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21世紀知識社会と大学のマネジメント(大学マネジメント論第15回)

今の時代にバブル期以前の大学の在り方が理想だと考えている人間は居ないだろうけれど、古き良き大学という郷愁を持つ人は少なくないのかもしれない。

 

山本眞一。21世紀知識社会と大学。知識の生産、伝達、活用に大きな役割が期待されている。不透明性を克服して大学の役割を見据えてマネジメントを。
これからの大学のマネジメント。学問の世界に内向きに閉じた、学生はエリート。意思決定は教授会が。従来の再生産の教育を。今日の状況に照らせばNo。しかし認識と実行は別。マネジメントは難しい。大学は教員という多様な人材を抱え創造的な活動による使命を。困難であるからと言って先延ばしには出来ない。知識基盤社会における大学マネジメントは別のもの。大学の役割は知識の生産伝達活用に。20世紀工業社会における大学。明治期の帝国大学の設立。大学制度の拡張。大学は戦後急激に発達。20世紀後半の成長が著しい。大きな違いは戦前は数が少なかった。種類の異なる教育機関。戦後は大学に一元化。短期大学は例外的だが。全ての高等教育機関に大学と。国家の将来を担うエリート養成の場。外国からの知識の窓口にも。多くの大学に大学自治が。90年代以前の大学は経営的に恵まれていた。拡張のペースを上回り入学希望者が。様々な問題点や矛盾が成長することで解決した。大きくなることで一時的な解決が。マネジメントは大学の自治や学問の自由。評議会や教授会の権限が。管理運営の責任者は学長だが。経営は大学に相応しいとは思われなかった。成長期の環境が大きかった。右肩上がりでも状況の変化が。60年から現代。学歴構成。60年は大学卒業者は大変少なく、幹部候補生とされた。段々と大卒者の割合が増える。90年代に急激な変化。90年では6割を短大と大学。事務職にとり大卒者が普通に。社会変化の中での大学改革。90年代は大学にとり変革の時期。大学は象牙の塔ではなく多くの人に支えられる社会制度に。大学に起こることが全ての人の関心事に。批判の対象に。大学はもはや学問の府ではない。批判のための基地ではない。知識技術や学び方を授ける学校への変化。高等教育を教える学校。終身雇用制度の崩壊。大学は若者を難しい入学試験で選抜するのではなく、幅広い対象に教育を。マネジメントの重要性が高まる。
21世紀の知識社会における大学。知識の大きな役割。知識や技術の変化や集積の速度が速まる。研究や経済活動において知識は致命的なものに。情報通信技術の発展。世界の各地に優れた研究拠点間でnetworkが。社会基盤、インフラに。知識や技術を創造し伝え役立てる大学の意義は大きい。主役であることを意味在るものにするには変革が必要。でないと役割を果たせない。知識社会型の大学とは?従来の大学と異なる。人々の学習ニーズに応えることが可能な大学。大学自身だけでなく学位が評価されることも必要。博士に仕事が見つからないのは論外。悪い冗談としか思えない。戦後日本社会において支配的であった考え方。学歴社会是正論。学位学歴を疎かに出来ない。教育や研究サービスの為の適切な資源配分などの新機軸を。学歴社会是正論と関連して、大学卒業の意味合いの変化。卒業や学位取得。あまり重い意味をおいていなかった。どの大学を卒業しているかに意味を。有名大学を卒業して大企業に。就職の指標としての。これからはそれで済まない。25歳以上の入学者は2%。大多数の学生が若者で占められる。知識社会の到来を受けて大学教育は若者だけでなく、人生のあらゆる段階で。知識社会化で、一旦獲得した知識でも陳腐化の速度が。学び直しが重要。知識を更新し能力を高める。年齢と知識のレベル。生涯学習機関として。大学は別の存在として。政策そのものも斬新な。
大学マネジメントの将来。知識社会での主役として。高度専門職業人の養成や一般教養人の養成を。社会の要請を受け入れるとともに。受け身の関係ではなく。産業界が求める研究だけでなく。供給者としての役割。知識の供給者としての。科学技術研究。基礎研究。直接的な関連がなくても。モードツー。大学が研究市場に参画。科学技術基本計画。プロとしての大学経営人材。一定以上の専門的訓練を受けたstaffの重要性。学長を支える優秀な人材が必要。どのように養成を?教員の中から。産業界などから。職員の中から育てる。教員からの登用。大学トップや近い地位に。適任者を得ることが出来るか?経営人材として専門性と衝突。研究者でないと恐れる風潮。雑用とみなす教員は少なくない。専門職のマネージメントには一定の専門職が必要。産業界などから人材を登用。財務担当者や労務担当者など。マネジメントの即効性が期待できる。利害関係に囚われないメリットも。しかし大学の本質を理解しているか?自らの経験のみを頼る傾向が。職員の中から登用。大学職員の能力開発が必要不可欠。大学の業務を下支えしてきて能力開発に恵まれなかった。問題意識が低かった。90年代には様々な研究会が。雑用として処理するのではなく業務として専念。新たな活躍の場に。教員も教育や研究に専念できる。現実の大学を動かしているのは職員出身ではなく。職員からは日常的な業務のサポートに一定数が必要。アウトソーシングの要員も必要。大学のマネジメントにまつわる様々な人材が必要。役員クラスの人材。理事長など。教育研究を担うのは教員。まとめる部局長。対等な立場に立つべき職員出身の管理職。支援系職員。職員の比率が少ないのは日本の特徴であり問題点。教員の支援のためのマンパワーも必要。業務のアウトソーシングも必要。大学のマネジメントは全ての人が行うべきことを実行し目標を共有しながら。
これからの大学マネジメント。社会に積極的に貢献できる大学に。教育研究社会貢献の機能を。マネジメント自体のためではなく。大学経営は活動を支える控えめな存在に。企業や政府機関と根本的に異なる。01年の遠山プラン。答申においても大学に企業的な経営論理を導入すべきと。国公立大学の法人化。新しい経営手法を他の分野から学ぶのは良いが、デメリットも考えなければならない。競争に勝ち残りつつ歴史ある共同体を貢献できるようにするのが大学のマネジメント。国全体の広い観点からも。

 

大学マネジメント論 (放送大学教材)

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大学事務職員のための高等教育システム論―より良い大学経営専門職となるために

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