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古代ギリシア哲学の誕生 -ソクラテス以前(西洋哲学の起源第1回)

ある意味で自由に考えるということの良さを感じることが出来る。突っ込んで勉強すると面白いだろうけれど、見つかっていない文献が多いのでストレスに感じるかも。

 

荻野弘之。哲学の起源を。明確に区別するものか。哲学は正体が掴みづらい。どこから哲学を始めるかは違ってくる。自明の前提はないとする見方も。循環をどのように抜け出るか。
哲学の始まりを。アリストテレス。哲学は昔も今も驚くことに始まる。TVのニュースで慌てるのではなく。日常生活で自明性が失われることで疑問の念が、知的な体験。雷はどうして起こるか。素朴な疑念。広い意味での知的探求の始まり。大きく分けて4つ。事物が一体何から。質料因。自然を包括的に。自然哲学。哲学の最初の人と呼んだのは。ミレトスのタレス。哲学史の多くはタレスを開祖とする。測量技術やタレスの定理。太陽暦の導入なども。しかし著作は存在していない。含蓄ある名言の数々を残した賢者の。万物の原理を水と言った。科学的知見ではなく直感的な生命観。東西の神話にも多い。一体どのように考えていたかは推測の域をでなくなっていた。アナクシマンドロス。無限なものと。あらゆる事物はここに始まりここに戻る。アナクシメネス。空気と。空気が希薄になれば死。複数の元素から生まれたと。3人はミレトス学派と。自然に対する関心をミレトス自然学と。擬人化された原理による神話的思考を排することで。命のない単なる。物活論。生きていると。タレスは琥珀が特定の物質を引き寄せる。神々に充ちている。内在する神を認めている。日本古代にも。汎神論。科学的思考と神話的発想は結びついていた。その後も様々な議論が。ヒッパソスは火を。ゾロアスター教の影響?四元素。ギリシア人にとり基本的な。万物の原理が何であり幾つかは様々な議論が。
紀元前6世紀後半になるとイタリアの哲学。ピタゴラス。若くして東方各地を。クロトンなどの植民地都市に教団を。同時に別の場所に。人間離れをしたもので。神格化されたので謎に。奇妙な戒律を。長年公開されなかった。北方のトラキア世界からの輪廻転生説を。肉体を離れて存在して別の肉体に生まれ変わる。霊魂そのものは同一に。インドにも見られる生まれ変わりの思想。自然研究にも。三平方の定理。協和音程。ハルモニアの発見。半分にすると1オクターブ上の。正五角形からの星。黄金比。美しい形が数字に支配される。数の世界の模倣。数学は理性の音楽と、音楽と数学が密接に。ピタゴラス派にとり特異な生活も科学研究に。肉体から魂を救い出す。魂の救済のための研究。やや異様?科学はもっと個人の研究者の持つ好奇心や世俗的な。それは啓蒙主義時代から後のこと。長らく宗教に支えられた学問観が主流。自然的な数論の研究を天文学にも。宇宙の中心には燃える火が。回りを合計10個の天体が。音を出すようにそれぞれが違った音響を。宇宙全体は様々な音が調和した見事な音楽にあふれている。産まれたときから同じ環境なので気が付かない。星空の輝きと同様に。古代において音楽の研究は学問の一種であり、自由学芸の一角を担う。美しい世界観はキリスト教的イメージと相まって科学革命に至るまで引き継がれる。
哲学的思考の源泉は文芸批評。高齢になるまで長く放浪。風刺的な詩が断片的に。自然学的内容も。当時の神話への懐疑的な姿勢。ホメロスなどの12神。永遠の存在であること以外は人間と同じ。盗む神などはありふれている。おどろおどろしい世界とは別の爽やかな世界。神々が本当に存在しているとすれば、悪い行為をするだろうか、との疑問。似せた神を描く。人間の無意識な投影に過ぎないのでは?意志の力だけで全てを動かすのではと。感覚を越えた形而上学的な。近代の思想への萌芽を。
科学宗教文学からの様子を。継承しながら。ヘラクレイトス。一節によれば王家に産まれたが孤高の思想家だったと。120ほどの格言集が現存。独特の文体から謎をかける人と。万物は流転する。後代の創作。同じ川に二度と入ることは出来ないとする流転説を。隠れることを好む自然。目に見えないロゴスの働き。自然現象の法則であるとともに言葉のように表現。上り坂と下り坂は同じ。同一の事物が。半分しかないか半分あるかを。ロゴスにより複眼的な。事物の法則を見抜く事ができる。ロゴスによりロゴスを探求するのは人間構造そのもの。単なる抽象的理念ではなく、聖火になぞられるような生きて働く自然。
イタリアでは独創的な学者が。パルメニデス。アテナイに出て青年時代のソクラテスと?ホメロス流の詩を。序章で。若者が馬車に乗せられて旅をして女神に言葉を授かる。あるものはあり、あらぬものはあらぬ。同語反復的。全くの無時間的な。同じであり同じでないという思い込み。常識の世界。火星には生命がない。定義が先行。それがなければ意味がない。冷蔵庫はあるがTVはないということはいくらでも。条件を外せば一転してあると。端的な無も存在しない。パルメニデスの詩は断片としての性格を。難解を極めるが、18世紀以降の存在論の萌芽を。独自の方法論を。一切の生成変化がない不動のもの。
ゼノン。ジレンマという独自の論駁法を。運動を否定する。アキレスと亀など。アキレスが亀よりも後ろの地点から競争をスタート。どうしても一定の時間が必要。亀はその先に居る。手続を繰り返す限り、決して亀に追いつくことは出来ない。単純明快だが論理的困難は深刻。決定的解決策とは言い難い。誰もこの議論をして信じない。実験により確かめられるものではない。パラドックスがドクサと齟齬をきたす。連続などの基礎的な語彙の何処かに穴があり議論が空転。論駁することは運動などの概念がそもそも何を示すかの議論が必要。ギリシア人は空理空論を徹底する。論理が独創していかにあるかではなく如何に表現できるか。自然学の発展にとり大きな衝撃を。
紀元前5世紀になると思惑の対象として捨てられた自然を。「自然について」。4つの元素が登場。一元論ではなく多元論。土水木空気の4つの元素が2つの相反する原理により結合する。愛が支配してすべてのものは一様だった。憎しみが入り込み分離する。やがて愛が浸透して再び完全な。周期的交代により部分的変化をしながら一定の秩序を。永劫回帰。ニーチェなどに。火口に飛び込んで死んだ。サンダルが噴火とともに、という奇怪な伝説。伝説的な医師。ピポクラテス。血液、黄胆汁などの4つの体液を。いずれかの要素が超過すると病気に。医療行為は温度と湿度のバランスを。食事を調整してバランスを回復させる。医学文書の集成。人体をそれ自体で小宇宙と見る。体液中心の医学観は長い伝統を。アナクサゴラス。紀元前480年のペルシア戦争にアテナイに。物質世界の原理として種。無限に小さく無限の数だけ。原初の状態では全てが合わさり。知性が一撃をして遠心分離機にかけられるように分離して現在の世界が。ミキサーの逆。どんな小さな部分を取り上げてもあらゆる種が。全体の宇宙の縮小コピーに。部分部分で一番優勢な性質が。全ての種が含まれている。自然学的な。民主主義における多数決原理に。無神論の疑いをかけられる。
物質的性格を。知性。愛と苦しみ。デモクリトスなど。原子という原理を。独特の自然学。最小単位。何処かで分割に最終的な限界を。原子と原子の間に隙間があり。それがあるから運動できる。真空はある。無がある。無いものは無い、という原則を大きく踏み越える。感覚された性格を一切持たない。アルファベットでANとNAは配列が違う。原子が空虚の中を運動し結合分離を。運動には合目的的秩序はない。特定の目的を持たない宇宙。原子論はアリストテレスにより批判されるが。エピクロス派に継承。反主流派の立場に留まる。16世紀になり再発見。原子論として復興。デモクリトスは膨大な著作を。断片しか残っていないが。子供のことや結婚のこと、正義のことなど。倫理的断片。快活な生活が目標。死への恐怖。しかしもはや存在しないから恐れる筋合いはない。生死は表面的な現象に過ぎない。原子の離合集散に過ぎないのだから。自然学理論を元にした1つの生き方。コスモロジーの最終形態の1つ。
200年に及ぶ初期ギリシア哲学。基礎的な部分を作る。

 

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奴隷の哲学者エピクテトス 人生の授業 ――この生きづらい世の中で「よく生きる」ために

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哲学の原風景 古代ギリシアの知恵とことば (NHKライブラリー)

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