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日本仏教の思想3 -法然・親鸞と浄土信仰(日本仏教を捉え直す第4回)

鎌倉時代はかなりの混乱の時代のように思えるが、その方が思想は育つものらしい。鎌倉時代と比べ現代はどうだろう?

 

頼住光子。専修念仏の法然と親鸞の思想。前提として鎌倉仏教を捉える視点。一遍や日蓮などが活躍。時宗、臨済宗、日蓮宗など。これらを鎌倉新仏教と。鎌倉新仏教史観は戦後は定説に。現在では見直し。貴族中心の仏教を克服した民衆の仏教?あくまで少数派で顕密仏教が主流と。顕密密教。三論宗華厳宗天台宗など。武士と並ぶ権門。大きな権力。鎌倉新仏教は異端的。社会的に大きな力を持つのは戦国時代から。鎌倉仏教の研究は見直しが図られている。社会的影響は限定的。もちろん、仏教について社会的影響力の観点は必要。思想それ自体として相対的に独立して時代を越えた普遍性を求める、そこに思想としての達成がある。思想の固有性や普遍性。影響関係という観点だけではなく、日本の大乗仏教という広がりの中で思想がどのような深まりを。視点は何かという観点も。個別的な鎌倉仏教の思想を検討。鎌倉時代に登場した新たな教えを説いた者たちの傾向。新しく起こった宗教。末法思想への対応。1052年に末法の世に。悟りも得られなくなる。修行と悟りがこの世では達成できない、末世。教えの探求が新たに登場した仏教のテーマに。浄土宗浄土真宗。西方浄土に往生させ南無阿弥陀仏と念仏するしか救済はないと。自分たち以外の教えは無効と。既成仏教と結びついた権力者からの弾圧に。法然も親鸞も流罪に。貴族から民衆まで幅広い。日蓮も末法思想を受け止め、南無妙法蓮華経と題目を。末法思想を否定したのが道元。曹洞宗の開祖。座禅修行により悟りを。末法思想を強く否定。天台本覚思想との関連。天台本覚論。仏教に限らず日本の思想に大きな影響を。本来的な悟り。衆生は皆等しく修業をする必要はないと。本来的な悟りを。様々な執着や煩悩を募らせてしまったので不覚である。打ち破り本来的な悟りに近づく。本来的に悟っているからありのままで仏であるという考えが天台宗のなかで。絶対的一元論。新たな宗派を起こした者は比叡山で天台教学を。充分に理解しているはず。一線を画す。座禅修行を始める。日蓮は不順な要素を払って天台宗本来のものに。現実の社会を否定し題目を。法然や親鸞の。自分自身により救われない悪人。天台本覚論の持つ人間観とは相容れない。選択性。易行。民衆にも近づきやすいように単純な行を選んで教えを。そのような面もあるが、単純な教えだけではない。その教えを説く者は大乗仏教経典を深く学んだ上で主張をしている。口称念仏だけで救われると説く法然。一切経を5回読破。他の開祖も比叡山などで幅広く学び思索して。真髄を体得した上での思想。背景まで含めた上で捉える必要がある。親鸞の言行を伝える歎異抄の悪人往生の説。武士や民衆の心を。末法の世で悪行を犯さざるを得ない者たち。後白河法皇の。罪深い自分に対する深い嘆き。今様という歌に歌われるほど広い願望。専修念仏の教え。新たな動きを担った鎌倉仏教について。
浄土宗の法然。今の岡山県に生まれる。故郷の寺の後に15歳に比叡山延暦寺に出家。18歳のときに遁世。比叡山では出家しているにも関わらず別所に。二重出家。遁世僧。第二の世俗になってしまった比叡山の中央から離脱して修行や学問に。法然もその一人。黒谷では天台浄土教が学ばれていた。玄信などを学ぶ。口称念仏を低く評価していたことは大きな相違点。観想念仏。浄土の姿を思い浮かべる修行。比叡山だけでなく浄土教が。何度浄土教を。観無量寿経。阿弥陀佛の専修念仏で回心を遂げる。阿彌陀佛を唱えるしかない。一切衆生を救済する仏。法然は比叡山を去り様々な経典の学習をして人々に念仏を教える。貴賎善悪などは一切問わず、修行も不要。瞬く間に広がる。太政大臣九条実篤も。教えの要点を。法然なりの解釈を。専修念仏の教えが広まる。顕密仏教の側は批判。偏った執着であると。後鳥羽院は無断出家事件をきっかけに1207年に弾圧。連座する。流罪になるのにも気落ちぜず。流罪の地に。その後赦免され京都大谷の小さな庵に。重体に陥り一枚の紙に一枚起請文を。短く平易な文章だが法然の思想のエッセンスを。ただ一向に念仏すべし。これこそ大乗の菩薩。多くの人を救済しようという利他行の遺言。大乗の菩薩として。あらゆるものとの一体性。成仏を目指す。法然は正統的な大乗仏教の担い手。2日後に80歳で亡くなる。慈円の愚管抄。皆が期待した阿弥陀仏は現れなかった。慈円の思惑とは別に、平生の念仏こそ大事にすべきと説いていた。法然に相応しいエピソード。鎌倉新仏教の異端派は自らの実践と思想とを確立。魁が法然。選択本願念仏集。結びの文章。三段階の。聖道門を差し置いて浄土門を。更に浄土門を分ける。阿弥陀仏に関するお経を読む。礼拝。三段供養。読誦。阿弥陀佛の本願に応じた。主体はまず阿彌陀佛。末法の世は修行も悟りも不可能な悪世。阿弥陀佛が本願を信じて他力の念仏を唱えるしかない。
法然の弟子である親鸞の生涯と思想。親鸞は9歳の時に慈円のもとで出家し比叡山に。不断念仏。阿弥陀佛の周りを名前を唱えて念じながら90日間歩き続ける。厳しい行。29歳で山を降りる。他力念仏の教えに。他力の念仏へ。教行信証の。阿弥陀佛が浄土に往生させるために。自力で行をして往生を。自力念仏往生の願。他力の念仏を唱える人を。天佑の過程。他力念仏への過程。親鸞自身の。他力。阿弥陀佛の力。自分で唱えるのではなく。他力念仏。仮の浄土にしか往生出来ない。常に自力を否定することでしか他力に向かえない。円環的過程。回心を遂げた親鸞はすぐに頭角を表す。旧仏教の側からの圧力が高まる。1207年に弾圧。僧侶としての資格を剥奪され越後に。教行信証において後鳥羽上皇が教えに背き念仏弾圧を、と批判。僧でも俗人でもない。正式な僧侶ではないという生き方を。東国布教を。関東各地に小集団を。京都に戻ってからも頻繁に連絡を。東国で数々の異端説が。多数の著作を執筆。教団の危機的状況で。親鸞の思想体系。他力。衆生の救いのために唯一絶対の。他なる力の。阿弥陀佛の救済力。遠い過去にある王が出家する。法蔵菩薩は四十八願を。成仏して悟りを開いて真理を。阿弥陀仏に。念仏する衆生は全て往生する。阿弥陀仏に救済の力が宿る。先行するのは力そのもの。その場そのものを実現する力。空が生じる。あらゆるものが働きあって成立しあっている。自己を実体化して執着し衆生に働きかけて。仏の衆生への慈悲。力は自らを阿彌陀佛と。根源的な力である他力。全ての時間空間に。根源的な力を絶対他力と。

 

日本仏教を捉え直す (放送大学教材)

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日本の仏教思想―原文で読む仏教入門

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