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行政法第6回 行政裁量 # 放送大学講義録

要するに行政権の限界が何処であるか、という問題でもある。

 

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-----講義録始め-----

 

行政裁量とその意義

行政活動は基本的に法律に従って行われる。しかし、法律は全てのケースを具体的に定めることができないため、規範が抽象的になることがある。このような場合、行政が自らの判断で行動する余地が生まれる。これを「行政裁量」と呼ぶ。行政裁量は、法律が細部まで定めることが難しい場面での現場の判断の余地を認めるものであり、要件裁量と効果裁量の二つの形態が存在する。要件裁量は、行為の要件に関する判断の余地を指し、効果裁量は、行為の効果に関する判断の余地を指す。

行政裁量の法的背景

行政裁量の存在は、法律による行政の原理に基づく。国会は行政権を統制するが、全ての行為を機械的に執行するだけのものではない。特に、法律の空白部分を補充する役割が行政裁量には求められる。憲法76条2項においても、行政権と裁判所の関係が示されている。法律の規定の空白部分を埋めるのは最終的には裁判所であり、法解釈の最終的権限を持つ。

行政裁量の認められる理由

行政裁量が認められる理由としては、法律の解釈問題や実質的な理由が存在する。昭和53年の最高裁判所の判例において、政治的判断の必要性が要件裁量の理由として挙げられている。また、昭和52年の最高裁判所の判例では、懲戒処分を行う際の広範な事情の考慮や専門的判断の必要性が効果裁量の理由として示されている。

行政裁量の裁判所による統制

行政裁量の裁判所による統制に関しては、裁量濫用の問題が中心となる。覊行束為は、要件や効果が明確に定められている行為であり、裁量が認められない。裁判所は、行政庁との判断が食い違った場合、自らの判断で行動する。特に裁量行為については、行政庁の判断を尊重することが求められることが多い。しかし、社会観念審査や比例原則違反など、裁量濫用の判断基準も存在する。裁判所は、行政の判断過程に着目し、不合理な判断がなされていないかを検討する。

この文章は、提供された講義の書き起こしを基に、行政裁量に関する概念やその関連性を整理して記述したものです。論理的な飛躍がある部分は補充しています。