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放送大学講義🎓 社会科学の真髄 市民自治の知識と実践第1回(その1) #放送大学講義録

法律学はどうなのだろう、と法学徒である私は思う。

 

------講義録始め--------

 

まず、この講義の趣旨を説明します。この講義は放送大学の基盤科目として位置付けられており、社会と産業コースが中心になって提供しています。この基盤科目の内容としては、社会科学入門のような性格があります。しかし、入門というものは教えるのが難しく、様々な方法で講義を進めることができます。この講義の中心的な問いは「なぜ社会科学が必要なのか」ということです。これは学問の本質や意義に関わる重要な問題で、この講義でも取り上げます。

学問や科学とは、真理の探求を目的としたもので、それ自体が目的であります。しかし、科学や学問と実世界との関係も考慮する必要があります。実際、全ての学者は、学問と実践の関係性を考える必要があります。一般の人々がこの関係性を考える時、よく「役に立つのか」という観点から考えます。大学の学生は就職活動の際に、学んだことが実世界でどのように役に立つのかを問われることがよくあります。

「役に立つ」という考え方には大きく分けて二つの意味があります。一つは「道具的」と呼ばれる意味で、これは学問が実際の生活や実践でどれだけ役に立つか、という点に関連しています。例えば、科学で学んだことが製品制作に役に立つというような意味です。社会科学でも、同様の考え方が存在します。

もう一つの意味は「批判的」と呼ばれるもので、これは目的や手段そのものを批判し、反省することを意味します。批判は、否定だけでなく、反省や再考を促すという点で重要です。学問と実践の関係性は、これらの観点から見ると、道具的にも批判的にも役に立ちます。この講義、特に社会科学入門と市民自治の部分では、この二つの観点から学問と実践の関係性を考えることを目的としています。