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カウンセリングのプロセス(心理カウンセリング序説第8回)

自分で自分のカウンセリングが出来ればとは思うが、セラピストに同行してもらう方が効果があるのだろう。まあ先立つ物が必要だけど。

 

大場登。カウンセリングのプロセス。プロセスの自律性。二律背反。
器、レトルトについて。カウンセリングの器。関わり。カウンセリングを支える構造。初回面接から終結に至るまで独特の器、レトルトの中で進行。化学の実験の器の一つ。レトルト、気密性を備え熱を加え変える。変容のプロセスに類似。一定の器の中で進行する。物質の変容過程では実験条件が必要。心理的変容過程。レトルトはまず密閉。面接室で語られたことは心に留め置かれる。密閉性があるから変容できる。圧力が高まり純粋な形で取り出せる。カタルシス。心理的外傷体験を語ることで初めて重さから自由になる。1人で抱えることは負荷がかかること。セラピストにも抱えてもらう。セラピストが周囲の人に語ったら?変容のプロセスは進行しない。ガス抜きが起こってしまう。何処でも在るが変容のための大事な原石。セラピストは心理的負荷を伴う。心身の負荷がかかるので健康状態の維持は意識的に。調子を崩すとカウンセリングが出来ない。スーパービジョン。セラピストが指導者に報告し指導。クライアントの事柄は第三者に漏らすことはない、変容過程にマイナスに。更に大きな器の中で。より展開することに。セラピストも過剰な負荷から少し開放される。気密性の調整。大体のことが抱えられるようになればプロセスはより安定したものに。二律背反は在るが。可能な限り1人で抱えられればよいが、時に仲間に聞いてもらうと新たな視点が。セラピストは生涯にわたって相互研鑽が欠かせない。セラピストが報告して指導を受ける時に、複数のスーパーバイザーに指導を受けることが問題。気密性密閉性がどんどん薄まる。レトルトの中で抱える、変容が生じるというプロセスが困難に。実に生きたもの。料理でもやたらと蓋を開ければ風味が薄れる。不用意に空気に触れさせない。発酵。器の中でこそ進行。扱いの難しい事情を抱え続けることで変容が。レトルトの密閉性については留めておいて欲しい。
一定の温度。物質の変容。レトルトの下からの熱。セラピストは注ぎ続ける心理的関心、エネルギー。それがなければ変容は生じない。関心、心理的エネルギーを維持するために臨床心理学的に読む作業が必要。何回か会うだけなら作業なしでも良いが、何年も続くなら読みが必要。一定の時間も。孵化というイメージ。卵が一定の温度で一定の時間。温める温度が高くても卵は死ぬし、一定の時間は必要。発酵のプロセス。生きたものである。人間の心は生きたもの。カウンセリングのプロセスも。刺激を与えれば効果がある、という単純なものではない。器の中で耳を傾け、抱え続ける中で事情が変容する。関係も変容。クライアント自身の変容で。それがカウンセリングの過程。
カウンセリングの頻度。フロイトは当初は毎日分析を。今でも居る。クライアントの現実生活も大事だし経済的現実も。週に1度50分という器になることも多い。欧州のユング派では週2回。文化の差。頻度が高ければよいというものでもない。集中的になるし温度も高めになるが、とろみでじっくり温めたほうが良い場合も。日本では2週間、1ヶ月に一度という頻度も在る。かなり弱い火の勢い。器としては2週間に1度以上でないと難しい?遠方を訪れる、現実的には1ヶ月も。カウンセリングの学派の適性もあるので、適当なセラピストが見つからないことも。弱火のもとでも適当なカウンセリングをした方が良いかもしれない。どちらが良いか一般的には判断できない。相談して決定することに。週に一度50分が基本。
初期の頃にクライアントがセラピストに対して抱く不安など。機会を見て俎上に上げることが必要。経験のないセラピスト。不安な気持ちが。ある意味で自然なこと。身体医学のドクターでもよくあること。特に不安は取り上げないが、カウンセリングにおいてはちゃんと見ることが重要。気持ちや心こそ見ることになるから。感情は当然のように目が当てられる。夢を見ることが。TAXIに乗ろうとしたらずいぶん若い運転手。大丈夫かな。夢のタクシードライバーはセラピストかも。血液検査をすることになったがまだ研修医のようなので不安になった。まずはクライアント自身が夢についてどう思うか聞いてみたい。いかがですか?セラピストによる読み、それに基づいた問いかけ。クライアントによっては初めて見てずいぶん若いと思ったと答えられるかもしれない。意識して言葉にして直接相手に伝える。大事にしていること。セラピストは若く見えるしこれからのことを考えると大丈夫かと思うことは自然。受け止められることは実に大きな意味が。世間では口にしない私の気持ちも受け入れてもらえる。大事さも感じてもらえる。ちゃんと見てくれてもらえる、やっていけるかも。この夢どうですか、に対し、良く分からない、と答えられる場合も。初めて来られた時、クライアント次第で大丈夫かなで終わることも。色々な答え方も。意識的には大丈夫でも、夢では不安が。セラピストの問いかけてクライアントは意識をする。心の深いところ、無意識との対話を。若い研修医はセラピストの内なるものと考えることも出来る。これから自分の心に探索に、その案内者は自分の中に。きっかけを与えるに過ぎない?心は実に不思議なこと。内なるタクシードライバー。内なる世界に飛び込んで変容の旅に。不思議な関係に。
気持ちは色々ある。全く反対。非現実的な期待を寄せることも。先生を見つけられてよかった、解決してもらえると嬉しくなると。魔術的な期待が寄せられていることがわかったら、クライアントの期待を俎上に載せることが必要。ちょっと水を指すようですが、クライアントの問題はセラピストが解決すると思うのですか?答えによっては自分の抱える問題は何でどういう事情で抱えることになるのか、どういう意味があるのかクライアントで探索。セラピストは同行するだけ。解決することにはならない、という語りかけを。治ると治すの二律背反。勉強したと言っても実際のクライアントとの変容を読む、語りかけるのは難しいこと。実際に行っていくには長期間の直接的な研修が欠かせない。
変容のプロセスを違う観点から。扱いの困難な事情。変容のための大事な原石。悩みを抱えた人の役に立とうと考えている人、症状を切除すれば良いと考える人が思うほど単純ではない。夫婦関係。夫婦間の困難は実にありふれたことだが、苦渋に満ちたもの。つらい症状も。聞いていても鬱々と、胃などの自律神経に。扱いの困難な事情は毒。様々な問題や症状を抱える。家族、例えば夫と妻との関係、一つの渦というか台風に。意識はその動向ばかりに目が向けられている。心の中の渦や台風。コンプレックスとして理解も出来る。比喩的に。夫との関係、妻との関係が困難を極める。心に。耳を傾けていると大変だとセラピストも感じる。現実的外的なことであっても困難の故にうつ状態や不安状態を。関係を巡っての様々な感情が。扱いの難しい事情が心理的毒になっている。癌のような。殆ど独立した存在。周囲の出来事を巻きこむ。扱いの困難な事情は勢力が強いので心の主体としての自我は大きな脅威を感じる。カウンセリングにおいては器の中で語られる。渦であるので圧倒されて寝ても覚めても頭の中から離れなくても、器が提供されるの中で心理的な渦そのものが俎上に載せられる、語られる。毒や渦は器の中で抱えられる。心理的関心が一定の間隔で注がれ続ける。受け止められると心理的毒は存在の様相を変化させる。塊が緩んでくる。風が通るようになる。台風だと強力だったのが海水の温度のせいか勢力が弱まったように。心の主体としてのワタシ、自我の方もほんの僅かでも緩むことが出てくる。対処不能と感じられてきたことが、向き合うことが出来るかもしれない。少しずつ変容を始める。それに伴い自我と毒との関係も変容。人間関係が真っ黒だったのが感じの違う黒に。ほんの少しでも対処可能だと感じられると自我が変容する。事情が難しくないならびっくりするほど、自立的に比較的スムーズに進行することも。年単位の時間が必要なこともあるが。少しずつ経験すると興味深いことを。癌とさえ感じられていたことが貴重な金属が入っていたという発見が出来るように。渦は勢力が強いが、大変なエネルギーと抱える。台風と交流が持てるようになれば台風の勢力を活用できるように。毒も影響力が強いが、変容を始めると薬という面も。苦渋に満ちたものであっても良きものに変容を。

 

心理カウンセリング序説 (放送大学教材)

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