F-nameのブログ

はてなダイアリーから移行し、更に独自ドメイン化しました。

看護理論の重要性と研究手法の進化(看護学概説第1回)#放送大学講義録

ーーーー講義録始めーーーー

 

看護学とは、看護に役立つ知識が集積されたものであり、看護が学問として認められるためには理論が重要です。

看護理論の構築とは、看護において発生する事象を記述、説明、予測、あるいは制御する試みを公式化したものです。
理論は現実と照らし合わせて検証可能でなければなりません。

看護理論の構築では、演繹的および帰納的な推論形式が用いられます。これにより、現実に基づいた理論的記述や説明を行い、得られた結果を分析し、検証可能な仮説を導き出すとともに、新たな経験的データの観点から理論を評価します。

  • 演繹的推論:一般的な前提や原理から特定の結論を導き出し、予測に基づいて観察や検証を行う方法。
  • 帰納的推論:多数の具体的な観察事例から一般的な結論を導き出す方法。ただし、演繹的推論ほど体系化されていません。

帰納的推論は、ある集団のすべてのメンバーが共通の特性を共有しているという仮定に基づき、その集団から無作為に選ばれた個体に対しても同じ特性が適用されると推定する方法です。

看護においては、帰納的手法による質的な研究方法が広く採用されています。また、演繹的推論と帰納的推論を組み合わせることで、概念や理論をより精密に構築できるようになっています。