害が。サリドマイド。ソリブジンなど。薬害と副作用とはどこが異なるか。薬害。本質として薬の有害性が無視されてもたらされるもの。人災。副作用。薬の健康被害の内、ゼロではないが受任せざるを得ない範囲内。HIV感染も本来ならば避けられることだった。日本で起こった薬害HIV感染問題。非加熱の血液製剤。血友病の治療に用いられたものは原料をアメリカで調達。一人でも混入すると問題だが、リスクは少ないとして販売し続けた。医師たちも告知をしないというスタンスを取った。二次感染や三次感染の被害も。血友病の患者を中心として1000人以上に。83年当時、アメリカではHIV感染の問題性が広く認識されていた。加熱の血液製剤も承認されていた。行政なども輸入禁止などの措置を取らなかった。国の施策や社会要因が問われた。プライバシー配慮という観点から原告番号で、匿名裁判。96年に当時の厚生大臣が患者に謝罪し、責任を全面的に認め和解に。HIV感染症に関する政策を。構造的にもたらされた社会的問題。和解を受けて医療体制が整備される。健康悪化も健康回復も政策の影響を大きく受ける。市民が受け身の姿勢で居ることは許されなくなっている。自覚して活動と参加が。
薬害HIV感染事件。患者参加型医療を。経験と反省を踏まえて市民の実践は?第一次原告の副代表として。エイズ予防財団。裁判の過程で多くの市民が参加した。患者自身が感染の事実を社会に伝えられなかったことがあったが、マスコミや法律家を通して社会に広く流布された。多くの一般社会の人達が社会的な問題として捉えてくれて裁判を支えてくれた。今の現状を話しをすることで矛盾を知って頂く、社会正義感を。厚生省を取り巻く人間の鎖。恐怖感を。それほど長期化せずに和解になったのは一般市民の立ち上がりが大きかった。人々のうねり。和解をキッカケに医療や福祉の変化。新しい感染症の研究と治療、医療を作り上げる。裁判所の所見で恒久対策が。患者が医療の問題について、どういう治療が必要かということについて厚生省に協議を要望して実現する。国はやればできる。薬の迅速導入など。集中的に医療体制を。急速な進歩が。国のやる気の問題。和解を挟んで、和解前は医療体制が欧米から2,3年遅れていたが、恒久対策の協議が始まって、応急的な薬の輸入などで亡くなる人が減っていった。AIDS発症者は少なくなった。社会や制度の違いによっても健康は変わってくる。どうやったら知ることが出来る?和解が成立して14年以上経って風化している?当事者団体や原告団に連絡をとっていただければ講演や学習会に参加したり出来る。資料室やライブラリーがあって当時の資料などがある。遠慮なく問いかけをしていただけたら。ホームページも。TVであまりやらない?今は割と情報のnet化が進んでいる。国や社会制度の有り様。一市民としてはなかなか変えられないと感じている人も多いのでは?国の公聴会や審議会に無理やり入り込む。傍聴することが第一歩。何処が問題で、誰が発言しているか。関連するイベントに参加する。審議会委員だけでなく一般市民の意見を。パブリック・コメントに積極的に。自分で起こった問題では、行政などに自分の意見を主張するなど行動を。国や自治体より自身の積極的な行動が必要。機会は意外とたくさんある。イベントでも発言する機会はある。ある程度反映される実感も持てる。医療に対する参加が重要。医療の質を上げるためには、患者参加型のアプローチが。薬害エイズの背景は古い医療の体質。父権主義的に医療が行われてきた。なかなか自分の検査結果を教えてもらえなかった。そういった背景で多くの仲間を失った。医療は責任を取らない。最後はひとりひとりの患者が責任を。自分たちの治療は自分たちで決めていく、医療者任せではなく。医療の一端を、医療の責任を分担することが必要。患者参加型医療。自分たちも知識や情報を少しずつ集める。自分の治療は自分で。社会的環境支援。市民や患者の参加。
社会によりもたらされる健康と病気。

 

健康と社会 (放送大学教材)

健康と社会 (放送大学教材)