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消費者の食品選択行動と市場(フードシステムと日本農業第9回)

日頃の情報処理は随分と簡略化されているなあと改めて感じる。

 

鬼頭弥生。食品選択行動。農業や食品産業に影響する。低価格の品ばかり購入すると、費用が切り詰められる。再生産が困難になることも。行動に至る意思決定。価格をどのように判断し品質を如何に評価しているか。認知科学や心理学、行動経済学のアプローチ。人間の情報処理能力には限界が。ヒューリスティクスの方法。消費者の価格判断や意思決定への情報処理プロセス。
消費者の判断の特質、価格判断。価格や原料、原産地などの情報を見て評価。認識の仕方、フレーム、違いが生じる。それを踏まえた意思決定も異なる。フレーミング効果。様々な現れ方が。事例。店に出かけてワインとチーズを。Aにおいてはチーズ500円が350円に。お買い得。Bとして、ワインが4000円から3850円に。多くの人において、値引きの認識は異なる。個人差もあるが。商品ごとのフレームで捉えられる。150円のコスト低下であっても、低価格帯の価値が重く受け入れられる。高価格帯は小さい価値に。たとえ値引き額が同じでも、卵のような低価格帯の値引きに引き寄せられやすい。販売価格そのものをどのように判断?近所のスーパー。大根。何か食品を購入。どのような理由で?外見や表示などの情報は?価格表示をどのように感じた?高い、安い。お手頃、思ったとおりの。価格をどのように評価?割高感や割安感はどこから?価格を相対的に評価。自身の記憶の中にある価格。内的参照価格。自己の記憶から想起。妥当であるかを判断するための価格。消費者自身が過去に参照した主観的な価格。個人により異なる。観察により変化もする。幅を持って存在する。買い物環境での。外的参照価格。消費者が外部から自発的に得る価格。販売価格とは別に、通常価格や通常希望価格も。消費者の記憶とは無関係の客観的な価格。大根の価格178円。内的参照価格。150円から160円位。値引き前の価格198円と隣の店の価格220円。外的参照価格。価格判断と意思決定に影響。どの程度かは消費者により異なる。どちらを重視するか?特徴によっても異なる。プロモーションが多い商品は、外的参照価格を参照することが多い。購買感覚が長いと、外的参照価格を参照する事が多い。値段が高い商品についても。小売店における値引き。特売イベントなど。値引きされた価格と内的参照価格、外的参照価格と比較。お買い得。低価格に接し続けると、上書きされて内的参照価格が低下。更に低価格でないとお買い得とは思えない。負のスパイラルに陥る。価格低下のしわ寄せは、流通段階や生産段階に。低価格志向は購買環境の変化を。内的参照価格の低下を招き、低価格志向を助長。小売業における値引きの在り方を考える必要がある。内的参照価格になりうる価格には様々。留保価格。パソコンのような性能重視の。製品カテゴリーごとなどで様々なレベルで形成。豆腐全体で。国産大豆毎に。評価が異なってくる。購買状況毎に異なる内的参照価格が形成され使い分けている場合もある。スーパーのチョコや百貨店の高級品。どのような店舗に置かれているのかでも内的参照価格が異なる。価格判断が異なることに。内的参照価格に影響する要因。度重なる値引きにより低下する。値引きの幅が大きいほど、頻度が高いほど、低下する。頻度の影響の方が大きい。小幅の値引きを度々行うほうが低下を。消費者により特別なイベントなら変化しない。しかし日常的になると低下してしまう。おまけなどのイベントなら影響しない。実質的に値下げだが。製造部門に及ぼす影響。販売価格の表示。希望小売価格など高い価格と一緒に。価格比較広告。外的参照価格としても。その場の価格判断で参照されるだけではなく、他の経験にも。惹きつけられて内的参照価格が上昇する。情報提供や表示により対策を立てることが可能。消費者の内的参照価格を上昇させる可能性が。
価格だけではない様々な情報を考慮するプロセス。多様な情報を考慮して購買するものを選択する。どのように?ヨーグルトを例に取る。冷蔵庫内のヨーグルトが無いので補充など。何処其処の新製品を食べたいなど。様々な製品についての内的情報と外的情報を参照して。プロセス。情報探索、評価と選択。情報処理プロセス。60年代後半以降様々なモデルが。消費者が食品購買の際に。ラベルなどの表示情報、感覚情報などの外部情報。無意識的に分析。製品特性。製品の持つ特徴。情報が目標と関連すると自覚されると、短期記憶の領域に送られる。現状と理想の状態と一定の値を超えた場合。問題認識の複雑さ。どのような問題解決プロセスが。関与。ある対象に対して重要性や関連性。買うという行為に対する重要性。関与が高い。どのような問題解決プロセスが取られるか。繰り返し購入する場合、短期記憶のルーティン的な。探索される情報量や時間は僅か。購買頻度の高い低価格の商品などで。知識や選択基準を持たず複雑な場合。広範囲的問題解決プロセス。全選択肢を考慮する加算的な。高価格の製品などで。一定の購買経験があると、中間的な限定的なプロセスが。複数の選択肢を想起して、選択肢評価については決定方略が。選択肢評価において簡略な、ヒューリスティクス。幾つかの方略が。加算型、限定的加算型。感情移譲型。最も単純な。ルーティン的問題解決。感情移譲型。記憶から引き出され最も好意的なものが。広範囲的問題解決プロセス、加算型。各選択肢が全属性に亘り検討され最良のものが選ばれる方略。総合評価をするので多大な認知的努力が必要。辞書編纂型や分離型などが中間的。限定的加算型。考慮する選択肢を絞った上で全体評価を。認知的努力を小さく。分離型や連結型。選択肢を1つずつ検討する。水準を満たせば他の属性を無視して選ばれる。1つでも条件を満たさなければ他の属性はどうであれ検討が打ち切られ次に進む。どのような順序で検討するのかが重視。辞書編纂型は各選択肢を検討、最も優れたものがあれば選ばれる。1つの選択肢になるまで絞られる。
生鮮食品の購買意思決定へのプロセス。小売店舗における研究。問題認識は複雑ではない。ルーティン的や限定的な。売り場で実際に探索する情報は少ない。選択肢、商品の種類を絞り込み検討する。卵と牛乳。単純な問題認識の下で。ルーティン的問題解決など。種類が多くならない。特定の属性に、限定加算型。実験が。売り場には8種類の卵が。今日のおすすめ品と以前上手かった。2種類の卵に注意を。価格と賞味期限を考慮する限定加算型。感情移譲型。牛肉。予定された料理に伴う。パックによって色や量が異なる。選択肢が多い。処理する情報量が多くなる。緩和する。肉じゃが用の細切れ牛肉。国産を選択。おすすめ商品。感情移譲型。陳列品全体から辞書編纂型。価格を1番にして、他に色などを考慮。買い物において種類が多いほうがより良い意思決定が出来ると思いがちだが、そうではない。情報過負荷が起こると正確性が低下したり満足度が低下したり、購買そのものを止めることに。魅力的だが購買に対しては逆効果になることも。実験結果。6種類のジャム。24種類のジャム。全体の比率からすると購買率は僅か。数が多いので購買に至らない。表示情報の表示が少なくても多くても混乱する。チャンク、情報の塊、同時に処理できるのは7つ程度。ラベル表示の在り方。基本的な情報はラベルに。詳細な情報は2次元バーコードに。
消費者として留意すること。価格判断の特徴から考えると、価格情報そのものは表現方法などの買い物環境から影響。情報処理プロセスからみても、体系的な情報処理をしていない。認知能力は認知資源は限られる。値引き情報に踊らされること無く冷静に。フードシステムの維持の為には、公正価格の情報を求める。低価格情報を吟味すること。マーケティング戦略に応用することも可能。生産製造段階の再生産が出来るように価格設定を。

 

フードシステムと日本農業 (放送大学教材)

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