リスクコミュニケーションは大事だけど難しいと思う。
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以上の内容から、リスクコミュニケーションの事例について見てきました。これらの事例には、信頼構築の観点から生活者、専門家、第三者の3つの主体が関与しています。それぞれの主体には以下のような要点が求められると言えます。
専門家には、専門的な内容をわかりやすく伝える能力や相手の話を聞く能力、誤りや新たな気づきを表出する真摯な態度が求められます。これらの要点は信頼を築く努力が必要であることを示唆しています。
リスクコミュニケーションでは、第三者の役割が重要です。鶯沢町の事例では、コーディネーターである環境事業団がその役割を果たしました。第三者は中立であり、専門的な説明をわかりやすく伝える能力が求められます。また、雰囲気や関係を作る工夫も重要です。
生活者には、リスクに関心を持つことが不可欠です。関心がなければ主体的かつ継続的に参加できません。異なる意見を持つ生活者の存在も重要であり、幅広い議論を行うためには必要です。
日本化学会リスクコミュニケーション手法検討会は、専門家と市民向けの7つの原則を提示しています。これによれば、相手の立場を理解し対話し、プロセスに注目して改善し、信頼できる情報を提供し、感情的でない姿勢で伝えることが求められます。また、代替案を提案し、他からの批判や提案を聞く姿勢が重要です。
生活者が他のステークホルダーと共に対話し、リスクについて対等な立場で議論し共同することの社会的な意義も大きいと述べられています。
この授業では、信頼とリスクについて話しました。信頼の概念やその重要性、信頼構築のモデル、具体的な事例を示しました。ここでの内容で授業を終わります。