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リスク認知とバイアス(生活リスクマネジメント第4回)

認識を客観的に出来れば理想だけど、そうはいかないことを予め分かっておくことは必須のこと。

 

奈良由美子。リスク認知とバイアス。リスクの様相。リスクとは?現代社会には?リスクの認識の局面。生活者の側から。人々がリスクの認知を。認知バイアスとは。客観的ではなく主観的に見ている。
リスク認知とは?RiskPerception。ある事象についての把握が客観的か主観的か。リスクの定義。人間の生命などに望ましくない結果の可能性。頻度と強度。客観的確立や客観的大きさの組み合わせ。客観的可能性。リスク認知。可能性についての主観的判断。望ましくない事象の発生可能性と大きさの推定。評価。どのようにリスクを評価しているか。人間の認知の仕方で扱い方が変わる。人間が社会を構成しているので客観的な認識だけでは充分ではない。リスクと心理の関係を考える必要が。用語の用い方の注意。人間についての表現。生活者生活主体、社会心理学の知見を。英語ではpublic、一般市民公衆人々個人。心理学の研究を紹介。人々や市民という言葉を使う。生活者と同義に。物理的リスクそのもの。客観リスク。望ましくない結果の生起確率。客観的に。科学的根拠で推定され近似的数値が。主観リスク。人々が恐れるもの、個人の置かれている状況で多様になりやすい。2つのリスクは区別して。間にずれが多い。PerceptionGap。リスク心理学。研究方法。幾つかのリスク事象について。調査を。どの程度の主観的評価があるか。統計データによる物理尺度。そして両者を比較。PerceptionGapが大きいのは2つ。主幹リスクの方が顕著に大きい。遺伝子組み換えや原子力。客観リスクの方が顕著に大きい。飲酒、自動車運転、喫煙。なぜズレが?不確実性に。確率的で不確実性を含む。認識が難しい。人間の認知能力の制約が。元々限界がある。不確実性下で情報処理を行う。ヒューリスティックという方略を用いて判断を。情報処理の過程にはリスク認知のバイアスが。歪みや偏見、先入観。リスクについて判断する時に客観リスクとは違う判断を。認知バイアスの種類。正常性バイアス、楽観性バイアス、ベテランバイアスなど。正常性バイアス。正常化の偏見。リスクを過小評価。ある範囲内ではなるべく正常な状態で。緊急事態でもそれほど緊急ではないと歪めて。リスキーな自体でも減殺して日常性のコンテキストに落とし込む。こんなはずはない、正常なんだと自分を抑制。具体的な場面。自然災害に対する認知の場面。人々は自然災害の生起確率を低く評価する傾向がある。津波など避難指示が出ても避難しない、遅れるなどして大災害に。警報を無視したり遅らせたり。他にも非常ベルが鳴っても押し間違いだったり。煙が出ても焚き火をしたり。非常ベルの場合は本当に発生している可能性が。煙の場合は火事が起きているかも。通報するなど取るべき方法があるが、範囲内の異常性を示すことでも座り続ける行動を。正常性バイアスはそれ自身が悪いわけではない。危険を無視する自我防衛。心理で抑制するには日常性の維持に必要。しかし度が過ぎると悪い結果に。誤った判断に。大災害に。楽観主義バイアス。異常事態なのに楽観的で明るい側面から。環境で起こることを自分に都合の良いように歪めて。リスクを過小評価。ある情報を危険な事態かもしれないと判断するより日常の軽い逸脱の一つとみようとする。危険性を意識することが心理的ストレスに。程度を低く見積もることで心理的ストレスを低減しようと無意識に。喫煙。一本くらいなら。癌にはならないと毎日吸い続ける。ベテランバイアス。経験しているが故にリスクを歪めてみてしまう。経験を内面化して別の事象についても一定の解釈で。経験から学ぶ。大切さはよく言われる。ところが経験が豊富なことから生じるのがベテランバイアス。豊富であると情報の解釈に過去の経験が。現在の状況が大きく違う場合に解釈が誤る。これまでと違う場合には誤らせて過大評価したり過小評価したりすることが。一方で経験がなくてもバイアスが。ヴァージンバイアス。未経験であるが故に。手かがりがなくて正しい判断が難しく。同調性バイアス。周囲の人に同調。強かったり弱かったり。例えば非常ベルの例。鳴っても周りが落ち付いてその場に居続ければ自分も大丈夫だろうと様子見を。周りの人が騒げば自分も釣られて逃げる。カタストロフィバイアス。極めて稀だが破壊的なものに過大評価。確証バイアス。自分の信念や仮説に合わない情報は扱わない。後知恵バイアス。ことが起こった後に過去の事象を予測可能とみる。認知バイアスの具体例を。
このようなバイアスが生じるのはなぜか。一般の人々の情報処理に。しばしば用いるのがヒューリスティック。使用により産まれる認知の偏りが。ヒューリスティックの特性や種類。不確かな状況下で判断を行う簡便で単純な方略。状況の特性。不確かな状況下で決定を。状況の持つ可能性が大きい。すべてについて分析するのは大きな認知的コストが。ヒューリスティックを用いて直感的に。短時間に近似的な。専門家。リスクの頻度と強度の統計的データを。アルゴリズムに依拠して分析。ヒューリスティックは非常に効率的で日常的に。必ずしも正確な結果になるとは限らない。ヒューリスティックの種類。3つ。利用可能性、代表性、調整。利用可能性ヒューリスティック。人は利用可能性の大きい情報を重視して。利用しやすさは現実の生起可能性と対応しない。選択的に記憶しやすいと過大に評価する。身近なところに起こったこと。頻度が大きくなくてもイメージしやすいと過大評価。マスコミの報道。飛行機事故。記憶に残りやすい。自動車事故は日常でも意識されない。客観的リスクでは自動車事故が大きい。記憶や想像のしやすさで。代表性ヒューリスティック。ある事象が特定のカテゴリーに所属する確率がよく代表している。そう認知されると事象の生起確率を過大に過小に。直感的に判断する時に限られた事象事例に。母集団に入っていると過大に。あらゆる出来事を記憶することは出来ないので限られた事例で。類似の事例に。航空機事故。その事故が悪天候だったり整備ミスだったり、代表性は高い。生起確率が大きいと。別の事故がパイロットの操作、小さいと判断される傾向。代表性ヒューリスティックは類似性の。係留ヒューリスティック。初期値を設定して。先行して与えられた情報や頭に浮かんだものを係留点にして。調整は一般に不充分で初期の情報にとらわれやすい。ヒューリスティックは非常に効率的だが。係留と調整ヒューリスティック。感情ヒューリスティック。感情というものがリスク認知への関わりが大きい。00年頃に感情ヒューリスティックという。Negativeな感情と結びつく関係性に。感情を手がかりに意思決定を。好き嫌いで対象全体を判断するなど。快適不快、肯定的否定的。素早く喚起。感情で意思決定を。否定的感情が浮かぶと危険性を大きく。発電所や農薬、便益とリスクの双方を。本来は別々。その施設に好感を抱く。恐怖心などNegativeな。便益は小さくリスクは大きく。対象物についての感情。感情こそがリスク認知の構成要素と。利用可能性ヒューリスティックとの関連。感情はリスク認知に影響。強い感情を伴う記憶ほど利用しやすい。リスク認知の感情要素の重要性。様々な示唆を。対処の局面にも。生徒などに洪水などのリスク認知を。強い感情を喚起する映像を。
リスク認知のバイアス。リスク事象の特性に基づく認知バイアス。ある事象が特定の性質を持っていると高まる低まる。自発性。そのリスク事象はどうなるか。受け身で被るリスクは大きく、自発性に関わる。制度可能性。個人で制御できない。不公平に。特定の人には大きく。一方に利益で一方に損な。便益の明確さ。便益が明確でない場合は大きく。大惨事の可能性。結末の重大さ。死に。信頼。機関が信頼できないと判断。未来への影響。次の世代への。仕組みへの理解。進行過程。馴染みのない。出所。人為的に人工的に。強く。新しさ。古くよりも。削減可能性。元に戻せない。
リスクの本質は不確実性。情報処理のプロセスには歪みが。客観性や主観性。誰しも持っているもの。生活者がリスクを客観的に判断することは殆ど出来ていない。