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生活ガバナンスとは何か(生活ガバナンス研究第1回)

私が子どもの頃に比べても個人化の傾向は進んでいると言える。地域に根ざした生活を作り上げる必要があるのだろう。

 

宮本みち子。生活ガバナンス。科目のねらいと社会的背景。用語の意味と必要性。公共空間で主体的に参加するイメージを。
生活ガバナンスの用語の理解。現代という時代。リスク社会と定義した議論。生活一般の不安定性。ベック。「危険社会」。現象を個人化という概念で理解。個人化とは。伝統的な共同体や生活様式から個人が離脱していく現象。地縁や職業集団などの社会集団から。生活上の諸規則から個人が離脱。従来の個人化論。新たな社会連帯が。近代化論は妥当だったけれど。国民国家などの制度は統合の役割を果たす。作られた伝統からの個人の離脱。19世紀の個人化、社会集団は防波堤と捉えられて社会の基盤に。作られた伝統の意味。近代以後、ほぼ大多数の人は労働市場への参入。何らかの雇用契約。生存維持が可能に。近代における個人化は一定の経済成長の賜物。労働市場の整備。教育制度家族制度を前提に。従来の近代化。時代状況が様変わり。転換点は80年頃から。社会構造の変化。近代的な伝統を解体。躍り出たのがひとりひとりの個人。社会を構成する最初の再生産単位。個人の選択性や生産性が高まる。ライフコースの多様化。どのような人生を歩むのか、個人の選択の度合いが高まる。各回で具体的事例を紹介しながら現代の特徴や課題。
ベック。生きているリスク社会。リスク社会では生活設計において個人主義的な存在。自らの社会的アイデンティティを選択しなければ。リスクも背負う。個人が社会性の生産ユニットに。個人が選択の主体。単純に自由の拡大とは言えない。個人化は作られた伝統から解放するとともに統制行動を。伝統社会では伝統に服従することが強要された。自己を捨てることを。現代は自己への執着が求められる。自分は何をしたいのかの内省的な問を繰り返し。市場と制度の中から見つけ出す。個人が選択の主体になる。失敗するときには自己責任への転嫁が。人は制度的に社会の最小単位として。そのため個人は特定の事態につき自らの責任で。個人は選択を強制される。自己責任。現代社会の生活の実態にアプローチ。選択の拡大と社会現象が。社会から排除される人も生まれる。個人の主体化。排除される人を産む社会と克服する道を。
現代生活と人生を。バウマン、リキッドモダニティ論。リキッドモダニティという書物。液状化する社会。軽量資本主義に。80年代以降に。同じ時代を。ポストモダン。近代は固体的ソリッドな。安定した秩序。個人的自由の否定。希望と可能性も秘めていた。政治的に結びつき公正なものになると希望が。労働者は安全安定の見込みが。80年代以降に国家の役割が変化。国家に支えられた仕組みが崩壊。しかも固体的近代と違い。軽い資本主義の時代。取り巻く状況は近代的特徴を際立たせる。暫定的出来事ではなく永遠のプロセスに。永遠の挑戦。生き続ける意味。現代の生活を具体的に。生活の商品化と社会化。内部に留まっては完結は出来ない。生活の社会化。結婚と家族関係。家族モデル。離婚の増加や未婚化子なし。結婚生活の持続性を担保するのに普段の努力が。幸運の結果。個人と企業の長期間の関係性も自明ではない。いつ離職転職をするか。人間関係も持てるとは限らない。人生のあらゆる面で。ライフコースの喪失。評価基準も自明ではなくなる。60年代では方向の問いについて明確な答えが。幸せな家族生活。生活水準の向上など。多くの人は別のことを誇る。自己実現やアイデンティティ探究や個人能力の向上。必然的に曖昧な性格を持つ。あらゆる面での商品化と消費の自己肥大化。人間同士の絆は永続的努力と自己犠牲によるのではなく買われた瞬間に充足を。喜ばれる間のみ。友人関係など。人間の永続的連帯が難しくなる。
現代生活というもの。生活ガバナンス。個人化する社会。液状化する社会から必然的に。様々なテーマについて議論して生活者の営為を替える。個人化する生活の社会化。生活の商品化の趨勢。生活の社会化。生活資源サービスの供給が社会的に。一方で生活の単位は個人に分解。公共のテーマに。生活が私生活の範囲を超えて。生活ガバナンスの営為。能動的にコントロールする活動が生まれる。営為を表す概念。生活の社会化が進み解決の難しい課題が多くなり参加が求められる。新たな知識やスキルが必要。交渉などの力が必要。組織は作られた幻想としての家族や諸制度とは異なる性格を。伝統的な社会の崩壊に伴う機能を回復する。伝統社会に変わる新たな市民社会に。生活課題が急増して公共的領域の参加が質を高めるのに必要。当事者が自分で意思決定を。生活を取り巻く環境を決める。現代という時代の中では商品化が浸透する状況で生活者の価値はどのように打ち立てられるか。特徴。ガバナンスという用語の理解と背景。接頭語。舵取りに由来。ガバメント。制度、法律で裏付けられた権限が存在するのを前提。利害調整や行為形成はトップダウン的な。ガバナンスというのは多様なステークホルダーを。能動的に関わるのを特徴とする。共通問題に。参加と合意を重視。生活ガバナンスの背景。家族や地域コミュニティの親密圏。人や生命に関わり喜怒哀楽に関わり日々の営みの場。政治のテーマとはならなかった。現代では政治的テーマに。生活の社会化。諸相は個人や世帯などの私的領域ではなく医療などと広がり自己責任になりえない。政治の方向を変える。暮らしに直結。ギデンズ。個人の生活が政治の対象となる。ライフポリティクス。環境と生活の関係。生殖技術。DVなどの問題群を顕在化。個人的なライフスタイルが公共のテーマに。公共的空間の議論に。ライフポリティクスと関連が深いエンパワーメント。人々が環境に影響を与える力が必要。自分自身の生活を変える力を。社会的な勢力にもてあそばれることを防ぐ。セルフエンパワーメント。当事者の自律を増大させる。そのための支援。エンパワーメントの意味は全ての人の潜在能力が発揮できる社会に。単なるPersonalなスキルではなく社会的。社会的力をどのように獲得するか。生涯学習。互いの結びつきを作る。絶えず他者に関わる能力を。公共空間を再建することが出来るか。公共空間。義務に対しみんなの問題へと。公共的問題を個人の問題に。他者とやり取りするスキル。対話を行い相互合意に至り問題を解決するスキル。
日本における生活ガバナンスの登場の経緯。90年代。産業の発展による所得の成長や福祉国家。格差拡大の二極化、終身雇用制や性別役割分業が不安定に。生活の変容は社会化だけでなく生活の枠組みの動揺。受動的では生活防衛できない。生活主体の登場。主体性という観念の広がりは連帯をもたらすか。個人化と連帯への力が弱い。関係性の希薄さが進行して社会的に孤立する人が顕在化。社会格差の拡大で社会的孤立と貧困が。排除する力学が働きやすくなる。広井良典。集団が内側に閉じる。克服すべき。個人などから家族企業。大小様々な集団が完結した状態で他者と交渉が少ない状態。明確で独立して言語化されたルールが無く。成員と交渉が困難。閉鎖的排他的傾向が。内に向かって閉じる集団の特徴。生活課題の解決に向けて連帯するのは容易ではない。実際のところは生活ガバナンスへの変化が。深く係る課題で行動を起こし始めるのは80年代。篠原一。ライブリィポリティクス。高等政治の時代から利益政治。更に70年代からライブリィポリティクス。3つの側面。生活に関する政治。近代社会では生産社会が独占的。生産至上主義を否定する政治の動き。生に関する政治。生命体への関心。生命の問題。ハンディキャップ。人類の生存。90年代以降NPOなどの拡大。地域の切実な認識から新たなサービスに。天野正子。活動する主婦層の新しい動きが。政治の潮流は利益政治である新保守主義。市場主義を再評価する新自由主義。個人化の進行。社会的孤立と困窮が一体化。リキッドモダニティの様相が深まる。少子高齢化が進むニーズが多様化して行政は対応できず財政は悪化する。NPOやボランティアなど多様な主体が対等に共同してコミュニティガバナンスが。名古屋市内の病院。市民の声を集め地域密着型の病院に。10年の建設までのプロセスも多くの人の声を反映。集会は06年から。10テーマごとに議論を重ねて延5000人以上が。救急医療や充実した病棟が。カフェやコンビニ。旅行カウンター。図書館など。料理教室や保育所。導線上にあるので通勤者の通り道に。非効率なプロセスのように見えるが様々なアイデアを利用し豊かさが。建設に関わることで居場所があると実感した住民が関わり続ける。病院には150名のボランティアが。グループホームも。
生活ガバナンスとは何か。生活のあり方や環境のあり方について一方的に決めてもらうのではない生活者の営み。不断に続く行為。世代を超えたものにもなる。

 

 

 

 

 

 

 

すべての若者が生きられる未来を――家族・教育・仕事からの排除に抗して

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ポスト青年期と親子戦略―大人になる意味と形の変容