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リスクの認知と受容(生活リスクマネジメント第5回)

原発のリスクの認識は人により極めて異なる。まあ最低限の安全性を確保するにはどうしても費用負担や人的負担が必要。

 

奈良由美子。リスクの認知と受容。リスクの認識の局面。認識のプロセス。ヒューリスティックで認識。では実際に具体的なリスク事象。リスクの受容の実態と要因。最も低いレベルのゼロリスク。
リスクイメージ。客観的な知識を持つことは難しい。物理的知識が無くてもイメージで。客観リスクと主観リスクのズレ。リスクイメージが別の要素で。ある共通した認知コードに従い。様々なリスク事象があるが、それらにどのようなリスク認知の?枠組みを研究。リスク心理学。リスクイメージの研究。問題関心。事象の物理的知識よりその事象について個人が抱く全体的な。81種類のリスク事象のイメージを構造化。原子炉事故や喫煙など。SD尺度を用いて。事象の一般的なインシデントを測定。好き嫌い。大きい小さいといった反対語の対からなる評価尺度。一般に5段階や7段階から。数値化して因子分析で。リスクイメージ尺度。制御不可能と可能。致命的か否か。18作成して81種類のリスクについて被検者にイメージ評価をしてもらい因子分析。3つの因子で。恐ろしさ認知。未知性認知。災害希望認知。安定して抽出される。恐ろしさ認知を構成。結末が致命的、制御が困難など。未知性認知を構成。化学的に解明されていない、観察不可能など。恐ろしさイメージや未知性イメージを。個人に深刻な。更に得られた2つの因子について横軸と縦軸としてマッチング。リスクの認知軸。右上になるほどリスクイメージが認知されやすい。未知性因子。遺伝子工学。新しく萌芽的な科学技術。危険性を認識しづらい、新規、遅れて悪影響が。恐ろしさ認知。核兵器の死の灰。福一事故。制御不可能、直感的に恐ろしい、結末が致命的。カタストロフィ。将来の世代にリスクが大きいなどの印象を備える。未知性イメージ。危険性を知らない、化学的に不明など。深刻で大きなリスクとして認知。恐ろしさ因子と未知性因子。認知傾向を予測。行政主体。リスクの規制や管理を行政機関に期待。行政主体が強く認知。上手く行っていない場合に責める。予兆性認知。将来の大事故の前触れと感じる。強く反応。岡本浩一。個人のリスク認知から予測されうる。中核をなすのが恐ろしさ因子と未知性因子。客観リスクの実態はどうあれ認知が。
一般の人々のリスク認知。リスクの受容。便益と引き換えに。ゼロリスクを期待。リスク便益分析。歴史が始まってからリスクの中で。何らかの理由でリスクを回避できない。容認して受け入れる、受容する。どのような時に?要因は?リスク受容の実態。スターのリスク受容のモデル。60年の論文。便益により社会的受容を。大きな便益をもたらすなら受容しやすい。リスク便益分析。自動車や航空機や喫煙などの活動に付き。リスクは統計データ。1時間あたりの死亡率。便益。採用することで支払う年間費用や節約する時間を貨幣換算。リスク受容の程度は便益の3乗に比例する。便益そのものが大きい。自発的活動では受容が。研究の方法に問題が指摘。社会全体のデータであり個人のリスクを明らかに出来ない?過去の受容しか扱えない。どのようなリスクをどれくらい受容しているかのデータが必要。特にリスク受容の研究を。どのようなリスクをどの程度受容しているかデータを直接。一般市民の質問紙法を。得られた知見。自発性が受容に関わる。人々のリスクの受容には認知が関わる。
ゼロリスク要求。リスクを更に小さくしてほしい、完全な安全を。ゼロリスクの理想論的期待。問題は専門家が指摘。但しどんなリスクでも何が何でもゼロリスクを求めている訳ではない。リスク低減にコストがかかる場合や条件提示により異なる。ゼロリスクが強く期待される場合。リスク心理学。認知の実態と構造を。実証的にアプローチ。人々はどのような領域で。認知行動。61項目のリスク事象について質問。原発の原子炉事故、癌、自動車事故、イジメ、喫煙など。科学技術や病気など。それぞれにつき質問。それを原因として犠牲が1人も出ない?7段階で。評定値を因子分析して5つの因子に。対人紛争因子など。具体的にどのような項目に?ゼロリスク項目。輸血に因る感染症。原子炉事故、イジメ、核廃棄物の処理、外科手術。農薬、鉄道事故など上位10項目。5つの因子のうち対人紛争因子が多い。61位。喫煙。60位から、スケードボード。登山、ハングライダー、暴走族の喧嘩、暴力団の抗争など。ランキングから、ゼロリスク要求の傾向。人為的活動についてはゼロリスクを求める傾向。特に原子炉や医療。被害者が弱者や一般人。イジメや拳銃。ゼロリスク要求が強く。病気などはゼロリスク要求が弱い。癌は20位、糖尿病は39位。地震災害の家屋倒壊は33位。洪水は45位。自分の楽しみのために自発的な活動に付き。アルコール中毒は50位台など。スターの自発的活動では受容される程度が高い。病気そのものより対象する医療行為についてのゼロリスク要求が高い。医療行為に対して安全安心を求める。自然災害はともかく科学技術のせいで死ぬのは受け入れられない。人々のゼロリスク要求の程度は事象により変わる。人々がゼロリスク要求の程度。コストや費用がかかる場合は現れ方が違う。中石和也。ダイオキシンに因る発癌。参加者に前提を示す。4人家族の税負担が年間70万円。癌死亡者を減らす4つのプログラムを示して費用負担の許容の程度を尋ねる。XYZW。4つの対策案を読んでもらい。対策を実施すると年間推定癌死者のうち25%を削減。4つ目のW。現在の年間推定癌死者の100%が助かる。ゼロリスクが達成。年間納税額の増加がいくら位までなら賛成するか。1万円単位で。費用負担が幾らまでなら。得られる金額をWTPと呼ぶ。支払い意思額。ポジティブフレーミングとNegativeフレーミング。フレーム。表現の違い。死亡する人を25%減らす、がNegative。WTPの結果。ゼロリスクを要求するなら近づくに従い高くなる?結果は予想通り。190人に調査。リスクが下がるに従いWTPは高くなる。最も高いWTPが。ポジティブフレーミングは変化がなく。ゼロリスク効果を実証。様々な領域においての知見と一致。実は研究で少しだけ条件を変えて興味深い結果が。同じ4つの対策について。小出しに。段階的に提示。最初にXの回答を、段階的に。最初に一斉に提示するのではなく。漸次型。まずXについて。ダイオキシンの削減案。25%が助かる。Xの導入のためのWTPを答えてもらい2つ目のYに。対策Xは実施されて当初より25%。Yが実施されると更に25%が助かる、合わせて50%が。Yについて回答した後にページを捲ってもらいZを。更にWによりゼロリスクが達成。段階的に提示されたWTP。一斉型とは違う。Xには高いコストを。しかし段々と低下。Xの半分程度に。その都度コスト負担を求められる場合には支払い許容額が減る。2つの実験からゼロリスク要求はいかなる場合にもあるわけではない。人々のゼロリスクの求め方は条件提示の方法にも。リスク・コミュニケーションでは丁寧に。
リスクをどのように認知している?更に便益がある場合は割り引いて?専門家の立場で。生活者にどうして強く反応するのか?拒絶反応やゼロリスク要求。リスク認知のフレームの理解を。人々が具体的リスク事象を。構成要素を。リスクの捉え方の多様性。経験的に感じているだろうが。どのような個人差があるか。社会的な構成。リスク観の特徴。