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思春期の人間関係(生徒指導と教育相談第3回)

思春期では虐められて反抗どころではなかった記憶がある。

 

伊藤美奈子。思春期の位置づけ。子供と大人の境界線上にある過渡期。青年期とは微妙に使い分け。思春期。体の変化や生物学的に。第二次性徴。大人の体に変化。小学校高学年から中学高校。青年期。心理的社会的な様々な変化。一人前の大人の一歩手前。中学生から30歳位まで。区切りは時代や文化で変動。重なり合っている。子供から大人へと徐々に移行。身体的には親を追い越す。しかし精神的にも社会的にも大人とは言い切れない。成長と成熟のアンバランスとそこから生じる不安定さ。周りの大人達の扱い方も微妙。まだ大人だから、もう大人だから。子供本人も突っ張ったり甘えたり。不安定さを助長させるのが関係性の変化。
思春期の身体。第二次性徴。受け取り方も個人差が大きい。大人になるのは当然と淡々と。馴染んできた身体から未知の世界に足を踏み入れる不安も。身体の変化が動揺や違和感を。これらの変化は突然。大人への変化が自分の意思や力で調整が出来ない。コントロールできると受け取りやすいが、受け身に受け入れざるを得ないと違和感や困惑を。身体の変化の特徴として早い遅いの個人差も。自分だけ大人に、自分だけまだ子供。生理痛の酷い女子。声変わりなど変化からくる悩みも。極当たり前とは言え不安材料や悩みのタネに。意識面の変化。自我の目覚め。第二の自我の誕生。自分に対する意識が強まり、自分を客観的に眺めたり振り返ったりすることが出来るように。実存的な問に心が開かれ始める。自己意識や他者への意識も。親や先生、友達が自分のことをどのように見ているか、周りが抱いている評価を想像する力も。他者の目を取り込み自分を眺められるように。嫌われていないか、どう受け止められているか、人の目に縛られることが多くなる。よく思われたいと思い悩み。他者が自己への比較対象に。自分を見つめたり人が気になったりすると、自分に自信がなくなる時が多い。ますます自己評価を下げ自己嫌悪に。他者の目も厄介な存在。実際の他者でなく作られたものであることも多い。訳もなく厳しいものに感じられる。諭そうとしても何の慰めにもならない。子供自身の力で解放されることが必要。振動で心身ともに揺れ動く。
思春期の親子関係。反抗期。幼少期に在る第一反抗期や第二反抗期。自我の芽生え、目覚め。主体性の証。幼い頃は縦の関係。上にいる親が子供を守り育てる。思春期になると身長は並ぶくらいに。身体も大きくなり何でも一人でできそうに思えるのに、上から押さえつけられるのは苦痛。しかし本当の力は及ばない。取る手段は反抗。社会の権威一般などに対しての態度。口答えや無視をしたり、時には喧嘩に。子どもの攻撃は手厳しい。親に叶わないぶん引きずり降ろそうとする。大人社会の影や嘘を見ているので、的を得ていることが多い。まともに受けて親が感情的になる。親に対し経済的にも社会的にも叶わないぶん、言葉などで。仮初の横の関係。メッキを保っている。いつまでも下のままで居るのではない。成長とともに親との距離が縮まり反抗の程度も小さくなる。同じところにまで成長して反抗期は終了。親子関係の変容。縦関係を対等なヨコ関係に。絆を切らなければならない。親子という絆を崩し変化させるのは容易ではない。親の傷も相当に深い。悩みは深刻。人生の不条理を学ぶのに大きな意味がある。逃げてしまっては子どものエネルギーは行き場を失う。壁にならなければ。子ども自身の変化も必要。親離れが求められる。親に対する期待や甘えを小さくする作業。親にとってのいい子でなければならないという期待を縮小する。等身大の自分や等身大の親。友達親子が理想?反抗期の遅れや消滅と言う現象。対等な大人として扱うなら反抗と言うイニシエーションは必要ない。ヨコ関係が成立しているから。縦関係のままで成人気に入ってもそのままの場合は?いつまでも親の支配を受けることで自立が阻害される。いつまでも子どもの保護を可能にしている。友達親子は?互いに自立した関係は理想。親が子供のところに下がっている場合は問題。親も我を忘れることは意味がある。しかし親子ともに成長機会が失われる。痛みを伴う。親子の間に真の意味でのヨコ関係が成立して反抗期が終了する。反抗期の終わりは思春期の終わり。大人の始まり。子どもの反抗は起爆剤。反抗期は子離れ親離れの為の儀式。何らかの形でイニシエーションを越えなければならない。大変な試練だがゴールのない苦しみではない。反抗の嵐は去る。痛み分けをしなければ、自分の痛みも相手の痛みも感じる。
思春期における友人関係。友達の言うことが親より優先。社会規範に反することも正当化。精神医学の立場から。サリバン。仲間関係、サムシップの重要性を。友達との関係が人生の一大事。絶望に繋がることも。こじれたことがきっかけで不登校になったり。意外に繊細。癒やしてくれるのも仲間関係。学級には阻害と癒やしが。非常に複雑な人間関係が渦巻く。疲れたという言葉が多い。人間関係に疲れている。通信機器の多様化。新しいツールが人間関係を難しくしている。手紙の日数が意味を持つ時代もあったが、メールになりLINEになり、直ぐに返信が無いと不安に。スマホが手放せない。親友にも気を使う。イジメイジメられる関係でいいからという。トイレに籠って食事を。便所飯。学校現場においては集団行動が求められる。いつも一緒は疲れる。人の目が気になる。人間関係に疲れ果てる。言葉としてではなく容易に言葉にはならない。能力が未熟なのだけではなく、内面を言葉にすることを避けるように。大人への反抗や反発。全ての権威に鬱陶しいと。分かってもらいたくないと本音を隠す。生育史の中で話を聞いてもらえなかった子供は諦めてしまう子どもたちも。親なんだから言わなくても分かるという甘えの気持ちが言葉の邪魔に。親思い。そんな事を話したら心配するだろうから自分で解決したいと。じっくり聞いてくれる大人が居ない。待つことが出来ずに勝手に急かしてしまう。聞いてくれる人が居ても受け止められなかったらどうしようと退却してしまうことも。予期不安を抱える。言語化出来ず消えないストレスはどのように表現?行動化。歌を歌う、スポーツをする。誰にも迷惑をかけないし自分も傷つけない。誤った形で行動化。誰かをイジメたり傷つけたり。身体化。身体で訴える。大人になってもストレスで胃潰瘍に。身体がSOSを。心身症として配慮が必要。過換気症候群。過敏性症候群。円形脱毛症。身体言語となり病気の形で苦しめる。極めて未熟な表現方法。
大人の対応。揺れに付き合う。不安定な様相を。社交的だったり黙り込んだり。時計の振り子のように極端から極端へと。心の問題を抱えていると起伏が大きくなり振り回される。友揺れするのは危険。発達というプロセスの中で捉える。心の成長とともに心の問題は変化。無期限につづくものではない一時の嵐。絶望している子どもたちに対しては希望をつなぐ前向きな方向づけを。苦しんだ自分が居たからこそ今の自分がある。希望を持って見守ることが大きな支えに。言葉以外のチャンネルを持つ。言葉のキャッチボールがし辛い。言葉にすることの虚しさを。表現するものとして音楽などのイメージを共有する表現形式が。TVの話やアイドルの話などチャンネルを。大人らしい訓示はラポールが前提。窮屈なもの。互いに視線を合わせないで済むように、将棋などの作業を一緒にする。視線のプレッシャーから解放されて話すのが楽に。
自分探しの旅に付き合う根気強さ。学校に行かない時期が必要だったと思えることも多い。本当の自分に出会うには閉じこもる時期も必要。一人では苦しい。同行者が必要。互いに支え合いながら旅をしている。周りの大人は寄り添う役割を担う。接する時には子どもたちの健康的な面を最大限に活かすことを。未来志向的な接し方が大事。

 

 

よくわかる教育相談 (やわらかアカデミズム・わかるシリーズ)

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