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西洋音楽史第15回 #放送大学講義録

今後「クラシック音楽」は生き残っていけるのだろうか。ポピュラー音楽だけが命脈を保つことになるかもしれない。

 

西洋音楽史第15回 - F-nameのブログ

 

-----講義録始め-----

 

この講義では、西洋音楽の歴史とその変遷を探究しています。西洋クラシック音楽は、世界各地に拡散し、多くの地域の音楽に影響を与え、その一方で現代音楽やポピュラー音楽も発展してきました。西洋音楽のクラシック化、またはクラシック音楽の「クラシック化」は、伝統的なエリート層の音楽の持続と、過去の音楽をレパートリーとして引き継ぐという現象を示しています。これは、クラシック音楽の演奏文化が主流となり、アヴァンギャルドやポピュラリティの拒絶といった極端な傾向が生まれました。

レコード芸術の発明と録音音楽の普及により、長時間の録音が可能となり、聴き手は同じ音楽を何度も聴くことで、演奏解釈の違いを味わうことが可能となりました。この聴き方は、オーディオファンに特に人気であり、例えば指揮者カラヤンのようにサウンドの磨きにこだわる者も出現しました。

その一方で、前衛的なアプローチを持つ現代音楽も存在します。例えば、ジョン・ケージの「4分33秒」は、「音楽」を再定義し、既成の二分法を否定しました。その後のポストケージ時代では、ミニマル・ミュージックが生まれ、ある種の癒し系音楽と関係を持つようになりました。

21世紀の現代音楽では、不協和音は見い出せないような音楽や、難しい音楽に対抗するサロン音楽が人気を博しています。このような傾向は、19世紀から始まり、20世紀にさらに先鋭化しました。

さらに、20世紀からは、様々な娯楽音楽が誕生し、それらは芸術的実験と娯楽の分離という新たな形を生み出しました。特に、第一次世界大戦以降のアメリカでは、JAZZなどのポピュラー音楽が本場となり、西洋音楽の伝統の中でポピュラー音楽が勃興しました。「カサブランカ」のように、音だけで映像が分かるような音楽が誕生した20世紀は、娯楽音楽に携わる者が多くなる時代でもありました。