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ライフ・サイクル論5:高齢期(臨床心理学特論第15回)

両性具有性は身につけた方が良いのかもしれないなあと感じる。

 

小野けい子。ライフサイクル論の高齢期。平均寿命が80歳以上に。元気に活躍する高齢者。テレビでも紹介。平成26年の平均寿命は男性で80歳以上。65歳以上が20%以上。生涯発達心理学。なかなか発想はなかった。初めて用いられた書籍。高齢者を対象とする研究成果が蓄積。有能さは一律には衰えない。生涯発達心理学として人の一生涯を研究。バルテス。諸機能は成長した後に老化する一方的なものではない。老年期に新たに獲得された機能が。言語能力。赤ちゃんの研究。音韻体系を。生後間もない赤ん坊はLとRを聞き分ける。母国語の音韻体系を習得する。獲得成長と老化は併存して進む。発達過程の進行。老年期は喪失だけではなく獲得の。今回は70年代からの。
エイジズム。年齢差別。多くは高齢者差別。バトラー。個人にとどまらず社会行政制度についても偏見に基づく差別。セクシズムなどと同様に年齢差別が。日本においても秋山博子。老人像を調査しステレオタイプが。老人は平凡で暇で受け身である、など否定的に。産業社会の価値観。速く正確に物事を処理。均一性に重点を。偏見と関係が?人種差別や性差別と同様に社会的マイノリティへの偏見と関連。日本における社会構造と価値観の変容による世代間の。コミュニケーション法の変化。世代間gapを深める。
高齢期の知性の特徴。低下する?色々な批判が。結晶性知能。キャペル。因子として一般知能因子を。流動性知能因子。新しい場面の適応の。結晶性知能。過去の学習による問題解決能力。経験の蓄積に伴い増大して低下しにくい。流動性知能と動作性知能。熟達化としての知恵。知恵を定義。重大かつ人生の根本に永久をする場面。意味と行為における熟達化。知恵を持つことで洞察や判断を。複雑で不確実な問題に助言を。実際には人生の岐路で計画したり回顧したり問題をマネジメントする時に。00年の論文。知恵とは卓越した知性と徳に向けて統合化。知恵には豊かな宣言的知識。手続き的知識。状況分析や情報探索などの知識。文脈理解。価値相対性の理解。不確実性の理解。人生の予測不可能性の把握。メタ基準が備わる。バルテスらは測定法を開発して知恵の実証研究でよく用いられ日本語版も。14歳の少女が妊娠した。解決法を。幾つかの基準から評定。断片的なものではなく知恵に迫る。
エキスパートという知性の仕組み。何らかの分野で。問題解決能力などを持つ人を熟達者と。プロの音楽家など。それぞれの分野で極めて高い水準を。長い時間をかけて。1つの文化で基礎から時間を要する。多くは中高年。熟達している分野においては複雑な問題を解決しうる。そば打ち。微妙な差異を。自分の熟達している分野で記憶力を。プロの棋士。島という知識の枠組みがあるから。多くの分野でピークが中高年で。たとえ高齢になっても優れた評価者で居ることが出来る。ピアノの演奏の評価。演奏経験が豊かな人ほど形容詞を用いた評価の表現も適切に。例えば新たな食材を使うなど創造的な活動を。画家には長寿者が多い。100歳前後まで。学問の分野。ユングなどは多くを70歳以降に。野上弥生子は99歳で亡くなった。51歳に「迷路」を。71歳で書き終える。文体の変化。鶴見俊輔。書き始めは英文翻訳調。終わりはゆったりとしたうねりを。老年文学の結実。創作意欲は衰えず。「秀吉と利休」。自伝小説を10年以上にかけて。見事な例。
高齢期の人格と適応。発達過程は喪失老化と獲得成長の加齢に伴う量質のダイナミズム。固有の領域については有能さを維持して発達。視力の低下や記憶力体力の低下に始まり様々な喪失を。如何に適応するか。幸福な老い。主観的幸福感。サクセスフル・エイジング。適応の戦略。望ましい高齢期と老後。どのような生活スタイルを。引退後も引退以前の活動水準を維持。活動理論が正しいと。アメリカ社会の価値観を反映。カミングとヘンリー。離脱理論。引退後は社会参加の水準が低くなるほど幸福感が高い。ニューガイデン。連続性理論。ユング。人の性格類型として外向性格と内向性格が。外向性格の人は社会参加を志向。自らの内的満足を。この意味で高齢期への適応の戦略はパーソナリティの関わりで。パーソナリティとの関係性が。高齢期の人も欲求に沿って環境を選択して。ハヴィガースト。中枢次元。人格を扱っていないことを批判。高齢期におけるサクセスフル・エイジングに結びつく人格特性。どのようなパーソナリティが幸福な老いと?ライチャード。引退後の87名の男性を。115のパーソナリティ特性をクラスタで。円熟型。自分及び自分の過去現在を受容し未来志向。統合された特性。ユーモアがあり成功を自覚し積極的に社会に参加。人間関係を保つ。適応的タイプ。ロッキングチェア型。他者に依存する消極的方法で現在を受容。安楽に過ごす。高齢期を歓迎していて良好な洞察を持ち野心はなく現実に満足。適応的タイプ。自己防衛型。強い防衛的態度で不安に対処。若い頃の活動水準を維持しようとする。老人である利点は認めようとしない。可能である限り適応的。老いを自覚すると。他罰型。自分の過去や老化の事実を受容しない。他者への非難で表現。建設的な適応能力に欠け洞察にも欠ける。神経症的な。自責型内罰型。自分の過去を失敗と見て自責的態度を。建設的ではない。ライチャード。適応的とする。仕方は異なる。離脱理論。活動理論による説明。高齢化への適応は一様ではなく人格特性に関連。
サクセスフル・エイジングと性役割。ベム。男性性役割特性と女性性役割特性。両性具有性。最も適応的である。両性具有性。男性役割女性役割について理論付ける。高齢期は職業生活や家庭での子供の養育という社会的役割から解放。チロット。活動的自律的な男性的。受身的養育的な女性的。両性性の老人は長生きしやすい。シノット。364人を調査。半数以上の高齢者が両性性タイプに。精神的に健康。サクセスフル・エイジングに寄与。100歳の長寿者を日本で調査。男性は両性性タイプが一番多い。女性は女性性が。自尊感情については両性性タイプが高い。女性性タイプは低い、日本の長寿者は両性性タイプの率が欧米に比べて低い。女性は両性性タイプが少なかった?変化に対応するには両性性タイプが1番適応的である。
高齢者を取り巻く社会的ネットワーク。高齢者の有能さ。支える対人的サポートがあって発揮できる。カンとアントリッチ。本人を中心に幾重にも社会的ネットワークが護送船団のように取り囲む。愛情ネットワーク。1番内側に3.5名。それから3.5名と2名。内側には親族、それから友達。女性の方が多様なネットワークを。年齢層の比較。60歳代と70歳代に含まれる人間の有意差は無かった。高齢期の生活の変化に対応して社会的ネットワークに入る人を修正しながら高齢期に適応。
喪失の受容と統合。高齢期への適応の重要な側面。まどみちお。104歳で亡くなった詩人。ぞうさんの作詞を。相方に認知症が。見方を変えると全く違った世界が。トンチンカン夫婦という詩。満91歳のボケ爺。競争でトンチンカンをやりあっている。米も入れていない炊飯器にスイッチを入れる。殺伐たる生活から変化。珍しいトンチンカンに胸を膨らませる。ライチャードの言う円熟タイプになるかも。

 

臨床心理学特論 (放送大学大学院教材)

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