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#グローバリゼーション 時代の市民自治と未来 市民自治の知識と実践第1回(その8) #放送大学講義録

グローバリズムも万能ではないことは留意されるべきことだろう。

 

--------講義録始め------

 

グローバリゼーションにはいくつかのマイナスの点が考慮されるべきです。まず、我々が直面しているのは、対処が困難なグローバルな危機です。伝統的に経済危機は重要な問題とされており、例えばリーマンショックのような事件は国家の統治能力の限界を示しています。これらの危機は、国の経済だけの問題ではなく、グローバルに影響を及ぼしています。新型コロナウイルスのパンデミックもこの傾向を示す最新の例です。このようなグローバルな危機に、国家統治は徐々に無力化してきており、市民自治さえも挑戦される状況にあります。しかし、私は市民自治には国家統治よりも対抗する能力やポテンシャルがあると感じています。これは、グローバリゼーションが突きつける新たな課題として考えられるでしょう。

もう一つのグローバリゼーションのマイナスの面として、アンチグローバリズムの動きや新しいナショナリズムの出現があります。例としては、イギリスの欧州連合離脱やヨーロッパの新しい右翼の出現などが挙げられます。これらの動きは、グローバリゼーションとの対立を示しており、その未来は予測が難しいです。

ネオリベラリズムもまた重要なトピックです。レーガンやサッチャー政権の時代から、小さな政府、民営化、市場化の方針が全世界で取り入れられています。ネオリベラリズムと市民自治には共通点があるとも言われますが、その社会観や価値観は大きく異なります。ネオリベラリズムは競争と強い人間の勝利を中心に考えるのに対し、市民自治は共同体や共生を重視します。

コスモポリタニズムは、市民自治とグローバリゼーションの関係において重要な概念であるとされていますが、私は市民の具体的で開放的なポテンシャルがより強力だと考えています。現実的には、異なる背景を持つ多くの人々が共に生活しているので、その共同性を重視することが開放性を持つ可能性があると感じています。

最後に、ネオリベラリズムについてさらに詳しく話す予定でしたが、詳細は印刷教材を参照してください。

今回は「私たちは何か」というテーマについてお話ししましたが、次回も同じテーマで続ける予定です。どうぞご期待ください。