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公共政策の手法(2) -市場をつくる(公共政策第14回)

民間に委ねるか政府で実施するかその中間かの話。メリット・デメリットの理解が欠かせない。

 

砂原庸介。公共政策の手法の内、市場をつくる。公共政策の手法。政府に因る規制と財サービスの直接供給に対して。財サービス供給市場の民間化。必要な財ザービスを市場で。
市場化。政府は望ましい秩序を作る。直接規制や直接供給で。しかし情報の不足で要らないものをたくさん作ったり。旧社会主義国。政府が情報を集約して生産活動も。必要なものの不足と過剰。政府による規制や直接供給で望ましい状態を作るのは難しい。人々の判断のもとで。市場化。どのような判断を元に?価格。値段のシグナルを元に要るか要らないかを判断することで。サービスをもっと欲しいとすれば価格は上がる。利潤が生まれるので新規参入が増えて供給が増える。長期的には望ましい価格と供給量の均衡に。望ましい秩序。政府は作り出せず人々の判断による。それを促すのが市場化。なぜ政府による直接供給が必要なのは?典型的には公共財。市場が成り立っていなくて価格もつけられない。再分配的なサービス。必要な人ほど買えない。だから直接供給をするのでは?供給に見返りがないので政府が関与していた。こういうところで市場を。準市場。規制や補助の方法を変えて中に消費者の選択を導入する。消費者が価格を見て判断して選択する。それができるように現金給付を。準市場化。供給主体の多様化。元々は政府がほぼ単一の供給主体だった。競争相手が居ないので非効率に。多様な供給主体によるサービスで効率化を。参入する主体が収益を確保できるか?工夫することで仕掛けを作り出す。民間企業かNPOか。実際のところは一定の収益があるところに参入する主体。収益が上がるかが問題。どのように?前提として供給する財サービスが見合った価格で。消費者の側でも騙されないように判断できる能力が。購買力も重要。供給者が収益だけを考えるとサービスの質が確保できない。政府が供給するのも問題だが。
日本で既に市場化している領域で。医療と介護。社会保険制度で市場化を。常に保険料を。保険料を元に医療サービスを。選んでいることになっている。ジェネリック医薬品。後発医薬品。特許が切れて他の企業が比較的安くなっている。一部負担金も含め安くなる。政府が関与しなければ医療サービスの価格は自由に設定できる。病気になると働けなくなり所得が下がる。価格をきちんと払うことが出来ない可能性が。高所得者しか享受できなくなる。戦前の日本でも医療費で破綻する例があった。社会保険の運営を政府が行っている。保険料を徴収して医療機関に支払う。医療サービスの値段を政府がつける。どのような医療サービスを幾らで払うのかが決まっている。あまりに高額だと保険によりカバーがされないことも。難病など。保健を使わずに自由診療に。個別に契約をして医療サービスを受ける。社会保険による政府の関与の意味。保険料を支払っている。病気になった時の多額の費用が払われる。医療の供給側にとってもお金ができるので収益が。サービスの消費者が適切な判断ができるか。保険医のフォローを受けることができるので判断もできる。民間事業者が収益を過度に求めるのも規制されている。株式会社が参入するのに規制を。介護も同様。より現金給付の性格が強い。必要性に応じて介護サービスの利用量が決まる。価格を見ながら自由に。選択の能力が問題に。成年後見制度。後見人を付ける。市場化に政府の関与は?社会保険の仕組みを使えるか。医療や介護。保険料を支払う人はサービスが必要になった時に購買力が。社会保険を使えない場合は政府による直接供給が。資産状況を。ミーンズテスト。サービス供給量が。公営住宅。資力がない人が。障害者などの福祉施設。保育サービス。何らかの基準で線引を行い漏れるとサービスが受けられない。順番待ちも。障害者施設や高齢者の福祉施設。サービスを受ける側も政府の措置による利益があるので不満を言い出しづらい。直接供給をどのように市場化するか。措置制度。施設に対して政府が補助。0才児保育は非常にお金がかかる。差額が補助されている。施設の側から見るとサービスの質に関係がない。切り詰めも。利用者の方は高額な0才児保育でも負担が少ない。必要でサービスを受けているのに優遇だと過度に批判がされる。それで市場化。利用者に対する直接補助。バウチャー。利用券や金券の意味。利用者の方がサービスに応じた価格を支払い供給主体はその負担による。購買力を付けるように補助をして民間事業者が収益を。幾つかのメリットが。利用者が自分の判断で。サービスの内容に不満があれば文句も言えるし事業者を替えることができる。競争が出来効率化が。デメリットも。補助のための財源が広がらないと薄く広くになる。元々財源が限られる。線引の外側の人に補助をすると内側の人の補助がカットされる。医療などど同じ問題だが、収益だけを考える事業者ではサービスの質が悪くなる。急な撤退でサービスが途絶えたり。市場化は一方的な直接供給を変えて事業者と利用者のやり取りで。
具体的な方法。民間委託。サービスの供給を委託する。民間事業者に委託料を。安い費用で実施できれば差額が利益に。どのように選ぶか。競争入札。安い費用を提示した。節約が可能に。価格だけでなく。総合評価という手法も。内容も含めて。地元企業をゆうせんするなどだと不透明に。随意契約。民間委託の範囲。基本的には定型化された業務について。給食サービス。ゴミ収集サービスなど。上下水道の運営。刑務所の運営。非定型業務への拡大。保育所の運営。子ども一人ひとりに違う。庁舎内での受付。コンシェルジュ。ホームページの作成。政府内部での専門業務にも拡大しようと動きが。会計業務など。中枢に近い業務の一部を。規制も。建築確認業務。既に民間の機関が。行政だけだと供給が少なく待ち時間が長くなる。民間の機関で大量の審査を。甘いのではないかと批判が。検証が必要。民営化。民間委託だけではなく政府の事業そのものを売却することも。鉄鋼業や鉱業などの公営企業は民間に払い下げられた。自分の資産で。民間に売却するときにはなるべく高く。納税者の資産を。民営化した後で収益を求めて競争する。国際競争があるので比較的民営化がしやすい。大規模なネットワーク型事業。需要は多いところと少ないところが。2つを抱えてなんとかする。需要が少ないところが。クリームスキリング。2つの手法が。地域分割。事業を地域ごとに複数に分けて地域間で擬似的競争を。必要な費用の構造を比較化できる。ヤードスティック競争。JRや電力会社。極端に人件費がかかっていると会社の比較で知ることができる。より効率化を。上下分離。ネットワークにはインフラでお金がかかる。引き続き政府が。運用を民間に。資産を売却する部分は大きくならない。運営を民間委託するのと近くなる。海外では鉄道事業も上下分離で。上の方の運営主体が車両を買ったり借りたりする。下のインフラを上の会社が複数で。効率的にネットワークを。
ValueForMoney。誰がサービス供給者であるかは問わない。支払いに対し最も価値の高いサービスを。法令などの細かい縛り。民間ではより自由に。利益を生み出す可能性が。政府は業務を細かく切り分けて入札に。それは面倒。特区制度のもとの刑務所PFI。施設サービスに加えて警備なども。大きな利益を。市場化テスト。民間事業者と政府の競争で。対等に競争入札に参加。政府の方が取り戻したり。政府に刺激を与えて。06年に法律ができ事業者テストが。民間事業者が継続的に事業ができるか。倒産せざるを得ない場合も。複数の取引を色んな所で。事業が継続できる。ノウハウを蓄積して質が高くなる。
市場化。問題点もある。市場化により公共サービスの質が維持できるか。事業者が収益のためにサービスの質を下げないか。政府によるコントロールを。品質評価を。手法。アウトカム評価。明確な目標のもとで達成されたかどうか。対人サービスでは難しい。プロセス評価。サービス従事者の訓練などを。極めて複雑なので評価は難しい。サービスの情報につき公表して格付けを求める。消費者の選択の前提として評価情報が必要。民間の主体が多元的に行い基準が異なるのを承知で。継続的にサービスが供給できるか。独占が生じると利用者が不満を持っても競争がないので選べない。かえってサービスの質が改善されづらくなる。競争が過剰なのも問題。倒産するとサービスが止まる。対人社会サービスは供給者と利用者の信頼関係が必要。とりわけ保育については。

 

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