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家族(心理カウンセリング序説第10回)

人間関係が未分離になっていることは、ある意味で現代の特徴になっているように思える。

 

香川克。困難を抱えている。家族が抱えている困難を話すことに。個人のライフ・サイクルに沿って。青年期と家族。自立する時期の。夫婦関係。親となって子育てをすること。
少し家族についての変遷。戦前は家制度が。家の中での個人の役割。家長が個人の生き方への影響力。戦後になると、両性の合意のみに。
お母さんと娘さん。かつて離婚。専門職としてのキャリア。全国を転々と。転校が重なり振り回される。お母さんはキャラが際立つ。オシャレではないがスーツを着ていてメリハリのある服装。パワーに娘がついていった感じ。小学校の終わりからのあたりで学校に行くのを渋る。1週間休んだり。中学生から長期的に休む。母も専門職に疲れて実家の近くに住む。落ち着く。中2になり全く学校に登校しない。スーツを着こなしシャープな。主張は明確。娘は服装に気を使わない。お母さん面接で娘の服装はと聞くと、自分が決めていると。娘の面接では徐々に変化が。その中で一緒に手芸をしたり絵を書いたり。表現が花開くように。面接の中での変化で服装も変わってきた。最初は白のTシャツだったのが、カウンセラーの服装を取り入れ自分の色を蓄え表現を。母の面接では最近の服装の決定は、一緒に服装を買う時に主張するように。面接との表現で。中学卒業後の進路。主張を語る。進路についての自己主張などと重なり自分の色を表現。多くの思春期の子供の。小さな自分の色を出すのがテーマになることが多く経験される。初めの一歩を踏み出すことは難しいことがある。70年代頃から90年代頃まで。親から出ていく。不登校の子供。自分らしさを出すスペースを確保して一緒に過ごすのが役割。親の色が濃すぎて自分の色を出しづらい子供に対し。
00年代に入った辺りから別の困難に。テーマは自立したら親が壊れるのではないかと葛藤を。学生相談の中での大学生のテーマ。主訴は就職活動が上手くいかないと落ち込む。大学4回生の女子学生。辛さや就職活動の具体的振舞も。しかし印象づけられたのは親との関係。大学から2時間位離れた自宅から通学。かなり長い時間。往復で4時間。下宿は?家を離れることはとても難しい。一人暮らしの問題というより、離れたら家はどうなるかが不安。家から離れるのが不安という迷いや葛藤。父と母の関係を取り持つのが問題。父親の側の暴力がある場合や夫婦関係が悪くなったり。母が孤独を気遣う場合。離れてしまうと下の兄弟への心遣い。結構通奏低音のように流れるテーマ。学生と話す時に大学での講義。スターティングブロック。短距離でスタートする時に足を後ろから支える力を生み出す。しっかりした固いものがあればスタート出来る。小さい頃は蹴っ飛ばる営みが出来る。強い何かが後ろに控える。最近の自立したら親が壊れるテーマ。豆腐のようなもので潰れてしまうのではと。後ろから蹴らないで痛いからと囁きかけている実感が?とてもうまいたとえ。スターティングブロックが追いかけてきたり。親と子供のテーマ。親の脆さを感じるテーマ。自立の時期のテーマが以前と比べ遅くなっている。不登校のテーマは減っている?大学生の問題に。かつては境界が存在していて。今は分離し難い特徴が。分離の難しさ。一昔であれば病理とされたのが普通になってきている。明瞭なエビデンスの必要はあるが。
境目がはっきりさせるのが難しい。人生の次のライフステージで男女関係というテーマ。案外難しくなっている。夫婦関係カウンセリングでなくても離婚やDVが増えている。青年期のテーマと連続性が。自他の境界線が明確で無くなる。配偶者の関係にも。離婚が増えている。両性の合意のみのはずだが、独立した自分という関係が抜けていて互いに依存する関係が。別れていない形での結びつき。夫婦というものが閉じたシステムとして。家制度の時代であれば大きな家に組み込まれた。分家でも本家との関係を。一部としての夫婦。核家族化の進展があってもほどよい距離で。同居がなくてもいつかは、という想定。外につながる関係が。最近は?愛情関係が存在していながら、境界がはっきりしない。別の個人になっていない。孤立した関係。情緒的な繋がりなので合理的修正が出来ない。自他が未分化で他者をコントロールしようとして、暴力や関係の破綻に。外から働きかけることが可能な。仲人。宗教的儀式で。現在は人前式に。宗教性も薄れる。現在は情緒的な。家庭の中に閉じ込められる。他者を他者として認識できない。周囲との関係がない。この2つが難しさの背景に。事例は挙げづらいが。
次世代を育てる難しさ。子育て。親からの自立の難しさ。他者との関係が曖昧に。距離感がつかめない。対人関係に影響が。子育てにおいても。親と子供の距離感がつかめない。第一子の乳児。夜泣きの問題。特別に深刻ではないが辛いもの。近所に迷惑?仕事をする父も。ふと頭をよぎる。スイッチを入れるみたいに。子供との境界。別のもののはずだが曖昧になってしまう。どうして分かってくれないの?スイッチを切れば黙る?自分の一部としてコントロール?延長線の。わけが分からなくなってしまう。子育てにはよくあることだが余裕がない。周囲との関係。赤ちゃんには不満があるわけではない、しかし子供の癇癪を母親への攻撃に。赤ちゃんに怒りがあり自分に。自分自身の怒りではなく。混乱してパニックに。子供への暴力に。虐待にはならないとしても養育機能が損なわれる。夜泣きもコントロールできないかと。自分と他者との関係が未分化で曖昧で。関係が危機的に。母親と子供が幸せそうに目を合わせてニコニコと漂う。時に子供はふと自分の世界に。突然入り込む。子供の発達過程で時々起こる。自分を置き去りにして別のところに。見捨てられ不安。そんなはずはないが。一体感に裂け目ができてきた時に混乱。母子関係のエピソード。母親が自立しているという実感を持って子育てするのは難しい。未熟だからという問題ではなく、心持ちさの不安定さは高まっている。援助の手を。
いずれも自立した個人としての。個人というものが独立しているというより連続していると。95年位からアニメや漫画のstoryに融合している状態が。個々人が感じていることがstoryに。一昔前であれば病理現象だったのが、今は市民権に。ずっと個人が自立することがカウンセリングの目的だったり人生のテーマに。ユングの個性化など。今は個人として立つのが怖くなっている。心理カウンセリングが新しい目標を模索することが必要に。

 

心理カウンセリング序説 (放送大学教材)

心理カウンセリング序説 (放送大学教材)

  • 作者:大場 登
  • 出版社/メーカー: 放送大学教育振興会
  • 発売日: 2015/03/01
  • メディア: 単行本