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植民地期朝鮮における「近代」(東アジア近世近代史研究第15回)

10年から45年の植民地期については論じ方が極端な言説が横行している。学説の経緯もかなり複雑になっているのが理解できた。

 

三ツ井崇。文化と政治。近代、植民地期朝鮮の歴史的性格。朝鮮の近代とはなにか?歴史的性格を。近年、植民地期朝鮮の近代とは何か、というのが取り上げられている。植民地期朝鮮社会をダイナミックに理解する。
朝鮮史研究。歴史的性格。植民地支配との関係で近代概念をどう捉えるか。植民地時代史。韓国。北朝鮮。両国において民族的主体性を回復する為の。60年代前半に体系化。日本の朝鮮史研究にも影響を。内在的発展論。梶村英樹。一国史。下からの生産再生産。社会経済史分野に限定されるものではない。朝鮮開国以前の半封建。多数のブルジョアジー。開国後侵略を受けて成長が妨げられる。植民地下においては朝鮮資本主義の。80年代になって、克服しようとする動き。前提とするのはあるべき発展像。相対化することができなかった。台湾韓国が高度経済成長、北朝鮮経済が困難。存立基盤が揺らぎ始める。90年代に。植民地近代化論。韓国の高度経済成長、民主化を背景に。解放後の経済成長の要件を近代的改革に。朝鮮における発展の契機を、資本主義の導入に求める。朝鮮人資本の成長など。解放後の経済の土台に。日本の植民地支配を肯定すると批判。近代化の契機は一切見られなかったと。収奪論。論争は植民地近代化論争と。大韓民国の物語。日本は投資して日本人の所有とする。収奪の恐ろしい結果。民法を導入、身分制の解体などが植民地期に。連続性を強調。韓国と北朝鮮の対比。経済史の分野。近代化の契機や主体。近代の価値を肯定的に。近代の相対化という面で不充分。90年代後半。対立を止揚する。植民地近代性。志向は様々。諸領域において。近代主体の存在。その行動を媒介に植民地支配を捉える。支配と抵抗の二項対立的ではなく。植民地公共性。朝鮮人の政治参加。対日協力。合意調達の困難。公共領域。植民地性や近代性。包摂と排除。この両面に。
近代の性格。近代的価値観の導入。植民地期に。行動規範の近代化など。近代的要素。近代教育。総督府は普通学校の拡充を基本的柱に。就学率は20年以降に上昇傾向。内地に留学する者や京城帝国大学、私立の専門学校で高等教育を。内地への留学者。近代的内面の増加。都市大衆文化を享受する。新女性。メディア。20年代に音声メディアとしてラジオが。24年から試験放送。京城放送局。33年には朝鮮語放送が。登録台数の増加。近代的なものや知識価値観はあまねく広がったわけではない。格差があったことも事実。京城。都市の居住空間が。大衆文化は日本人居住地区域に。松本武祝。朝鮮人経営の私立病院は零細。電話の加入率は日本人が圧倒的。大衆文化の受容。消費社会に耐えられる相応の経済力が必要。ラジオ。商工業者や会社員の高所得者が。印刷メディアの拡大。教養の拡散にも限界が。総督府の国勢調査。非識字者は郡部に集中。識字状況では伝達に限界が。20年台や30年代。近代的読書に移行する前提の共同体的読書が残存。識字率の低さ。読み手と聞き手が同じ情緒を。有識者が新聞を。新聞縦覧署。伝統的な講演のスタイル。文字を知らないからといって情報が全く伝達されなかったわけではない。共同体レベルでの聴取。近代的価値観の体得にも限界が。文明と野蛮の二項対立。社会進化論的な。文明化に伴う。朝鮮人においても。民族主義者は文明化を目的に。冠婚葬祭の簡略化など。識字などで生活改善を。民俗自強の発想。文明人でない朝鮮人像が前提。朝鮮人を非文明人と見る発想。朝鮮人の思想と性格という調査。勤倹努力の風を欠く。農村振興運動。近代主義という点で符合。文明化の主導権を。東学。30年代に農村振興運動。他の運動は弾圧される。主導権の問題。競合問題は双方に深刻。近代的知識が人々の解放をもたらさなかった。新女性。教育を受ける女性。男女比は女性が低かった。ジェンダー化の。高等教育を受けた新女性はエリート。留学をする人も。朝鮮内では狭かった。日本に留学した女性は家政学を。女性運動に関わる。恋愛結婚離婚の自由。家父長制からの解放。良妻賢母の思想を批判。新女性の中でも急進的。家政学は良妻賢母を支える知識。女性の役割。賢母良妻。民族の名のもとで家庭に固定化。近代的家父長制の限界。
政治の領域。政治史。近代への包摂。資本の。統治の正当化。非統治者では。両者の関係形成の在り方に植民地性が。植民地近代性。朝鮮総督府の。言語改革運動と呼応。民族語の書き言葉の標準語。日本語への同化と相容れなかった。支配に対する抵抗。目的を貫徹する過程で総督府に協力。抵抗か協力か。朝鮮語研究会。作業内容の水準が不充分で朝鮮人の協力を。学説を広める必要があった。強固に反対する勢力が。支配の貫徹と民族化の具体化。合意が。目標が対局にあるので合意調達は形式的なもの。朝鮮語学会が42年に弾圧される。接触。三・一運動、朝鮮軍の司令官。朝鮮人と頻繁に接触。天道教の幹部とも接触。独立宣言書の署名者。水面下で動いていた。東亜のため。信頼を置く。国葬。何らかの出来事なしとも限らず。民族運動、独立運動の取締に。朝鮮人との接触。総督府の官僚。懇談を盛んに。朝鮮の独立を許さない立場との衝突。差し押さえのたびに活動家がやってきて議論。民族運動との関係において総督府が緊張関係を強いられる。合意調達。対極の存在は対等の関係でない。抵抗にせよ協力にせよ、現状認識が重要。抵抗か協力か。非協力の。皇民化の運動、親日家になる者も。内鮮一体。朝鮮語の廃止を。朝鮮人の進むべき道。内鮮人間に差別が。朝鮮人との差別の中で解消するのは日本民族になることと。義務教育や兵役など。朝鮮民族であることをせず朝鮮語を廃止する。内鮮一体化。朝鮮人を徴兵する。与える権利の問題。戦争終結後には参政権を、など。朝鮮軍参謀も注意。日本は時局を利用している。差別的取扱いは厳然としてある。内鮮一体に懐疑的知識人も。待遇格差を浮き上がらせる。民族間の壁。内鮮一体に呼応したからと言って日本人が応えるとは限らない。統治者側の根本的不信感。包摂と排除を巡る葛藤。近代を巡る葛藤。

 

東アジア近世近代史研究 (放送大学大学院教材)

東アジア近世近代史研究 (放送大学大学院教材)