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日本伝統音楽の超知覚構造(音楽・情報・脳第7回)

西洋の楽器の方が心地よく聞こえてしまうのは、自分が西洋音楽に毒されてしまっているせいだろうか。

 

音楽を構成する音そのものの成熟。尺八と琵琶などの。人間の知覚では捉えられない。
日本伝統音楽。尺八。古代中国に起源を。独自の発達。ノーリード。普化尺八。普化宗。虚無僧。虚無僧尺八と。尺八奏者。作曲家でもある。特徴。手穴が非常に大きくなり数が減った。開けるか閉めるかしかなかったのが、微妙な音程を生み出せるように。微妙な音の高さの変化。唄口。太くなった。下に一音、上に半音変えられる。歌口への息で。組み合わせて様々な音色を。同じ音程でも様々な無限の音色が。可能にしたのが尺八の歴史の中で微妙な操作が自在に。楽器の構造が。綴。巧みな操作で多様で複雑な表現を。小島富子。一本の竹でどんな楽器でも実現できない音の宇宙が。対照的なのはフルート。19世紀半ばにドイツで正確な半音階を。フルートではトーンホールが増えていった。16個にも。15個の複雑なキーを。決まった音の高さと音色を安定して出す。最大エントロピーMEスペクトルアレー。尺八は高周波の。ミクロな時間のスペクトル構造。MEスペクトル。尺八の演奏音。ダイナミックな変化。複雑な揺らぎ。尺八は情報構造が大きく変わる。唄口の構造から。安定性に欠けた仕組みによって。不安定な仕組みを逆手に取る。フルート風。異なる奏法による。MEスペクトルアレー。フルートと区別できない。音色が尺八らしく、変化が大きい。虚無僧尺八の奏法。可聴域を超える複雑な揺らぎ構造。表現力の真髄。独自の奏法。更に音の複雑性が高まる。超高周波成分。波乱万丈の揺らぎ。1本の竹をもって衝撃を与える。ミクロな時間構造の揺らぎ。知覚限界を超える領域で。先端的な手法でようやく可視化出来る領域。数百年も前からの伝統知。
琵琶。起源は西アジア。よく似た楽器が分布。雅楽で使われる。2つの系統に。鎌倉時代に平家琵琶。薩摩琵琶。筑前琵琶が。独自の琵琶の文化。半田純子。種類は多い。薩摩琵琶と筑前琵琶。薩摩琵琶。上の方には弦の音の高さを。指で押さえることで音階を。弦。絹糸で。微妙な余韻が。鉢の使い方。奏法としてトレモロなど。蝶がヒラヒラと。柘植で出来ている。こすって。桑の木で。大変複雑な音の高さと音色の複雑さ。リュート。MEスペクトルアレー。薩摩琵琶では超高周波成分が。可聴域上限を超えるスペクトル。琵琶では著しい。超知覚構造を。砂張と呼ばれる楽器の構造。コマと弦とが触れ合う。
尺八や琵琶には超知覚情報が。4種類の楽器以外でも日本と西洋では同様の性格を持つ。楽譜に記せば単純だが、可聴域を超える分野で。音楽を感じるのは。ハイパーソニック・エフェクト。伝統の音楽は基幹脳を高度に。音を産み出す楽器の歴史的変遷。均一な音の為の複雑な機構を。互いに変換可能に。伝統楽器では構造を単純化して、柔軟性を確保。波乱万丈の変化を。西洋近代音楽の発想ではマイナスの要素だが。サウンドスペクトルの連続性を。演奏者の生命の揺らぎ。知覚を超える表現戦略。一音成仏。音の中に森羅万象を。
日本伝統楽器の表現戦略。武満徹。オーケストラと琵琶や尺八の為に。2つの楽器の組み合わせを。ノベンバー・ステップス。67年にニューヨークで初演。日本音楽の精髄を。数十人のオーケストラを圧倒。楽曲が佳境に入った部分の分析を。スペクトルの対比。複雑な楽譜。MEスペクトルアレー。五線譜に表すと単純極まりない。しかしオーケストラを凌ぐ複雑性を。整然とした幾何学性ではなく。脳の聴覚系や報酬系を活性化するのが音楽。非定常的な構造は楽譜で表せない。演奏者自身が選択する。尺八と琵琶の音。演奏される時にこそこの上なく自由。一音は極めて複雑、それだけで完結している。自然の音のように無に等しくなるものに。作曲家として関与出来ることは限定的。日本伝統音楽の特質。ノベンバー・ステップス第1番。第2、第3のものは作らなかった。記号操作という作曲。

 

音楽・情報・脳 (放送大学大学院教材)

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