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親子関係の解釈において、フロイトの精神分析理論と学習理論が重要。リビドー、一次的・二次的動機付けがキーワード。(発達心理学特論第6回)♯放送大学講義録

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親子関係の解釈は古来から様々な見方が提示されてきました。主な理論を整理すると、以下の通りです。

一つ目は精神分析理論で、これはフロイトによるものです。この理論では発達過程の中でリビドーと呼ばれる性的エネルギーが外界のどこに向かうのかを時期によって捉えます。特に乳児期の親子関係では、赤ちゃんが母親の乳を吸う行為を通じて密接なつながりが形成されるとされます。授乳を通じた唇との接触が親子関係の基礎を形成すると考えられています。

もう一つは学習理論です。学習理論では、全ての生き物には元々存在する一次的動機付けがあります。一次的動機付けとは、飢餓や渇き、不快感などの状態が発生した際、学習を必要とせず自然に心地良い状態を求める本能的な動機です。赤ちゃんの場合、自力でこれらの不快な状態を解消することはできません。そんな時、母親が現れて快適な状態を提供することが繰り返されると、赤ちゃんは学習の結果として母親の姿を求めるようになります。これを二次的動機付けと言います。親に対する子どもの依存性は、学習の結果として形成されると考えられています。

基本的に親子関係は、精神分析理論でも学習理論でも、母親との授乳を通じた関係が基盤にあるという解釈です。