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-----講義録始め-----
実際にリスクマネジメントを行う具体的な活動過程を探る前に、重要な要点を確認したいと思います。それは、リスクマネジメントとリスクコミュニケーションとの緊密な関連性です。リスクマネジメントは、リスクコミュニケーションと連携しながら進められるものです。リスクコミュニケーションとは、リスクに関わる情報や意見の相互交換プロセスを指します。生活リスクマネジメントの場合、コミュニケーションの対象には、家族や近隣住民、職場の人々、自治体、企業、マスメディアなどが含まれます。
リスクマネジメントとリスクコミュニケーションが双方とも必要な理由は、客観的なリスク(客観リスク)とそれをどのように認識するか(主観リスク)との違いに起因します。例えば、自然災害の危険性を認識せず、避難の遅れなどの危険性が生じる場合や、ある食品や産地の農水産物に対しての風評被害など、客観的なリスクと主観的なリスクのギャップが社会問題として浮上します。
リスクに関与する者同士で、リスク認識が異なる場合、情報の共有だけでなく、どのようにリスクを低減するかの議論が必要です。