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成人期の発達:中年期危機とジェネラティビティ(発達心理学概論第12回)

私はまさに中年期なので、きちんと自分のこととして考えていかなければと感じる。

 

成人期のはじめと終わりは様々。30代から60代半ば。40代から50代を中年期とする。中年期危機。ジェネラティビティ。親になること、夫婦関係、職業を通しての発達。旧来の発達モデルは大人になるまで。成人期は心理的変化はあまりないと考えられていたが。
中年期危機。身の回りも思いがけない出来事が。自己の有限性の自覚。心身の不調。ユング。中年期を人生の正午とする。エリクソン。ライフ・サイクル論。高齢化の進展という社会変動。20世紀後半に老年学ジェロントロジー。老年期の研究が進む。その前の発達段階たる中年期と関連。60年代以降、実証研究が進む。レビンソン。多様な職業に付く中年男性に人生を振り返ってもらう。概ね同じ生活構造を。個人と周囲の環境の調整。どのような関係を持つかを。成人期には安定させる時期と見直し修正する時期が交互に訪れる。成人中期への移行期。生活行動の確立期など。年齢は目安だが、成人期が常に安定した状態ではなく、半分の期間は移行期。女性を対象としても同様だが、女性は仕事と家庭の間で葛藤状態を。階段モデルに対し、岡本優子は螺旋モデルを呈示。アイデンティティの危機は青年期のみならず中年期や定年退職期にも。自分を維持できないとする危機感が、振り返りと行動修正を。全ての人が再確立出来るわけではない。モラトリアムややり過ごす。予定アイデンティティ。揺らぎと立て直しは繰り返し経験される課題。その後の研究では心理的危機は必ずしも中年期に限定されないと。ライフイベントとして失業や親の介護など。経験時期は人による。同じ経験でも受け止め方は異なる。神経質な人は中年期危機を経験しやすい。空の巣症候群。達成感を得て期待感を抱く人も。周囲のサポートがあるかどうかも大きな影響に。心理的危機は中年期に訪れやすいがそれに限定されない。
親になること。70年ころまでは国民皆婚。その後は結婚しない人も。生涯未婚率は10年段階で男性2割女性1割。生殖器医療の発展。高齢出産が。晩婚化。生き方に選択肢が。親になる時期が遅くなったり親にならなかったり。先進国にある程度共通している。柏木惠子。親に柔軟さや自己抑制力などの人格的発達が生じる。一般に女性に顕著だが、育児に勤しむ男性にも。失うものも。とりわけ女性はキャリアの制限やアイデンティティの揺らぎも。子育ての過程では感情的になるなど思い通りにならない自分への対処を。自分育て。多くは不安などの否定的感情を。信頼が乏しく社会的に孤立する場合は特に。早期発見早期介入が必要。役割の適応。家族にもライフスタイルが。学校に上がると多少はゆとりも出来る。余暇を共に過ごすなどして個性化を。干渉を控えて依存感情も満たすように。思春期を支えて自立に導くのはエネルギーが。親の成長も。
夫婦関係。アメリカでは研究が進められていたが。日本では90年代半ばに。親子関係の重視、一般化しづらいという感覚。しばしば母親が取り上げられたが、男性含め家族が関係を。夫婦の生活にも変化が。子育て解放期。夫婦満足度。U字型仮説。子どもの発達、反抗期。巣立ちにより上昇。問題とされ下がるだけというのが主流に。60代夫婦。各時期の夫婦関係満足度。男性は直線的に低下。女性は子育て期に著しく低下。日本に限らずアメリカでも確認されている。親役割への以降は夫婦関係の葛藤を。結婚満足度は女性の方が国際的にも低い。要因の1つにサポートギャップ仮説が。一般に女性の方より男性の方が多くサポートを得ている。情緒的道具的サポート。衛生面や健康面にも気を使う。未婚か既婚か女性にはあまり影響がない。夫婦関係が悪いと、女性の方にダメージが。ヤマアラシのジレンマ。ショーペンハウアーの寓話からの概念。離れると寒くなる、繰り返して適切な関係に。恋人や夫婦になれば遠慮が無くなる一方で解決する問題は増える。葛藤も悪くはない。葛藤を避け続けていると不満だけが昂じる。妻の個人化。個人としての価値の実現に。仕事や趣味、社会活動。妻の個人化。夫婦関係がよくなく戦略的にも。長期的に回避行動は溝を深める。夫婦間の満足感を高める要因。会話の多さや自己開示、一緒の行動。安定した収入。夫の家事への関与も。
職業を通しての発達。成人期に最も時間を費やすのは、男性の場合に特に職業活動。職業維持と職業満足度。働く目的。お金や生きがい、社会の一員として。生きがいを見つけるというのは、50代から徐々に増加。働く意義の変化。満足度。50代の調査。就職した頃からの職業生活の浮き沈み。男性は40代で下降、その後は変化なし。働くことが自明と女性とでは期待される役割も異なる為?あくまで平均的傾向。職種や収入などで違いも。仕事を通して熟達化する。エキスパートになる。専門職でなくても業種に特有の知識や技術を。営業部門など配属される。実践的知能。IOに代表される学校的知能が職業生活を予測しない。実践的知能。タスク管理。業務を遂行するのに必要。他者管理。関係づくり。自己管理。強みや弱みを知り使いこなす。メタ認知能力。互いに関連性があり、複雑で高度な仕事を。暗黙知とも言われ、一人ひとりが体得する必要。経験から何を学ぶのかで変わる。主体的関与の重要性。ドナルトショーン。様々なプロフェショナルの仕事を。政策的実践化。常に修正したり調整したりしている。無意識的に。行為の中の省察。領域固有的な。必ずしも他の領域の熟達化を保障しない。10年以上が必要。時間の投資が必要。職業生活に限ってのことではない。趣味やボランディアなど。自己有用感を高める。
単独で成立せず相互に影響を。多重役割の問題。役割葛藤を抱えやすい中年女性が主だが、一貫した結果は示されていない。相反する結果の背景には幾つかの要因が。好んで引き受けるのといやいや引き受けるのも。負担感も関係。仕事量が多ければ育児にしわ寄せがあるなど。ワークライフバランスの問題。女性の多重役割。男性の多重役割はあまり検討されていない。介護への期待。稼ぎ手機能。定年まで勤め上げても邪魔者扱い。男性も若い内から複数の役割を担いワークライフバランスが取れるように。単身者や夫婦や1人親の発達の検討も。
ジェネラティビティとケア。エリクソン。必要とされることを必要とする。ジェネラティビティと停滞。世代と創造性を組み合わせた造語。次世代育成性、世代性。それぞれ意味が若干異なる。若い内は自分に関することに関心が集中しがち、しかし次世代への関心が。未来が在る。次世代へのサポートは未来に希望を託すこと。子育てや教育、職場での後進育成。生産的な活動に。子どもの貧困を助けるボランティアに、環境問題、作品作成。ジェネラティビティの高い人にはプロットが。差別されたおかげで強くなれた、など否定的なことに肯定的な位置づけを。次世代と関わる過程では停滞もしばしば経験する。子供の育ち、世代間葛藤。葛藤体験は人を成長させる。関連性も深まる。ケア、という力が。世話や配慮。ケアというのはより広範な関与。観念。idea、価値観の意味。自分にとって大切な価値観により広く関わる。夫婦関係や親との関係にも密接に。発達は世代間の関係を含んだもの。前世代との関わりはあまり言及されてこなかったが、今の日本では喫緊の課題。介護が必要になると大きな負担が。ダブルケアなどの問題。否定的な側面が。看取りが出来た時にケアの力が。社会的制度的支援も欠かせない。
成人期の発達も様々な課題を乗り越えることで共通。次世代や前世代との関わりで。

 

発達心理学概論 (放送大学教材)

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