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看護師の業務と役割分担の重要性(看護学概説第1回)#放送大学講義録

ーーーー講義録始めーーーー

 

看護師の業務:療養上の世話と診療の補助
保健師助産師看護師法では、看護師の業務は「療養上の世話」と「診療の補助」に大別されています。

療養上の世話

療養上の世話とは、対象者の日常生活全般に関わる援助を指します。これには、体位変換、食事介助、排泄介助などが含まれます。これらは看護師が独立して行える業務です。

診療の補助

診療の補助は、医師や歯科医師の指示のもと行う業務であり、診療機器の操作、医薬品の取り扱いなどが含まれます。2002年には、看護師による静脈注射の実施が「診療の補助」に該当するとの行政解釈が示され、医療現場での業務分担が進みました。

看護補助者の役割と業務分担

医療機関では、医師や看護師が専門業務に専念できるよう、適切な役割分担が求められています。看護補助者は、以下のような業務を担当します:

  • ベッドメーキング
  • 院内物品の運搬・補充
  • 検査室への患者移送

2008年の調査では、看護補助者が担う業務の多くが給食環境の整備、リネン交換、患者搬送、清潔介助、排泄ケアなどでした。一部の業務は外注されることもあります。

療養上の世話かどうかの判断

看護師は、業務が「療養上の世話」に該当するかを判断する責任を負います。この判断は、以下を考慮して行われます:

  • 対象者の健康状態
  • 業務内容
  • 状態変化のリスク

例えば、体位変換の場合、循環動態の変化が起こりやすい患者では、専門的判断が求められるため「療養上の世話」に該当します。一方、健康リスクが低い場合は該当しないこともあります。

看護師の責任

看護師は、指示内容や業務に関する判断について責任を負います。看護職の業務は法令で規定されており、全ての看護職が法令を理解し順守する必要があります。

看護の進化

看護の定義や実践は、社会の要請や価値観に影響を受けながら時代とともに変化・発展しています。看護師には、この変化を理解し対応する柔軟性が求められます。