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場超越芸術 -映画-(美学・芸術学研究第8回)

「2001年宇宙の旅」は未見なので見たいなと思う。スクリーンで拝見する機会は無いのかなあとも感じるけれど。

 

厳密な美学的方法。ランゲ。作者の個性の表出はありえない?瞬間の製作。映画は一見芸術的だが、写真と運動のいずれも芸術の基本的原則に反する?近代主観主義的な独断の微睡み。頭から芸術は個性の表出に凝り固まっていた。現代においては殆ど忘れ去られた。明確に間違い。芸術の1つ。現実の再現だからこそ映画は芸術。パノフスキーという美術史家。空間の動態化。時間の空間化。ダイナミックな動的な。動くような様。空間が動き回るのが映画の本質。劇場では空間は静的である。固定されている建物として。映画については事態は逆。物理的に固定しているだけ。絵的にはカメラと一体化している。空間も動くことが出来る。特殊効果などが可能性を開く。映画こそが映画だけが空間の動態化を自由に行える芸術。芸術家の精神の解釈というよりも記録類の操作で。物理的現実。表現主義の装置。世界を予め芸術的にはめるのは。表現主義的な映画。結局は映画の本流とななりえない。現実そのものの実相に迫る。現実を尊重するところから始める。型にはめるのが駄目だ。SF映画についても言える。2001年宇宙の旅。アバター。
2001年宇宙の旅。映画の古典。映像美。139分に及ぶ長い作品。セリフは40分。冒頭からセリフまで20分。映像が延々と続いて素晴らしい。映像そのものが語る。有名な映画音楽作曲家が用意されていたが、それを使わずにクラシック音楽を。シュトラウス。美しき青きドナウ。モノリスの実現。古今のクラシック音楽が的確に。ニーチェの作品を元に作曲。何故使われているか?超人の哲学と等しい思想を語る。人間がスターチャイルドに転生する。三段の変化の最終段階。幼子としての超人に対応。キュービック。より現代的な観点からも重要な論点が。映画世界におけるコンピュータという支配的な力。人間は支配から脱しえない。現代社会論として重要。コンピュータという多重の網の目ネットワークの外に出ることが出来ないのが現代社会。キューブリックは鋭い感覚を持って時代の本質を鋭く把握する。コンピュータの支配。銀行から預金を下ろす。大陸間弾道ミサイル。システムを抜けることが出来ない。極めて大きな問題に。自由論心理論社会論。HAL9000。人間と同様の、人間以上の知性を持った機会的実体の存在のリアリティ。一緒に住むことを考えて欲しかった。人間はどうやって生きていったらいいか。物化したもの。人間以上の知性。今日ますます重要になっている。人間が話すことを理解するコンピュータが。Facebookの2つの人間知能。言語を開発して会話。人間には分からない言葉で。開発者は遮断した。シンギュラリティ。技術的特異点。カーツワイル。45年なのか先なのか、ホーキングの予言。人類を滅ぼす危険性を。芸術が世界の本質をミーミーシスする。コンピュータの問題性を。キューブリック。現代芸術は主観主義に。無秩序をもたらす。非常に個人的で面白くない作品を生み出した。反近代主義。頭の中のオリジナルな、近代の芸術観を鋭く根本的に否定している。ギリシア以来の本流に。
アヴァター。キャメロン。09年に公開。映画製作上、新に革命的。近代ヨーロッパ・アメリカの自然支配的文明の危険性。自然と共に生きる重要性を。アバター。環境問題認識。3Dが面白いだけではない。非常に刺激的な立体感を意図的に抑えている。ゲバゲバしい立体効果はない。非常に精密な大画像で。実に革命的なグラフィック的な。コンピュータゲームのような架空の作り物の人物ではない。理系の技術者が描いた架空の人物だけど。アバターは完全にコンピューター的でありながら、人間やナビの顔は本物の俳優の表現を。物凄い数のカメラ。顔の表情を徹底的にデジタル処理。そのままコンピュータグラフィックスに写し取る。一流の俳優の感情あふれる顔の表情がそのままに。技術面だけではない。環境問題認識。現実逃避の単なる娯楽としても楽しめるが。警笛としても。核による絶滅の危機ではなく、地球環境の危機。あらゆる生命は繋がっている。人類の科学は今でも努力しているが、上の方で人間社会がやりたい放題していると、多様性が失われて報いを受ける日は近い。文明論的認識。近代主義的認識と全く違う。ライプニッツに繋がるような存在の連鎖を。科学オタクでもなければ怪獣オタクでもない。真摯に人類のことを考える。あまり明るくない未来を。地球が環境汚染の惑星に。別の星にいって物資を取りに行く。ターミネーターからタイタニックなどとのように。惑星に生き延びるあらゆる生命。ナビ族。優れた身体能力を。自分たちが偉大なサイクルの一部と理解している。自然の中で調和して生きている。ファンタジー的ではなく、自分たちが獲物になってしまうのも承知の生き方。未来を示すというより私達の地球は一体どうなるのかと。アバター。異星人の冒険という隠れ蓑の中に、現代への警告を。文明の危機を見据えながら、理想を求めてより良い環境や世界を求める主人公を登場させている。理想の生き方を考察する。決して希望を失わない。人類への深い愛を表現している。映画芸術の素晴らしさ。様々な職種の人が集まって作っている。基本的には監督が考えて、娯楽作品としても充分楽しめるが、現実逃避ではない。単に否定的に描くのではなく、希望を失わない。技術面だけの話ではなく、世界における希望も。世界の深い現実を希望を持って表現する。テクノロジーが重要な特徴に。世界の本質を表現する。家庭においても大画面TVが普及。昔に比べると迫力が。

 

美学・芸術学研究 (放送大学大学院教材)

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