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情報のリテラシー(2) 社会調査を実施する(市民自治の知識と実践第10回)

既存のもので分析できるならその方が良いけれど、ない場合には自分で調査をする必要がある。そのためにも勉強しておきたい。

 

北川由紀彦。情報のリテラシー。社会調査を実施する。自ら実施。目的、方法、留意点など。社会調査の基本的目的。質的調査と量的調査の2種類の特徴と関係。質的調査、量的調査の注意点。データの分析における基本的処理。
調査の目的。人や集団に直接の働きかけ。反応をデータとして分析して何事かを明らかに。2通り。記述と説明。記述とは対象の状態を。説明は対象がなぜそのようになっているかの法則性や因果関係を。40歳の男性の家事をする分布。生活サイクルがどうなっているか。何故そうなっているか、どのような要因で。社会調査の結果の報告については純粋な記述は殆どない。取捨選択で何らかの説明を含む。状態について記述がなされるのが前提。主な目的が記述か説明か、分析方法も違ってくる。収集して分析するデータ。量的データと質的データ。量的。数量により表される。金額や身長など。性別や自由記述や観察記録や文書記録など。質的データであっても一定の規則により符号に置き換え量的な物にできる。
相対的に少数の対象に。質的調査。ある程度大量の対象者に標準化されたやり方で量的なデータを、量的調査。実際に調査が行われる対象。量的調査では相対的に大きな規模で。主な目的。聞き取りや観察などが。事例の全体像の把握と事例の固有の特徴、固有性の記述が。主観的意図や考え方、主観的意味世界の理解も含まれる。失業者に対する調査。どのように仕事を失い、どのような影響を受けているかなどをインタビューや文書、日記などの分析で。量的調査により検証させるために仮説を。量的調査。量的側面からの把握。対象となった事例の位置づけ。仮説の検証。量的調査では失業者全体の性質。事例において特定のパターンが見いだされた時に、頻度を把握。失業のパターンと年齢、職種との相関関係や因果関係の検証。どこまで一般化が可能か。データ収集。Interview、観察やスケッチ、撮影や文書分析など。収集される質的データの内容も様々。質問も聞き方や内容を柔軟に。量的調査では調査票を用いて回答を記録する。調査員は指示に従って質問をする。勝手に変更することは原則として許されない。構造に沿って設計がされているため。対面、面接形式で。構造化面接。指示的面接とも呼ばれる。主な手法。質的調査。住み込みなどの比較的長期間の。参与観察。文書資料を。ドキュメント分析。量的調査。郵送調査票など。量的調査においては一定の質問文で、一定のデータとして回答を。如何にも一面的だが統計的分析は標準された手続であるから可能に。どのような形式で質問をするのかを充分に吟味して行わなければ意味がない。先行研究についての。質的調査。相互に補完し合う関係になっている。使い分けはその調査の目的が何であるかによる。自分が得ている知識の段階、仮説がどうなのか。社会調査と聞くとまずはアンケート調査?本来は量的調査は検討をして明らかにしたいことが仮説になり明確になってから。仮説が固まっていない段階では量的調査は原則として行うべきではない。
質的調査においての方法、インタビュー調査を念頭に注意点を。調査に関する説明の徹底。調査に関する事項、意義や対象者に選んだ理由、公開の方法などについて同意を。対象は何らかの判断、豊富な知識や経験など。により。インタビュー調査は長期間長時間により、プライバシーに。負担も大きくなる。プライバシーの保護などの説明を。事前準備の重要性。調査のテーマに関して分からないことが多い段階で行うが、準備が要らない訳ではない。文献などで調べておくことが重要。対象者に失礼。インタビュー調査だからこそ聞く機会を逃す。意味がなくなる。
量的調査の具体的な手法の内で4種類。量的調査の基本的注意点を。個別面接調査法。調査対象である個人や事業所等を個々に訪問して調査者が直接対面で質問。調査員で調査票に書き込まれる。本人の代わりの回答を防止できる。補足説明も出来る。不明確な点は聞き直すなどして確認できる。調査員の確保に時間が必要。交通費や日当などで費用が嵩む。誰が調査員になるかで影響を排除できない。対象者が留守がちなどで会えない場合も。留置調査法。調査票を調査対象者に一旦預けて、一定期間後に回収する。直接配布する場合や企業の中で配布してもらうなど。記入漏れがあった場合に確認できる。本人の確証が得られない。回収方法。返信用封筒で郵便で。郵送回収法。郵送調査法。調査対象者に調査票などを送り、記入してもらい返送してもらう。対象者に会えなくても依頼が出来る。対象者本人が回答したという確証がない。回収率が低くなりがち。近年では調査票を送った後で督促するなどして回収率を上げることが。集合調査法。一箇所に集まってもらい回答してもらう。人手や費用が相対的に低くなる。視聴してもらった上で反応を回答してもらうなど出来る。対象が限定される。周囲に居るのでその回答を意識してしまい会場の雰囲気に合ったものに偏ることも。
量的調査を実施するにあたり注意点を。母集団と抽出方法を。標本調査として。その調査の母集団とどのように標本を抽出するか。発表するときにも回収率などの明記を。調査票の作成。自分が何を明らかにしたいのか、必要最小限の。質問文を。ついつい質問文から始めがちだけど、細かいことにこだわり全体像を見失い不必要な質問を。回収率が下がる。そもそもどういった質問項目が必要なのかを。質問を選択肢形式と自由回答形式のいずれにするか。予め選択肢の中から選択を。具体的に単語や文章で答える。統計的に分析するのでできるだけ選択肢形式で。類似の調査を参考に。事前のインタビュー調査やプリテストで検討。複数の選択肢から1つだけ、択一式。複数回答形式。混在する場合には当てはまるもの全てに回答を、など注記を。分析の過程でそれぞれの選択肢について択一の質問をしていると考えるので複雑になる。択一式の選択肢の設定。網羅的、相互排他的などの。どちらかの選択肢を。選択肢の中で内容が重複しない。質問文の作成。ステレオタイプを用いない。バイアス質問をしない。質問文の意味を明確に。質問の意味が変わることがないように明確に。出身地はどちらですか?は適切ではない。中学校の卒業の時に?など。家族員数の質問を。回答者本人を含めるかどうかを。ダブルパラレル質問をしない。1つの質問文の中に2つの質問をしない。原子力発電所を減らすのと風力発電を増やすことの、など。一方について賛成で他方について反対をする人の回答が分からなくなる。2つの質問文に分けて。一般的でない用語、専門用語などを避ける。RC構造など。人によっては知らないまま回答することになりがち。もう少し一般的に。量的調査においての回答票。分析が出来るようにするには符号に置き換えて行列データにして分析を。作成する過程では一連の作業が必要。回答の訂正を。コーディング。回答を分析のために一定の規則で符号に置き換える。割り当てておいた回答番号に。プリコーディング。自由回答形式の場合には後から一定の基準で分析を。アフターコーディング。コード表の作成が必要。表計算ソフトで入力。クリーニング。入力が終わったデータについて点検。コンピュータ上でソフトウェアを用いて、誤りがあった場合は質問表などで点検。
データの分析。調査によるデータの特徴。表、グラフ、統計量による把握。中央値や最頻値、平均値、分散や標準偏差。変数間に関連があるか。散布図やクロス表など。散布図。関係についての変数を縦軸や横軸にしてデータを点で。表計算ソフトなどで比較的簡単に。まとまりの形などでどのような関係があるかを把握。関連の有無についての変数が連続的でない場合はクロス表で。クロス集計表。縦方向や横方向。同時に集計。表の中のマス目にケースの数や%値を。関連があるか検討を。変数と変数に関連があるかの方法の基本的な。より詳しく評価をする。本当に関連があるか、関連があっても見せかけ上なのか、統計的に推測する方法。それは様々。詳細については必要に応じて社会調査や社会統計学の教科書で。

 

市民自治の知識と実践 (放送大学教材)

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  • 作者:山岡 龍一,岡崎 晴輝
  • 出版社/メーカー: 放送大学教育振興会
  • 発売日: 2015/03/01
  • メディア: 単行本